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映画「うつくしいひと」に映る震災前の熊本城

2016-05-27 10:02:54 | 日記

  好い天気に誘われ、毎日のように起きる地震の怖さをひと時でも忘れようと、市内中心街にあるDennkikanに映画を見に夫婦で出かけた。

 上映中の映画は「うつくしいひと」。熊本県出身の映画監督行定勳さんの作品。都市部で活躍中の熊本にゆかりのある俳優さんや著名人が出演している、熊本を舞台にした、現在と過去の思い出が交差していくというノスタルジックなラブストーリー。昨年10月から、熊本城、夏目漱石旧居、江津湖、菊池渓谷、阿蘇の草千里、通潤橋といった熊本の代表的な名所で撮影が行われ、年明けに完成した49分の中編映画。

 出演者は熊本出身の高良健吾さん、ほか橋本愛、石田えりさん。政治学者の姜尚中さんという顔ぶれ。

 4月14日に、ご存じのとおり2回にわたる震度7の熊本地震が発生し、今も活発な余震が続いており、県内各地はもとより大分でも家屋倒壊、土砂崩れなど大きな被害が出ている。

 なかでも熊本県民のシンボルでもある天下の名城熊本城は、周囲の石垣が崩れるなど壊滅的な被害を受けた。以前の優雅で雄大な姿は突然消えてしまった。その復旧には20年ないし30年はかかるという。

          (写真をクリックしてください)

 阿蘇地方でも大規模な土砂崩れがあり、阿蘇大橋が崩落。益城町や熊本市ではたくさんの家屋が倒壊、1万人を超える被災者の方々が今も各地の避難所で不自由な避難生活を送られている。

 熊本城は熊本県民のシンボル。映画「うつくしいひと」は、くしくも、震災前の美しい熊本城の姿を映像に残してくれた。まさに、この映画、被災を受けた熊本でブームとなり、被災者を力気づけてくれた。

 Dennkikanは何回行っても、観客はいつもまばらな小さな映画館、これで経営は成り立つのだろうかと心配するほどだが、この映画「うつくしいひと」は違った。入場料500円の一部が熊本地震の義援金として寄付されるというが、140人ほどの座席は満席だった。立ち見の人もいる。札止めになった日もあった。

 49分の映画はあっという間に終わった。映画のストーリーよりも、むしろ震災前の熊本の美しい風景が、県民の心をとらえたのではあるまいか。