脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

実家を失くした、お彼岸に…。

2019年09月22日 20時18分41秒 | 近況
9月、お彼岸である。
9月は亡き父母の命日が伴に9月でもある。
墓参りに行き花を手向け線香をあげる。
菩提寺も母屋を新築するとかで、ここも家屋の解体中である。
我が家の解体は、9月20日に整地が終了し、
更地に杭が打たれロープが張られている。

すっかり坊主になった、我が家の跡地を眺めてみるが、
心に何も浮かばない。
ここに築35年の家があった。
その家が建つ前には、私の子供時代の古民家があった。
更には、戦時中には空襲で焼失した我が家もあった。
この度の掘削では、その当時の瓦礫が出た。
祖父が残して父が継いだ、この土地の我が家の歴史が90年。

更地になると、皆んな、夢、幻のようだ。
家も土地も人も、何もかもが、想い出の遠くへ去ってしまった。
こうしてまた、人が生きた小さな歴史が消えてゆく。
世の中は昔からその繰り返しだ。
万物は流れゆく雲のようなものだ。
ふと、「さよなら」という言葉と「ありがとう」という言葉が
脳裏をよぎった。

あぁ、お彼岸か。
そう、死者との対面の季節だ。
私が出来ることは、この世で出会っては、去って逝った
ご先祖様と、家と土地に、思い出たちに、
静かに感謝をすることだけだ。
永遠に「さようなら」…、
いつまでも、そしていつも「ありがとう」。





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