俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

参院選

2012-12-28 14:31:18 | Weblog
 次の参議院選挙は来年の7月28日までに行われる。それまでに政党の離合集散が進むと予想されるが、確実なことが1つだけある。それは民主党が惨敗するということだ。
 問題は惨敗の基準をどこに設定するか、だ。マスコミは惨敗して「ねじれ国会」を招いた前回(2010年)以下なら惨敗と報じるだろうが、もしその程度で収まれば万々歳だと思う。
 2003年に自由党を併合して以降の参院選選挙区での民主党の議席数は、04年が31、07年が40、10年が28と推移している。小沢グループが抜けた今、せいぜい20議席程度だろう。仮に小沢グループの「生活の党」を吸収合併しても最早パワーを失った斜陽グループなので大したプラスにはなるまい。自由党併合前の01年選挙が18議席だったのだからこんなものだろう。
 比例区の得票率は、04年が39.6%、07年が41.7%、10年が33.3%だった。議席数は、04年が19、07年が20、10年が16だった。併合前の01年が16.4%で8議席だったことや、今回の衆院選での比例区得票率が16.0%だったことから考えて、せいぜい20%で10議席ぐらいだろうか。
 その結果として次回改選される選挙区40・比例区20の議席が丁度半分になり30議席程度まで減るだろう。この結果を受けて海江田代表は退陣を余儀なくされるだろうが、これは実力相応の結果でありスケープゴートにされる海江田代表は気の毒だ。
 この予想は30年先のことではなく僅か7ヶ月後の予想であり検証可能だ。似非科学者とは違って私は根拠のない予想などしたくない。再現可能ではないが、客観的なデータに基き検証可能なのだから、近頃乱発されている似非科学的レポートと比べれば遥かに「科学的な予想だ」と言っても差し支えなかろう。

危険な信念

2012-12-28 14:05:51 | Weblog
 信じていることについて都合の良いデータが見つかるとすぐに受け入れる。一方、信じていることに反する不愉快なデータは無視しようとするしすぐに忘れてしまう。こんな性質だから人間は偏見から逃れられない。
 26日に国立がん研究センターが「清涼飲料水をほぼ毎日飲む女性は、ほとんど飲まない女性と比べて脳梗塞になる危険性が1.8倍高い」と発表した。この情報が間違っていることについては27日付けの「デマ」を参照して頂くとして、なぜこんな与太話が大きな反響を巻き起こしたのかについて説明したい。
 私も含めて、清涼飲料水が健康のために良くないと思っている人は少なくない。言わば清涼飲料水に悪意を抱いている。そんな人は清涼飲料水の有害性が発表されると喜んでしまう。虚実を判断する高度な脳よりも先に、喜怒に基く低レベルな脳が反応してしまう。そのために虚実を判断する脳が働かないまま鵜呑みにしてしまう。
 こんなことは日常的によくある。悪意を抱いている人についての悪い噂を耳にすればすぐに信じてしまう。その噂が本当かどうかは殆んど検証されない。逆に好意を持っている人についての悪い噂は「そんな筈は無い」と考えて否定しようとする。その結果として、当初悪意を持っていた人の印象はますます悪くなり、好意を持っていた人の印象はなかなか悪くならない。このことについて一番良く理解しているのは多分結婚詐欺師だろう。
 是々非々のスタンスが難しいのも同じ事情だ。自民党が好きな人はどんな主張であろうとも最初から好意的に受け入れ、嫌いな人はまともに聞こうとさえしない。偏見に縛られていれば事実が見えなくなる。嬉しい情報であろうとも、いや、嬉しい情報に接する時にこそ疑って掛かる必要がある。感情ではなく理性を使って判断すべきだ。