脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

ヒゲの美容脱毛。

2018年06月23日 19時18分02秒 | 近況
今週、ヒゲの脱毛で初めて美容クリニックなるものに行った。TV・
CMでも見かける大手某クリニックの支店で、電車で2駅先、繁華街
のビルの一室。入店すると、受付カウンターと待合室があり中は少し
薄暗い。若い男性とマスク姿の女性が2人うつむいて座っていた。

受付に電話予約した初診者ですと告げると、番号札と診察カードを渡
され問診シートに記入するよう言われた。私は店内の薄暗いぼんやり
とした雰囲気に異和感を抱いていたが、もっと別の居心地の悪さを思
い浮かべていた。それは、子供の頃に母に連れられて入った女湯の中
にいるような、場違いの気恥ずかしさによく似ていた。

壁面TVからは、美容クリニックのプロモ映像が流れ続けている。二
重瞼等の手術風景やらビフォー・アフターの整形顔に喜ぶ女性の笑顔
と得意顔でコメントする医師の姿等々が浮かんでは消えた。店内が薄
暗いのは、多分他人に顔や姿を見られたくない客に配慮したものだろ
うか。何となくいかがわしい風俗店にでもいるような錯覚も起こる。

しばらく待つと受付嬢や美容カウンセラーが頻繁に短い面談をしてく
れて、施術説明や希望聴取、既往歴の確認や肌具合を診てくれたりし
た。医師とも簡単に面会したが、五分刈りのイカツイ中年男性で、顔
に小さなシミがあり肌も綺麗でなさそうなのが、意外だった。一通り
の説明や注意を受けてから、ヒゲ脱毛の6回コースを申し込む。

受付の若い女性が見積書を持って来た。施術料金の他に美容クリーム
2本(約15000円)の代金が含まれていた。美容クリニックやエステでは、
高額なクリーム等を強引に売り付ける商法が、昔から後を絶たないが、
ここでは美容クリームは要りませんからと断ったら、すぐ見積書(兼申
込書)の金額を訂正してくれた。同意のサインをし支払いをした。

続いて奥の処置室のような部屋に通され、医療レーザーの施術を受ける。
私の場合レーザー照射の範囲は、顔のヒゲなので、鼻の下と頬の一部と
顎であるが、頬はほうれい線の内側のみで、顎は喉仏の上までらしい。
その外側は別料金である。診察台に寝ると、エステシャンの女性がクリ
ームを塗ってくれて2~3分レーザーをかけ、一回目終わりである。

レーザー照射は月一回なので、次回は一か月後の日をネット予約して来
店し照射を受けるという繰り返しである。この日は初日だったので、説
明・申し込み等の手続きや面談に時間を要したが、入店から退店までは
1時間半だった。次回からは待ち時間を含めても30分以内だろうか。


…と、以上の話の一部を、母(要介護2)の往診に来てくれる30代の医
師に世間話がてら打ち明けたら、ボクも実は、ヒゲ脱毛で半年美容クリ
ニックに通ったことがあるんです、と。エッ、でも鼻の下に短いヒゲが
普通に生えてますが…。そうなんですよ。効き目がなかったんです。

往診の先生いわく、ワン・クルーで6回・半年通ったのに、この程度な
んですかとクリニックに文句言ったら、なんて言われたと思います?
では、次、もうワン・クルーやりますかって言うので、もう止めますと
断りましたよ、との体験談だった。

私が訪れた美容クリニックの医師も、今生えているヒゲは、ヒゲの1割
か2割で8割以上の毛は皮膚の下に眠っていて、見えているヒゲを脱毛
してもまた生えてくるみたいな話をしたのを、思い出した。つまり、個
人差はあるが半年のワン・クルーを5~10回繰り返さないと、現実に
は完全な脱毛に至らないということである。

脚だの腋だのヒゲ以外の体毛については分からないが、医療脱毛とか永
久脱毛とかさも優れモノかのようにうたっていても、完璧な脱毛肌に至
るまでには、思った以上の時間とカネが掛かるものらしいことを知った。

美容ビジネスが儲かる訳である。なんだ、6回・半年でさっぱり綺麗に
なるのかと思いきや、ズルズル引きずりそうな面倒な話なのである。
やはり男にとって美容は面倒臭いものだ。それに比べると、美容への女
の執念は凄まじいものがある。やはり、ワン・クルーで止めにしよう…。









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