「理解されない」演劇の闘士、蜷川幸雄3つの謎 http://style.nikkei.com/article/DGXMZO02358610W6A510C1000000/
下のエッセイは、亡くなった蜷川幸雄さんが1985年に朝日新聞の土曜別版に寄せたエッセイです。
寡黙でおとなしいジュリーと、無邪気なほどに屈託のないショーケンとの対比が面白く
蜷川さんのジュリーを見る目の温かさ、お互いの心遣いや、尊敬を感じました。
そして、若い時から大スターであるジュリーでさえも、舞台の前では緊張するという
人間味の溢れる姿を描いていて、朝日に発表当時からずっと好きなエッセイでした。
蜷川さんのエッセイ、1985年8月3日
1985年のジュリーは、順風満帆な時期では有りませんでした。
次第に落ちてゆくレコード売り上げ、私生活での噂、マスコミとの葛藤。
奇行だのなんだのと散々にいわれ、その後休養を経て、
レコード会社を移籍、ナベプロからの独立がありました。
エッセイは蜷川さんの演出のステージで復帰したばかりの時です。
ジュリー自身が、復帰のステージに賭ける思いはいかばかりか。
そんなヘビーな心境の時の人間的なジュリーの姿が、
さりげなく蜷川さんの手で描かれていて、私のお気に入りのエッセイです。
この新聞記事ををスクラップブックに貼ってから31年。
その後はごくまれに目をとうす程度でした。
この度、蜷川さんが亡くならなければ、ずーーっとスクラップブックの中に
納まったままだったことでしょう。
今ここで紹介する日が来るとは思っていませんでした。