脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

リチャード・ボナ ‥‥ ジャコ・パストリアス。

2012年03月25日 18時19分30秒 | 音楽
マイク・スターンを聴いていて、魅力的なスキャットを歌う声が聞こえ
てきて、誰かと思ったら、リチャード・ボナという名前だった。以前にも
パット・メセニーの音楽で同じような歌声を聴いた覚えがあった。

リチャード・ボナ(1967年生)は、ジャコ・パストリアスの再来とも言われ、
天才的なベーシストとして知られている。彼は、アフリカ・カメルーンの
僻村の出身で、音楽一家の家庭に生まれている。

村では楽器は、打楽器・笛・ギター等全て手作りだったという。13歳で既
に街のジャズ・クラブでギターを弾いていたが、店のオーナーからジャコ
・パストリアスを聴かされて、魅了されベーシストに転向する。
初めてベースを手にして3ヶ月で、ジャコの演奏をマスターしてしまった
そうで、天才的な音感だと思う。

ジャコ・パストリアス(1951~1987)といえば、1976年に発表されたソ
ロ・アルバム「ジャコ・パストリアスの肖像」はベースという楽器に革命
をもたらした、とまでいわれている。前出のボナが聴いたのも、このアル
バムであるらしい。

ジャコは、ウエザー・リポート時代(1976~81)を経た後、急激におかしく
なっていく。薬物中毒と精神病に蝕まれ、レコード会社等音楽業界から信
用を失って零落し、物乞いだかホームレスにまで転落してしまう。
彼の最期は、酔っ払って酒場のガードマンとケンカをし、頭部を強打した
ことが災いして、30代で亡くなってしまう、というものだった。

(ジャコの不運と悲劇を哀しみ、彼に同情を寄せ、その天才を惜しむファン
が多いことは、言うまでもない。ジャコは何処かジミヘンにも似ている。)

リチャード・ボナは、自分はベーシストである前に、音楽家であるという。
私は、彼のベースの天賦よりも、澄んだ歌声に魅かれている。
いや、彼が発散する彼の音楽全体が、何かとても素朴で純粋で、太陽の匂い
や輝き、ジャングルの緑とか木々を感じさせる。

現代日本人が忘れかけた、<自然>の佇まいや、その豊かさ、それ自体が
彼の人間性の豊かさともイコールであるような、そんな音楽=人間性を
感じさせてくれる、ボナに声援を送りたい。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。