今週、ヒゲの脱毛で初めて美容クリニックなるものに行った。TV・
CMでも見かける大手某クリニックの支店で、電車で2駅先、繁華街
のビルの一室。入店すると、受付カウンターと待合室があり中は少し
薄暗い。若い男性とマスク姿の女性が2人うつむいて座っていた。
受付に電話予約した初診者ですと告げると、番号札と診察カードを渡
され問診シートに記入するよう言われた。私は店内の薄暗いぼんやり
とした雰囲気に異和感を抱いていたが、もっと別の居心地の悪さを思
い浮かべていた。それは、子供の頃に母に連れられて入った女湯の中
にいるような、場違いの気恥ずかしさによく似ていた。
壁面TVからは、美容クリニックのプロモ映像が流れ続けている。二
重瞼等の手術風景やらビフォー・アフターの整形顔に喜ぶ女性の笑顔
と得意顔でコメントする医師の姿等々が浮かんでは消えた。店内が薄
暗いのは、多分他人に顔や姿を見られたくない客に配慮したものだろ
うか。何となくいかがわしい風俗店にでもいるような錯覚も起こる。
しばらく待つと受付嬢や美容カウンセラーが頻繁に短い面談をしてく
れて、施術説明や希望聴取、既往歴の確認や肌具合を診てくれたりし
た。医師とも簡単に面会したが、五分刈りのイカツイ中年男性で、顔
に小さなシミがあり肌も綺麗でなさそうなのが、意外だった。一通り
の説明や注意を受けてから、ヒゲ脱毛の6回コースを申し込む。
受付の若い女性が見積書を持って来た。施術料金の他に美容クリーム
2本(約15000円)の代金が含まれていた。美容クリニックやエステでは、
高額なクリーム等を強引に売り付ける商法が、昔から後を絶たないが、
ここでは美容クリームは要りませんからと断ったら、すぐ見積書(兼申
込書)の金額を訂正してくれた。同意のサインをし支払いをした。
続いて奥の処置室のような部屋に通され、医療レーザーの施術を受ける。
私の場合レーザー照射の範囲は、顔のヒゲなので、鼻の下と頬の一部と
顎であるが、頬はほうれい線の内側のみで、顎は喉仏の上までらしい。
その外側は別料金である。診察台に寝ると、エステシャンの女性がクリ
ームを塗ってくれて2~3分レーザーをかけ、一回目終わりである。
レーザー照射は月一回なので、次回は一か月後の日をネット予約して来
店し照射を受けるという繰り返しである。この日は初日だったので、説
明・申し込み等の手続きや面談に時間を要したが、入店から退店までは
1時間半だった。次回からは待ち時間を含めても30分以内だろうか。
…と、以上の話の一部を、母(要介護2)の往診に来てくれる30代の医
師に世間話がてら打ち明けたら、ボクも実は、ヒゲ脱毛で半年美容クリ
ニックに通ったことがあるんです、と。エッ、でも鼻の下に短いヒゲが
普通に生えてますが…。そうなんですよ。効き目がなかったんです。
往診の先生いわく、ワン・クルーで6回・半年通ったのに、この程度な
んですかとクリニックに文句言ったら、なんて言われたと思います?
