「浮種検査を考える」
種を採取しゴミの選別が終わると、種子の良し悪しの選別作業をしなくてはならない。
虫に食われたのか黒い穴の空いた種、変形した種、極小な種などは、目視で除去。
次の段階は、浮種検査である。水に浮かぶ種は不稔種として除去する。
この検査方法は、どうも大雑把である。
浮種として判断した種から、かなりの種が発芽する事が判明したからである。
時間をかけて浮種検査をして見ると、とんでもない事態になった。
水を入れた4個のビーカーに種が沈んでいる。所謂、沈下種である。
つまり完熟した種として、合格品と判断出来る事になるのか?
何故、4個のビーカーなのか?その違いは何か?
これは左上のビーカーで水を切った状態である。種の数量が1番多い。
また、種の色も他の3個に比べて違う事は明らかである。
浮種検査開始後、10分以内に浮種は除去して残された種である。
これは、右上のビーカーの種である。種の数は2番目に多い。
しかし、種の色は左の種に比べると、全体に薄茶色である。
初めに除去された種を別のビーカーに入れて30分後、底に沈んだ種である。
勿論、まだ浮いている種がある。同様にして別のビーカーに入れる。
左下のビーカーの種である。極少量だが黄緑色の種が入っている。
浮種検査開始後、浮種として2回除去された種である。
もう沈む種は無いかと思っていたが、水に入れて3時間以上経過後沈んだ種である。
更に浮種を集めて別のビーカーに移す。
右下のビーカーの種である。種の数は最も少ない。
明らかに黄緑色の種が数粒入っている。浮種検査を繰り返す事4回。
この後、浮種は翌日になっても水に沈む種は無かった。
残留数は更に少なくこの半分も無かった。完全なる浮種であった。
夜間に入ってビーカーを覗いてみた。
不思議な光景であった。種子一つに数個の泡粒が出て来た。
中にはその泡粒に依って浮いてくる種もある。
この泡粒の正体は不明である。
おそらく、種の重みで沈んだが種子の殻の中に空気がわずかにあったのであろう。
それが水圧で殻の外に滲み出て集まり、泡となったのではないかと思われる。
勿論、浮き上がった種は泡粒が離れればゆっくりと底へ沈み込んで行く。
浮種検査で除外された種から発根する種が未だ続いている。
浮種検査の結果はA,B,C,Dの4種類に分類されてた。Aは最初の沈下種である。これは合格品。
問題は残されたB,C,Dのどの段階までが合格品となるかである。
判断結果は発芽検査で自ずと出る事であろう。1ヶ月後となる。
「すくうたね さがすみちすじ またわかれ」
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