4日、神戸の小さな元町映画館で25年ぶりに「妖怪ハンター ヒルコ」を観てきました。
映画に行く前に家人に「何十年たっても、かつての主演映画を何度も上映してもらえる俳優(しかも歌手)が そういると思う?」「ジュリーだから、という訳だけではないのよ、良い監督の作品に出ているからよ。ひいては良質の作品に出ているからよ」と、滔々と夜に出かける言い訳、薫陶をしときました。家人は「フン」と、わかったのかどうか鼻で笑ってました。
そう、私たちファンはとても幸せだと思う。もう25年も前の、大ヒットしたとは言難い映画を見られる。ニューヨークでだって上映されるそうです。普通の作品なら、とっくに忘れ去られているはずなのに、今でも映画館にかかるのは塚本晋也監督の作品だから。ヒルコ以外では「大阪物語」「太陽を盗んだ男」「夢二」等、今でも度々上映されている。日本内外でも評価されている監督の作品ばかりです。そういう巨匠たちに使いたいと思わせているのはジュリーだからこそ!こういう幸せな俳優で、しかも歌手が他にいますか?
ちなみに塚本監督は俳優でもあり「カーネーション」で、優子の服飾学校の先生役です。
いっつも思うけど「カルト映画」とは、どんな映画なの? 少数だけど、熱狂的に支持されている作品のことらしい。
さんごさん、tokoさんと3人、いつもは閑散としているのに GWのせいで人々で賑わっている元町商店街を歩いて、小さな小さな元町映画館まで。さんごさんとは25年前に、三宮の松竹の大きなスクリーンで見た。客席の広さに反して、当時のお客さんの入りは少なかったなぁ。
前の上映回ではお客さんは10人で寂しかったとか。4日はオタクっぽい男性の観客が数人いた。(偏見ですいません、お互い様です)上映前には顔見知りのジュリーファンのお二人も来られて、前回よりはお客さんは多くなったようです。
間に合えば行きます、と言われていたJ友さんも上映10分前に駆けつけて、間に合って良かった~
全部で60席ちょっとの小さな映画館は、上映前に観客は27~8人になった。大きなトランクを引っ張った若い女性の姿もあって、わざわざ遠方から来られたのかしら?
もともとホラー映画は大嫌いで、血が出たり生首が飛んだりのスプラッターホラーなんか、なんでお金を払って、そんな気色の悪い夢に出そうなものを見に行かなあかんの!と、そう思う方。だけど、ジュリーが出てるものなら見に行かなあかんでしょ!ジュリーの作品、ジュリーの歴史は(どんなものでも)必ず観なければいけない。怖い場面は顔を覆って見なければいいや、と25年前は気持悪い場面は手で顔を覆いながら、薄目を開けて指の隙間から見た。
映画の冒頭、原作の漫画の稗田禮次郎とはイメージが全然違う、ジュリーの演じるボーっとした、人の良さそうな感じの考古学者が古墳を掘っていた。ジュリーにあんまり学究の徒のイメージはないわね
ホラー映画という事を思わず忘れる、スクリーンいっぱいの暖かいジュリーの笑顔。そしてカニみたいな足を持つ不気味な化物がゴシャゴシャと、学校の廊下を突っ走っていた・・・。そんな印象しか残っていないのだ「ヒルコ」
25年前に見終わったあと、私がどんな感想を持ったのか すでに記憶には残ってはいない。上映のあとにはTVでも放映されたけど、録画しただけで多分見ていないと思う。怖いの嫌だから。
それなのに、再び25年たって観に行こうと思ったのは、当時43歳のジュリーを大きなスクリーンで見ることができるのが嬉しい~ 今は内容もほぼ忘れたし、それだけにつきます。
血がドバドバ出て、生首がゴロン・・・ヒーッ(ノ∀`)
25年前に見たときは、怖い場面は目を覆ってみたけど、今回はまったく目を逸らさずに見る事ができた。間違いなく化け物がグァァ~ 血はドバドバ~ッ!のスプラッター映画だった(‐”‐)
だけどクスっと笑える場面もあり、とてもスピーディーで息もつかさぬ展開でした。ただ単に血が出るだけの中身のない怖がらせたいだけのスプラッターホラーでは決してない。恋人や親子や人間の情、化け物たちの歴史に背景もしっかりと描かれているので、血がドバ~!!のスプラッターにも理由があると納得ができる。
個人的感想ですが「太陽を盗んだ男」のオマージュもあるのかも?キンチョールを使うところとか。あと小道具や、演出にも「太陽・・」のオマージュでは?と思える場面があって、私の考えすぎかしらん。
塚本監督がこの作品でジュリーを使いたいと思ったわけを知りたいが、43歳のジュリーはまだ若く、かつてのクールで近寄りがたいイメージはどこへやら・・ 暖かい優しい笑顔がホッコリした、フツーの人です。 今の時代ならCGでもっと凄い映像もできるんじゃないかと思うけど、ジュリーはもちろん、製作者、出演者全員の力のこもった作品だと思う。
昔見たときの感想は忘れたけど、血みどろの展開でありながらも、物語のエンディングは清々しいような幕引きで、全部見終えた時には意外にも「観て良かった!」と感動を覚えていた。
あらすじ(amazonから)ストーリーは原作の「海竜祭の夜」に「黒い探求者」「赤い唇」の要素を加えている。『鉄男』で注目された塚本晋也の初となる35ミリ映画作品。主演の沢田研二は本作で新境地を開いたと評価されている。
東京から「重大な発見をした」という手紙を受け取り、やってきた考古学者・稗田。だが手紙の主である八部と女生徒・月島令子は行方不明になっていた。八部の息子・まさおと一緒に二人を探す稗田だが、校内で謎の生物に襲われる……。
諸星大二郎の「妖怪ハンター」のエピソード「海竜祭の夜」を原作にアレンジし映画化した『鉄男』塚本晋也初のメジャー作品。地方都市の夏休みの中学校を舞台にした怪事件といった感じで、叙情的ムードのあるホラーに仕上がっている。ハイビジョンを使ったビデオ合成から人形アニメなど、特撮的な見所も多い。