田中真紀子文部科学大臣は「自爆テロ解散だ」と言って今回の野田首相による解散を非難しているが、これは自分が落選したことに対するヤツ当りだろう。むしろ野田首相の言うとおり「年を越せばもっと酷くなる」ということが実情で、年内解散という判断は惨敗を最小限に食い止める英断だったと思う。
第一に、年を越せば「嘘つき」の言葉が重くなる。「近いうちに信を問う」と言ったことを認めているのだから遅くなれば遅くなるほど不利になる。
第二に、小沢グループの抜けた民主党の集票力が半減しているということだ。それなりに支持基盤を持っていた小沢グループの基礎票が欠けた時点で自民党に太刀打ちできないことは明らかだ。小沢グループを排除したことによるプラス効果よりもマイナス効果のほうが圧倒的に大きい。その中で第三極が台頭しつつあった。11月の時点ではバラバラだった第三極が集結すれば反民主・反自民の受皿として躍進して民主党を凌ぎかねない。バラバラな内に仕掛ければ第三極内で勢力争いが起こる。実際に、選挙協力をしようとしていた維新の会とみんなの党は調整に失敗して多くの選挙区で共倒れとなった。あるいは小沢グループに飲み込まれた旧・減税日本や旧・未来の党は惨敗した。もし減税日本のまま選挙に臨んでいれば16人全員が落選するような惨めな結果にはならなかっただろう。
野田首相が思い描いた最悪のシナリオは、自民党だけではなく第三極にも負けて第三党に転落することだっただろう。解散を急ぐことによってそれだけは阻止できたが、そのために自民党が漁父の利を得たとも言えよう。
参院選まであと半年ある。それまでに第三極が体勢を整えれば野田首相が恐れていた最悪のシナリオが実現する。民主党の代表選に誰も立候補しないのは、参院選では衆院選よりも酷い大惨敗の可能性が高くその責任を取らされることから逃れようとしているからだろう。
第一に、年を越せば「嘘つき」の言葉が重くなる。「近いうちに信を問う」と言ったことを認めているのだから遅くなれば遅くなるほど不利になる。
第二に、小沢グループの抜けた民主党の集票力が半減しているということだ。それなりに支持基盤を持っていた小沢グループの基礎票が欠けた時点で自民党に太刀打ちできないことは明らかだ。小沢グループを排除したことによるプラス効果よりもマイナス効果のほうが圧倒的に大きい。その中で第三極が台頭しつつあった。11月の時点ではバラバラだった第三極が集結すれば反民主・反自民の受皿として躍進して民主党を凌ぎかねない。バラバラな内に仕掛ければ第三極内で勢力争いが起こる。実際に、選挙協力をしようとしていた維新の会とみんなの党は調整に失敗して多くの選挙区で共倒れとなった。あるいは小沢グループに飲み込まれた旧・減税日本や旧・未来の党は惨敗した。もし減税日本のまま選挙に臨んでいれば16人全員が落選するような惨めな結果にはならなかっただろう。
野田首相が思い描いた最悪のシナリオは、自民党だけではなく第三極にも負けて第三党に転落することだっただろう。解散を急ぐことによってそれだけは阻止できたが、そのために自民党が漁父の利を得たとも言えよう。
参院選まであと半年ある。それまでに第三極が体勢を整えれば野田首相が恐れていた最悪のシナリオが実現する。民主党の代表選に誰も立候補しないのは、参院選では衆院選よりも酷い大惨敗の可能性が高くその責任を取らされることから逃れようとしているからだろう。