今月母が突然亡くなり、未だ忌中。四十九日の半分も経ってない。
母が死んでから、どうしたものか、私は早朝覚醒が止まらないのである。
毎朝、五時に目が覚めて眠れないので、そのまま起きてしまう。
睡眠不足で昼間ボーッとしている。早朝覚醒とは、気持ちの底に興奮や
落ち着きのなさが潜んでいるのだろうが、どうしてそうなるのか、自分
でも分からない。
母は、私がひとりで介護をしてきた肉親なので、未だに母の死が受け容
れられないのか。介護の苦労は終わったが、気持ちに少し未消化で辛い
ものがある。そんなとき、デジカメで撮影した生前の母の画像を眺める
と、癒される。人心にとって、想い出とは大切なものなのだなと思う。
津波や震災で、家も人も更には「想い出」も一切が流され、ご遺体さえ
還らない遺族の方々がいる。骨も無ければ、共に過ごした家も家財も写
真さえもない。遺族にとって、この徹底した喪失の、「喪」は心に過酷
だろうなと、我が身を顧みて初めて思った。そんな遺族の方々には、幽
霊でも好いから出て欲しいとは、もっともな話である。
ところで、私の姪が月末に結婚式を挙げる。当初はお昼からの結婚式は
母の食事の世話があり無理と、披露宴だけ出ると返事をしていたのだが、
母が亡くなった今、式から出席可能となった。だが、はたと思ったのは、
親の葬儀の喪主が、忌中にお祝い事に出るのは、いかがなものかという
ことである。
この件、葬儀の折に菩提寺のご住職に尋ねてみたら、それは全く構わな
いですよという答えで、少し意外だった。でも、自分としてはどうして
も母にも義理を立てたい気持ちがある。母は神仏にはうるさいヒトだっ
たから。姪には当初とおり、結婚式は出ないが、披露宴には顔を出すか
らと伝えた。「中庸」の知恵というか、どっち付かずなオトナの狡知。
2年前、父が他界したときは、四十九日はアッという間だったが、
今回はやけに、時間の経過を長々と、ジリジリと感じている。
もうお彼岸である。庭では彼岸花が赤々と咲いている。
父も母も(私も)甘党だった。今日はおはぎを仏壇にお供えした。
誰の心にも、秋が、静かに静かに深まると好い。
母が死んでから、どうしたものか、私は早朝覚醒が止まらないのである。
毎朝、五時に目が覚めて眠れないので、そのまま起きてしまう。
睡眠不足で昼間ボーッとしている。早朝覚醒とは、気持ちの底に興奮や
落ち着きのなさが潜んでいるのだろうが、どうしてそうなるのか、自分
でも分からない。
母は、私がひとりで介護をしてきた肉親なので、未だに母の死が受け容
れられないのか。介護の苦労は終わったが、気持ちに少し未消化で辛い
ものがある。そんなとき、デジカメで撮影した生前の母の画像を眺める
と、癒される。人心にとって、想い出とは大切なものなのだなと思う。
津波や震災で、家も人も更には「想い出」も一切が流され、ご遺体さえ
還らない遺族の方々がいる。骨も無ければ、共に過ごした家も家財も写
真さえもない。遺族にとって、この徹底した喪失の、「喪」は心に過酷
だろうなと、我が身を顧みて初めて思った。そんな遺族の方々には、幽
霊でも好いから出て欲しいとは、もっともな話である。
ところで、私の姪が月末に結婚式を挙げる。当初はお昼からの結婚式は
母の食事の世話があり無理と、披露宴だけ出ると返事をしていたのだが、
母が亡くなった今、式から出席可能となった。だが、はたと思ったのは、
親の葬儀の喪主が、忌中にお祝い事に出るのは、いかがなものかという
ことである。
この件、葬儀の折に菩提寺のご住職に尋ねてみたら、それは全く構わな
いですよという答えで、少し意外だった。でも、自分としてはどうして
も母にも義理を立てたい気持ちがある。母は神仏にはうるさいヒトだっ
たから。姪には当初とおり、結婚式は出ないが、披露宴には顔を出すか
らと伝えた。「中庸」の知恵というか、どっち付かずなオトナの狡知。
2年前、父が他界したときは、四十九日はアッという間だったが、
今回はやけに、時間の経過を長々と、ジリジリと感じている。
もうお彼岸である。庭では彼岸花が赤々と咲いている。
父も母も(私も)甘党だった。今日はおはぎを仏壇にお供えした。
誰の心にも、秋が、静かに静かに深まると好い。