空は秋晴れ。母の葬儀を終えてようやく1週間。
介護から解放されて、何だかポカンとしている。
嬉しくも悲しくもなく、何だか虚しい。
一体何年、介護やってたのかと数えたら、
本格的に母がおかしくなってから亡くなるまで、5年半だった。
その内の3年半は、父も健在で介護を手伝ってくれたが、
ジィジは、余り役に立たないヒトだった。
2年前の9月、父は享年86歳と8か月で、
母もこの9月に86歳と9か月で他界した。
相次いで親が死んで、私は独りになった。
でも、その実感が乏しい。
やっと一人で静かに暮らせると思うと、嬉しいのだが、
どうも全てが、虚しくばかり覚えて、仕方がない。
同じ9月にどっちも86歳で亡くなるとは、何の因縁か、
いつまでお前は、ヒトに迷惑、掛けてんだと、
ジィジが呼びに来たのだろうか。
身内が亡くなると、
葬式が終わっても、弔問客が来たり、
香典のお返しだの、各種届け出や名義の書き換え、
入院費他未払金の精算、預金口座解約、
準確定申告、相続税の申告要否検討や、
そして遺産分割協議と不動産の登記。
勿論、49日の法要もある。
今月は、亡父の三回忌を予定していたのだが、
母が急逝したので、四十九日と三回忌を一緒にすることにした。
父が死んだ二年前にも同じことをしてるので、テキパキ、
やるべきこと(遺産分割と登記以外)の7、8割は終えている。
介護をしていたので、介護関係用品の片づけがある。
レンタルの電動式ベッドと車椅子等の返却。
紙パンツやパッド、薬や医療用具の残りやらを
処分したり片付けて、部屋の掃除をしないといけない。
そういう残務整理をしていると、故人を悲しむ暇もなく
時間が経過して却って良いのかもしれない。
父や母の服や靴、遺品があるが、特に母は日本舞踊が長年の趣味で、
着物や帯をどうするか、みたいな事もあるが、
当面は何もしないで、そのままにしておきたい。
まだ家の中の見晴らしを、思い出をあまり変えたくないから。
母は今年の3月に誤嚥性肺炎で3週間入院した。
それから急に弱りだした気がする。
ムセ込みがひどくなり歩けないなり、声が小さくなり無口になった。
少し幼児返りした母親を、あやすように抱きかかえ、
ベッドに連れて、寝かせてあげると、
遥か昔の、私が幼児だった頃の時間と入れ子になり、
私が母親になった気がしてくる。
でも母はやはり母で、そばにいると懐かしい匂いがした。
ああ、この匂いは昔から変わらない、私の母のものだ。
弱弱しく柔らかく儚くなって、
幼児のように愛らしくなった、おばあさんの母。
親しみを込めて、ママでもおかあさんでもおふくろでもなく、
バアちゃんと呼んでいた。
懐かしい、私のおバアちゃん!
バアちゃん、畳の上で死ねてよかったな。
この世の、バアちゃんとは、さよおならだ。
それが命ある者たちの、世の定め。
バアちゃん、まだ忌中だから、
どこぞのシャバを、うろついてるんだろうな。
あの世に行ったら、お父ちゃんによろしく!
じゃあオレはまだしばらく、この世の埃を吸っていくから、
また逢える日まで、空から宜しく、見守ってくれよ。
父よ、母よ、一緒に生きてくれて、
今まで、どうもありがとう!!!
介護から解放されて、何だかポカンとしている。
嬉しくも悲しくもなく、何だか虚しい。
一体何年、介護やってたのかと数えたら、
本格的に母がおかしくなってから亡くなるまで、5年半だった。
その内の3年半は、父も健在で介護を手伝ってくれたが、
ジィジは、余り役に立たないヒトだった。
2年前の9月、父は享年86歳と8か月で、
母もこの9月に86歳と9か月で他界した。
相次いで親が死んで、私は独りになった。
でも、その実感が乏しい。
やっと一人で静かに暮らせると思うと、嬉しいのだが、
どうも全てが、虚しくばかり覚えて、仕方がない。
同じ9月にどっちも86歳で亡くなるとは、何の因縁か、
いつまでお前は、ヒトに迷惑、掛けてんだと、
ジィジが呼びに来たのだろうか。
身内が亡くなると、
葬式が終わっても、弔問客が来たり、
香典のお返しだの、各種届け出や名義の書き換え、
入院費他未払金の精算、預金口座解約、
準確定申告、相続税の申告要否検討や、
そして遺産分割協議と不動産の登記。
勿論、49日の法要もある。
今月は、亡父の三回忌を予定していたのだが、
母が急逝したので、四十九日と三回忌を一緒にすることにした。
父が死んだ二年前にも同じことをしてるので、テキパキ、
やるべきこと(遺産分割と登記以外)の7、8割は終えている。
介護をしていたので、介護関係用品の片づけがある。
レンタルの電動式ベッドと車椅子等の返却。
紙パンツやパッド、薬や医療用具の残りやらを
処分したり片付けて、部屋の掃除をしないといけない。
そういう残務整理をしていると、故人を悲しむ暇もなく
時間が経過して却って良いのかもしれない。
父や母の服や靴、遺品があるが、特に母は日本舞踊が長年の趣味で、
着物や帯をどうするか、みたいな事もあるが、
当面は何もしないで、そのままにしておきたい。
まだ家の中の見晴らしを、思い出をあまり変えたくないから。
母は今年の3月に誤嚥性肺炎で3週間入院した。
それから急に弱りだした気がする。
ムセ込みがひどくなり歩けないなり、声が小さくなり無口になった。
少し幼児返りした母親を、あやすように抱きかかえ、
ベッドに連れて、寝かせてあげると、
遥か昔の、私が幼児だった頃の時間と入れ子になり、
私が母親になった気がしてくる。
でも母はやはり母で、そばにいると懐かしい匂いがした。
ああ、この匂いは昔から変わらない、私の母のものだ。
弱弱しく柔らかく儚くなって、
幼児のように愛らしくなった、おばあさんの母。
親しみを込めて、ママでもおかあさんでもおふくろでもなく、
バアちゃんと呼んでいた。
懐かしい、私のおバアちゃん!
バアちゃん、畳の上で死ねてよかったな。
この世の、バアちゃんとは、さよおならだ。
それが命ある者たちの、世の定め。
バアちゃん、まだ忌中だから、
どこぞのシャバを、うろついてるんだろうな。
あの世に行ったら、お父ちゃんによろしく!
じゃあオレはまだしばらく、この世の埃を吸っていくから、
また逢える日まで、空から宜しく、見守ってくれよ。
父よ、母よ、一緒に生きてくれて、
今まで、どうもありがとう!!!