私立大学文科系の年間授業料は80万円ほどで国立大学は約50万円だそうだ。私が国立大学の学生だった頃は年間12,000円だったから随分格差が小さくなった。しかしこんな形での格差是正は全然良くない。むしろ昔のように格差が大きいほうが好ましい。
工業は農業よりも生産性が高いから、工業従事者の所得は農家よりも多くなる。これは格差を生む。このことに対して日本と中国は対照的な対応をした。
社会主義の筈の中国は小平の先富論に基いて、豊かになれる者が先に豊かになれば良い、とした。その結果、都市に住む4億人だけが豊かになり、地方の9億人の農民は貧しいままだ。中国の人口は日本の10倍でGDPはほぼ同額なのだから、農民の貧しさは想像を絶する。
資本主義の筈の日本は中国とは逆に格差縮小に努めた。とは言えこれは倫理的な理由からではなく、単に多数を占める農民票が欲しかったからだ。補助金という形で、都市で集めた金を農漁民に分配しただけではなく、食品を値上げして農業・水産業者の所得を増やした。これは統制経済だ。そしてそれを守るために食品の輸入を規制した。こうして国際価格から懸け離れた価格で食品が流通することになった。これを国民が負担させられた。例外は卵とモヤシだけだろう。これらは半工業製品と見なされたのだろうか。
工業人口の増加に合わせて食品価格を高騰させるのは上手い手だ。高所得者である第二次産業従事者に割高な食品価格を負担させれば彼らの所得が自動的に第一次産業従事者に再配分される。こうやって国民全体が豊かになった。
日本の場合、政策として食品価格を高止まりさせたのだから、TPPで海外から安い食品が輸入されたら太刀打ちできない。しかしこれ以上、国民の負担によって農業と漁業を保護し続けることは矛盾の先送りになるのだから、農業・漁業の構造改革は必須だ。つまり大規模農業・漁業によるコスト低減だ。これまでの保護主義では未来は無い。第一次産業では大きな格差が生じることになるだろうが、これは乗り越えるべき壁だろう。
工業は農業よりも生産性が高いから、工業従事者の所得は農家よりも多くなる。これは格差を生む。このことに対して日本と中国は対照的な対応をした。
社会主義の筈の中国は小平の先富論に基いて、豊かになれる者が先に豊かになれば良い、とした。その結果、都市に住む4億人だけが豊かになり、地方の9億人の農民は貧しいままだ。中国の人口は日本の10倍でGDPはほぼ同額なのだから、農民の貧しさは想像を絶する。
資本主義の筈の日本は中国とは逆に格差縮小に努めた。とは言えこれは倫理的な理由からではなく、単に多数を占める農民票が欲しかったからだ。補助金という形で、都市で集めた金を農漁民に分配しただけではなく、食品を値上げして農業・水産業者の所得を増やした。これは統制経済だ。そしてそれを守るために食品の輸入を規制した。こうして国際価格から懸け離れた価格で食品が流通することになった。これを国民が負担させられた。例外は卵とモヤシだけだろう。これらは半工業製品と見なされたのだろうか。
工業人口の増加に合わせて食品価格を高騰させるのは上手い手だ。高所得者である第二次産業従事者に割高な食品価格を負担させれば彼らの所得が自動的に第一次産業従事者に再配分される。こうやって国民全体が豊かになった。
日本の場合、政策として食品価格を高止まりさせたのだから、TPPで海外から安い食品が輸入されたら太刀打ちできない。しかしこれ以上、国民の負担によって農業と漁業を保護し続けることは矛盾の先送りになるのだから、農業・漁業の構造改革は必須だ。つまり大規模農業・漁業によるコスト低減だ。これまでの保護主義では未来は無い。第一次産業では大きな格差が生じることになるだろうが、これは乗り越えるべき壁だろう。