では、次、もうワン・クルーやりますかって言うので、もう止めますと
断りましたよ、との体験談だった。
私が訪れた美容クリニックの医師も、今生えているヒゲは、ヒゲの1割
か2割で8割以上の毛は皮膚の下に眠っていて、見えているヒゲを脱毛
してもまた生えてくるみたいな話をしたのを、思い出した。つまり、個
人差はあるが半年のワン・クルーを5~10回繰り返さないと、現実に
は完全な脱毛に至らないということである。
脚だの腋だのヒゲ以外の体毛については分からないが、医療脱毛とか永
久脱毛とかさも優れモノかのようにうたっていても、完璧な脱毛肌に至
るまでには、思った以上の時間とカネが掛かるものらしいことを知った。
美容ビジネスが儲かる訳である。なんだ、6回・半年でさっぱり綺麗に
なるのかと思いきや、ズルズル引きずりそうな面倒な話なのである。
やはり男にとって美容は面倒臭いものだ。それに比べると、美容への女
の執念は凄まじいものがある。やはり、ワン・クルーで止めにしよう…。
CMでも見かける大手某クリニックの支店で、電車で2駅先、繁華街
のビルの一室。入店すると、受付カウンターと待合室があり中は少し
薄暗い。若い男性とマスク姿の女性が2人うつむいて座っていた。
受付に電話予約した初診者ですと告げると、番号札と診察カードを渡
され問診シートに記入するよう言われた。私は店内の薄暗いぼんやり
とした雰囲気に異和感を抱いていたが、もっと別の居心地の悪さを思
い浮かべていた。それは、子供の頃に母に連れられて入った女湯の中
にいるような、場違いの気恥ずかしさによく似ていた。
壁面TVからは、美容クリニックのプロモ映像が流れ続けている。二
重瞼等の手術風景やらビフォー・アフターの整形顔に喜ぶ女性の笑顔
と得意顔でコメントする医師の姿等々が浮かんでは消えた。店内が薄
暗いのは、多分他人に顔や姿を見られたくない客に配慮したものだろ
うか。何となくいかがわしい風俗店にでもいるような錯覚も起こる。
しばらく待つと受付嬢や美容カウンセラーが頻繁に短い面談をしてく
れて、施術説明や希望聴取、既往歴の確認や肌具合を診てくれたりし
た。医師とも簡単に面会したが、五分刈りのイカツイ中年男性で、顔
に小さなシミがあり肌も綺麗でなさそうなのが、意外だった。一通り
の説明や注意を受けてから、ヒゲ脱毛の6回コースを申し込む。
受付の若い女性が見積書を持って来た。施術料金の他に美容クリーム
2本(約15000円)の代金が含まれていた。美容クリニックやエステでは、
高額なクリーム等を強引に売り付ける商法が、昔から後を絶たないが、
ここでは美容クリームは要りませんからと断ったら、すぐ見積書(兼申
込書)の金額を訂正してくれた。同意のサインをし支払いをした。
続いて奥の処置室のような部屋に通され、医療レーザーの施術を受ける。
私の場合レーザー照射の範囲は、顔のヒゲなので、鼻の下と頬の一部と
顎であるが、頬はほうれい線の内側のみで、顎は喉仏の上までらしい。
その外側は別料金である。診察台に寝ると、エステシャンの女性がクリ
ームを塗ってくれて2~3分レーザーをかけ、一回目終わりである。
レーザー照射は月一回なので、次回は一か月後の日をネット予約して来
店し照射を受けるという繰り返しである。この日は初日だったので、説
明・申し込み等の手続きや面談に時間を要したが、入店から退店までは
1時間半だった。次回からは待ち時間を含めても30分以内だろうか。
…と、以上の話の一部を、母(要介護2)の往診に来てくれる30代の医
師に世間話がてら打ち明けたら、ボクも実は、ヒゲ脱毛で半年美容クリ
ニックに通ったことがあるんです、と。エッ、でも鼻の下に短いヒゲが
普通に生えてますが…。そうなんですよ。効き目がなかったんです。
往診の先生いわく、ワン・クルーで6回・半年通ったのに、この程度な
んですかとクリニックに文句言ったら、なんて言われたと思います?
では、次、もうワン・クルーやりますかって言うので、もう止めますと
断りましたよ、との体験談だった。
私が訪れた美容クリニックの医師も、今生えているヒゲは、ヒゲの1割
か2割で8割以上の毛は皮膚の下に眠っていて、見えているヒゲを脱毛
してもまた生えてくるみたいな話をしたのを、思い出した。つまり、個
人差はあるが半年のワン・クルーを5~10回繰り返さないと、現実に
は完全な脱毛に至らないということである。
脚だの腋だのヒゲ以外の体毛については分からないが、医療脱毛とか永
久脱毛とかさも優れモノかのようにうたっていても、完璧な脱毛肌に至
るまでには、思った以上の時間とカネが掛かるものらしいことを知った。
美容ビジネスが儲かる訳である。なんだ、6回・半年でさっぱり綺麗に
なるのかと思いきや、ズルズル引きずりそうな面倒な話なのである。
やはり男にとって美容は面倒臭いものだ。それに比べると、美容への女
の執念は凄まじいものがある。やはり、ワン・クルーで止めにしよう…。