国立がん研究センターが「(男性では肉類の)摂取量が最も少ないグループに比べ、最も多い群では糖尿病のリスクが1.36倍高い」と発表した。この組織は私の知る限りではこの半年間に4回研究発表をしている。
1回目は昨年の12月で「清涼飲料水を毎日飲む女性は脳梗塞の危険が1.8倍になる」というものだった。
2回目は今年の3月で「肉や乳製品を多く取ると脳卒中のリスクが下がる一方、心筋梗塞を発症しやすくなる」だった。
3回目も3月で「緑茶やコーヒーをよく飲む人は脳卒中になるリスクが下がる」だった。
国立がん研究センターは約6万人を対象にして長期的にアンケートを行っており、貴重なデータだけに安易な発表は慎んで貰いたいと思う。特に1回目の発表は酷かった。「脳梗塞が1.8倍」だけが発表されたがデータを調べてみたら脳卒中は0.7倍になっていた。(詳しくは24年12月27日付け「デマ」参照)
統計処理では単なる相関が因果と間違えられ易い。よく知られている話だが、日本人の平均寿命の推移とテレビの普及率のグラフはぴったりと重なる。このデータから「テレビが寿命を伸ばした」と考えるのは間違いで「テレビが買えるほど豊かになったから寿命が伸びた」と分析するべきだろう。
今回の発表の最大の欠陥は総カロリーが無視されていることだ。糖尿病に罹る危険因子は肉類よりもむしろ総カロリーだろう。つまり高カロリーの肉類を多く摂取すれば総カロリーが増えて糖尿病に罹り易くなると分析すべきではないだろうか。
私がこう考えるのは、同じ資料で、女性は肉類摂取が多いほど糖尿病に罹りにくくなっているからだ。ダイエットに関心がありカロリー摂取量に敏感な女性は総カロリーをコントロールするから男性とは全く逆の結果になったと推定できる。
統計データは重要なだけに、相関を因果と見なす誤った情報発信はやめて欲しいと思う。
1回目は昨年の12月で「清涼飲料水を毎日飲む女性は脳梗塞の危険が1.8倍になる」というものだった。
2回目は今年の3月で「肉や乳製品を多く取ると脳卒中のリスクが下がる一方、心筋梗塞を発症しやすくなる」だった。
3回目も3月で「緑茶やコーヒーをよく飲む人は脳卒中になるリスクが下がる」だった。
国立がん研究センターは約6万人を対象にして長期的にアンケートを行っており、貴重なデータだけに安易な発表は慎んで貰いたいと思う。特に1回目の発表は酷かった。「脳梗塞が1.8倍」だけが発表されたがデータを調べてみたら脳卒中は0.7倍になっていた。(詳しくは24年12月27日付け「デマ」参照)
統計処理では単なる相関が因果と間違えられ易い。よく知られている話だが、日本人の平均寿命の推移とテレビの普及率のグラフはぴったりと重なる。このデータから「テレビが寿命を伸ばした」と考えるのは間違いで「テレビが買えるほど豊かになったから寿命が伸びた」と分析するべきだろう。
今回の発表の最大の欠陥は総カロリーが無視されていることだ。糖尿病に罹る危険因子は肉類よりもむしろ総カロリーだろう。つまり高カロリーの肉類を多く摂取すれば総カロリーが増えて糖尿病に罹り易くなると分析すべきではないだろうか。
私がこう考えるのは、同じ資料で、女性は肉類摂取が多いほど糖尿病に罹りにくくなっているからだ。ダイエットに関心がありカロリー摂取量に敏感な女性は総カロリーをコントロールするから男性とは全く逆の結果になったと推定できる。
統計データは重要なだけに、相関を因果と見なす誤った情報発信はやめて欲しいと思う。