企業は「個性的な人材が欲しい」と言う。しかし実際に選ばれるのは無難な人だ。そうなる理由は2つあり、このことを理解するためには選ぶ側の立場に立って考える必要がある。
二者択一なら大博打もあり得るが、多くの選択肢がある場合、人は長所の多い物よりも短所の少ない物を選ぶ。このことは行動経済学の定説だ。この傾向は家電であれ食品であれ同じだ。店頭に並ぶ商品で最初に対象外にされるのは傷のある商品だ。性能が良いか、あるいは美味しいかは使ってみなければ分からないが、傷の有無は一目瞭然だ。傷だけではなくまず欠点のある物を排除することが多い。これと同じ理屈で、優秀な人よりも欠点の少ない人が選ばれる。
もう1つの理由は採用担当者の保身だ。長所も欠点もある新入社員の場合、長所はなかなか周囲から理解されず、先に目に留まるのは欠点だ。長所が評価されるのは欠点が見つかるよりもずっと遅いので、仮に彼が能力を発揮しても社内で育ったと見なされてしまう。これでは採用担当者としては面白くない。だから配属早々から使えそうな人を優先することになる。その一方で、どんなに優秀な人を落としてもそのことは誰にも分からない。毒のある天才を落としてもバレないのだから、当然、そのことによって非難されることは無い。そもそも社内で評価されるのは採用された社員だけであり、採用されなかった社員については誰も評価できない。
こんな事情だから就職活動においては、無難な人間を演じるほうが有利だ。だから個性が無いと言われようとも全員が紺のスーツを着て就活に励む。
二者択一なら大博打もあり得るが、多くの選択肢がある場合、人は長所の多い物よりも短所の少ない物を選ぶ。このことは行動経済学の定説だ。この傾向は家電であれ食品であれ同じだ。店頭に並ぶ商品で最初に対象外にされるのは傷のある商品だ。性能が良いか、あるいは美味しいかは使ってみなければ分からないが、傷の有無は一目瞭然だ。傷だけではなくまず欠点のある物を排除することが多い。これと同じ理屈で、優秀な人よりも欠点の少ない人が選ばれる。
もう1つの理由は採用担当者の保身だ。長所も欠点もある新入社員の場合、長所はなかなか周囲から理解されず、先に目に留まるのは欠点だ。長所が評価されるのは欠点が見つかるよりもずっと遅いので、仮に彼が能力を発揮しても社内で育ったと見なされてしまう。これでは採用担当者としては面白くない。だから配属早々から使えそうな人を優先することになる。その一方で、どんなに優秀な人を落としてもそのことは誰にも分からない。毒のある天才を落としてもバレないのだから、当然、そのことによって非難されることは無い。そもそも社内で評価されるのは採用された社員だけであり、採用されなかった社員については誰も評価できない。
こんな事情だから就職活動においては、無難な人間を演じるほうが有利だ。だから個性が無いと言われようとも全員が紺のスーツを着て就活に励む。