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ステージの片隅から 蜷川幸雄

2016年05月19日 | 新聞・雑誌 記事

「理解されない」演劇の闘士、蜷川幸雄3つの謎 http://style.nikkei.com/article/DGXMZO02358610W6A510C1000000/


 下のエッセイは、亡くなった蜷川幸雄さんが1985年に朝日新聞の土曜別版に寄せたエッセイです。

寡黙でおとなしいジュリーと、無邪気なほどに屈託のないショーケンとの対比が面白く

蜷川さんのジュリーを見る目の温かさ、お互いの心遣いや、尊敬を感じました。

そして、若い時から大スターであるジュリーでさえも、舞台の前では緊張するという

人間味の溢れる姿を描いていて、朝日に発表当時からずっと好きなエッセイでした。

 蜷川さんのエッセイ、1985年8月3日

1985年のジュリーは、順風満帆な時期では有りませんでした。

次第に落ちてゆくレコード売り上げ、私生活での噂、マスコミとの葛藤。

奇行だのなんだのと散々にいわれ、その後休養を経て、

レコード会社を移籍、ナベプロからの独立がありました。

エッセイは蜷川さんの演出のステージで復帰したばかりの時です。

ジュリー自身が、復帰のステージに賭ける思いはいかばかりか。

そんなヘビーな心境の時の人間的なジュリーの姿が、

さりげなく蜷川さんの手で描かれていて、私のお気に入りのエッセイです。

この新聞記事ををスクラップブックに貼ってから31年。

その後はごくまれに目をとうす程度でした。

この度、蜷川さんが亡くならなければ、ずーーっとスクラップブックの中に

納まったままだったことでしょう。           

今ここで紹介する日が来るとは思っていませんでした。

 

  

                    

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