俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

実数と率

2012-12-09 10:54:38 | Weblog
 人間は抽象的思考が苦手なようで率で示されるとリアリティを感じにくい。例えば1%に被害が及ぶと言われても余り驚かないが、7,000万人が被害者になると聞けば慌てる。世界人口は70億人だからその1%と7,000万人は同じ意味なのだが違ったことであるかのように錯覚する。
 しかし率という概念を全く理解していない訳ではない。同じ1,000円引きでも、対象商品が2,000円か10,000円かなら、誰でも2,000円の商品に対する値引きに魅力を感じる。前者は5割引きで後者は1割引きになるからだ。
 こんなパズルがある。
 同じ店の定額値引券と定率割引券を1枚ずつ持っていればどう使い分けるか?
 正解は、値引権を低額品に、割引券を高額品に使う、ということだ。
 私は格安チケット店でしばしば百貨店共通商品券を買う。1,000円券を大体985円くらいで買う。たった1.5%しか得をしないようだが釣銭が出るという特性を見逃すべきではない。仮に100円の商品を買えばお釣りが900円なので実質的には15%引きになる。
 高額品の購入時にチケット店で買った商品券を使う人が多いように思う。高額品の購入時に使ったほうが差額を実感できるからだろう。しかし商品券は定額値引券と同じだ。低価格品を買う時に小まめに使ったほうが値引きのメリットは大きい。

イエローモンキー

2012-12-09 10:24:39 | Weblog
 イエローモンキーは黄色人種に対する蔑称だが、日本人が西洋人の常識を無批判に受け入れる姿勢を見ていると、本当に猿真似をしているように思える。
 アメリカで健康のために肉食を減らすことが奨励されると日本人はそれを真似て肉食を減らすようになった。これは猿真似だ。当時のアメリカ人は毎日約300gの肉を食べていた。これを200gぐらいまで減らすことが目標とされた。ところが同時期の日本人は1日60gぐらいしか肉を食べていなかった。もしアメリカの基準値が妥当なものなら日本人はもっと肉を食べる必要があるということになるのだがこの事実は無視されて肉食減らしが奨励された、明治維新までは肉食をしていなかった日本人にとってこの懐古趣味は国民性に合致していたようで瞬く間に常識になった。
 もう1つは「紫外線を浴びると皮膚癌になる」という通説だ。白人は紫外線の弱い土地に適応したからメラニン色素の少ない白い肌に進化した。そういう低紫外線適応をした白人が高紫外線の地域にまで住むから障害が発生するということだ。平地に住む人がいきなり高い山に登れば高山病に罹るようなものだ。体質に合った土地での適度な日光浴は有害ではない。北欧では今でも夏の晴れた日には日光浴が盛んだ。日本人のような紫外線恐怖症に罹った人はいない。彼らは紫外線の必要性を知っている。元々、色白を好んだ日本人はこの俗説に飛び付いた。その結果、日本人は青白くてひ弱なまるでモヤシのような貧弱な姿になってしまった。子供の頃から陽に当らない生活を続けていると、陽に当ると火傷し易い体質になるのでますます日光に弱くなった。
 人は信じたいことを容易に信じる。反肉食や美白願望があったので、肉食や紫外線の有害性は食習慣や人種的差異を無視して信じられた。こんな馬鹿なことを続けているようでは白人以下のイエローモンキーと揶揄されても文句を言えない。