俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

自業自得

2012-12-26 10:08:45 | Weblog
 フリーライダーという言葉がある。フリーライターのことではない。語源は多分、電車のタダ乗りだろう。タダ乗りの論理はこうだ。自分が乗っても電車に掛かる負荷は殆んど変わらないから誰の迷惑にもならない。これは身勝手な理屈だ。料金を払う人がいるから電車が運行されるのだから他人の善意に付け込んだ悪事だ。
 年金でも同じようなことが起こっている。2009~10年の2年間、国民年金の保険料を全く納めなかった人が26.2%を占めているそうだ。毎月15,000円ほどを納めれば将来何倍にもなって還ってくるのだから借金をしてでも収めるべきだと思うのだが、何かと理屈を付けて収めない。本当に困ったら生活保護を受けたら良いからとりあえず楽ができるほうを選ぼうとでも思っているのだろうか。彼らは自らは危険負担をせずに他人に負担させようとするフリーライダーだ。
 医療保険が逼迫している。この原因は自己責任の病気にまで保険が適用されているからだと私は思っている。二日酔いや肥満などの治療を保険の対象外にすれば随分マシになるだろう。飲み過ぎや食べ過ぎは100%自己責任でありこんなものまで保険が負担する必要性は全く無い。感染症なら自己責任とは言い難い。だから保険が適用されるべきだ。しかし自分でやるべきことをやらずに国(国民)に尻拭いをさせようとするのは厚かまし過ぎる。人事を尽くせば天命を待つ。しかし人事を尽くさずに天命に頼られたら堪らない。
 

維新の乱

2012-12-26 09:35:09 | Weblog
 維新の会の内紛が取り沙汰されている。旧維新の会と旧太陽の党との間で歪みが生じているようだ。私は早く分裂したほうが良いと思っている。そのほうが強力な勢力になれると思うからだ。
 維新の会は特異な政党だ。政策ではなくカリスマ的な魅力のある個人が引っ張っている。日本にカリスマ的な政治家は少ない。小泉純一郎氏と田中角栄氏以来とさえ思える。その2人(橋下氏と石原氏)が組めば怖いもの無しになる筈だがそうならない。残念ながら2人ともソリストだからだ。「両雄並び立たず」の言葉通り、タッグを組むことが魅力を損なう。
 ビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーは1+1=5になった稀有な例であり、有能な2人が組めば殆んどの場合、魅力が失われる。もしエルビス・プレスリーがパット・ブーンと組んでも全然ダメだ。かつてフランスを代表した2人の美人歌手のシルビー・バルタンとフランス・ギャルならどうだろうか、話にならない。些か例が古過ぎた。由紀さおりさんと浜崎あゆみさんならどうだろうか。紅白歌合戦のエンディングの「お正月」ぐらいしか想像できない。異質な魅力は異質なままのほうが良い。
 橋下氏と石原氏は別の党で個性を発揮したほうがずっと面白い。緩やかな連携を保ったまま別の党として活動したほうが独自性を発揮できるし、今の選挙制度の元では有利だ。別の党であれば個々に情報発信ができる。早く分裂して欲しい。
 これは民主党の分裂とは全然事情が違う。かつて民主党が政権を奪えたのは反自民勢力を結集できたからだ。「自民党以外」という消極的な位置付けで受け皿になったに過ぎない。だから分裂がマイナス評価になった。しかし橋下氏と石原氏の場合はそんな消極的な支持ではなく個人に対する強烈な期待でありプラス評価だ。プラスとプラスは反発する。カリスマ性のある2人は独自性を一層際立たせてほしいと思う。妙な妥協は却って魅力を損なう。