脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

バァバの不安障害。

2014年04月05日 23時28分03秒 | 精神障害
先月末頃、歯茎があちこち痛くて我慢できないと、精神病の母親がまたぞろ騒
ぎ出した。昨年も三月に、めまいがひどいと騒いで救急車を呼んでいる。
ジィジはババに歯医者なんかに救急車で行けるか!と怒っていたが、仕方ない
ので、地元のJ大学病院に歯科があるので、ジジがババを連れて行った処、
どこも異状なし、歯茎も腫れてないと医者から言われて帰ってきた。

こういう症状は私にも覚えがある。どうしてか、あるとき歯茎が痛み出し、腫
れてもいたので、歯茎に炎症止めの塗薬を塗っていたのだが、しばらくすると、
口の中のあちこちの歯茎が痛み出して手に負えなくなった。歯医者に行ったら
この歯茎の痛みは治療出来ないと言われたことがある。

そのときその後どう処置したか覚えていないが、気持ちが落ち着いたら自然と
歯茎の痛みは消失した記憶がある。こういう症状は、精神科・神経科領域の病
気である。心身症とか身体表現性障害と呼ばれるものなのだろう。

ババの場合、この一年程頭痛がひどく、ロキソニンとかカロナールという鎮痛
剤を服用していたが、それで治まるときもあれば効かないときもあるようだっ
た。頭痛と歯茎の痛み両方を訴えるときもよくあった。歯槽膿漏でも悪化して
いて頭痛にまで及ぶのかと思っていたが、そうではなさそうである。


今週精神科の診察があり、バァバの精神病、不定愁訴は、うつ病よりも不安障
害が根っこにあるのではないか、不安が身体に「痛み」として表出される、或
いは「痛み」として周囲に訴えることで、同情を誘い自分が大事にされたい等
々、甘えたい欲求の表現ではないかという話を、主治医にした。

主治医は、私のこのような理解よりも、バァバを認知症の初期に見立てている
フシがあるのだが、ソラナックスというマイナーの安定剤(抗不安薬)を増量し
て貰った処、テキメンに症状が改善され、歯茎の痛みがなくなったようである。
頭痛の方も治まっている。これらの「痛み」はやはり「気の迷い」、幻影だっ
たようだ。

ではもっと早くに抗不安薬を多用すればよかったのかというと、私自身が患者
なので分かるが、抗精神病薬というものは、タイミングが合わないと効かない
ものなのである。うつの症状が優勢であれば、抗うつ薬が処方され、不安障害
に移行してくれば、抗不安薬を主体に切り替える。その見立てがうまくないと
薬ばかり漫然と増やされる惧れがある。

私の母も、最初から両方が処方されてはいたが、デパスでは治まらず、ソラナ
ックスがよく効くことが一年もしてようやく判明した次第である。ちなみに私
もソラナックスを飲んだことがあるが、全然効き目がなかった。レキソタンを
投与されて効果があった。


私の母親にあるのは、何かにしがみつこうとする、典型的な「見捨てられ不安」
である。しがみつく対象を見失ったとき、自分自身に過剰にこだわり「病気」
を探してしがみつく。これは宗教に走ったりするヒトだの、その他女性に多い
と思われる。一般的には、出生前の母胎内か、幼少期だかに素因となる大元の、
原-不安があったのだろうが。

それが自分を庇護してくれる者から見捨てられはしまいかという、現実的な不
安に駆られる性格を作り、不安が高じるとヒステリーを発し騒ぎ出す。騒がな
いときは沈鬱状態を引き摺ってズルズルだらしなく過ごすだけ。
この性格サイクル全体が自分でも本意ではないので、自己嫌悪とストレスを感
じ、一方で、享楽的な生活態度(浪費とか飲酒等)を持つという傾向がある。

人格障害で考えれば、依存性を軸にして自己愛性や演技性の人格があてはまり
そうであるが、このような性格傾向を今更変えることは出来ないが、この性格
で現実と折り合えるようバランスを取らせるには、どのようにすべきだろうか?
80代の親の人格形成を今更考えること自体、心得違いというものだろうか?



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。