45年務めた仕事を辞めて、悠悠自適と生きたいのだが習い性とは、中々身体から出でいかないものである。生活のリズムと生活の糧を狙って、果樹園でアルバイトを始めた。
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時給760円群馬県の最低賃金だということである。
みなかみ町=旧新治村は果樹の村である。リンゴが最も多く栽培されているが、農業公社で運営している当アルバイト先では、リンゴ、ブドウ、ブルーベリー、さくらんぼ、桃、ネクタリン、和梨、洋梨、苺など多岐にわたって栽培している。
此処は観光農園であるから、市場出荷はしていない。もっぱら果樹狩りで訪れる客を相手の果樹栽培である。
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この時期、果実が実り始める前の様々な作業に、文字通り猫の手も借りたい忙しさだ。
5月連休明けから骨折った作業を並べてみよう。
リンゴ(赤城、陽光、富士)の摘花、摘果作業に始まって、葡萄の摘果と房整理、リンゴ陽光の袋かけ、サクランボのビニールハウス地上4mでのビニール屋根設営、桃の摘果、梨の摘果と殆どが、いわゆる間引き作業である。大量に実を落とすのである。いやはや勿体ないのである。
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これをやらないと、糖度は出ないし大きくならないし次年度の結実が極端に落ちるのだそうである。要するに必須の作業なのである。
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ご覧の写真はブドウ房になる赤ん坊である。上は房形が悪く摘み取られるものであり、下は合格品である。実は旨いのだが、房の形が悪く商品価値がないのだそう。
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その前は、リンゴとナシの摘果前と摘果後である。
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わが同僚の76歳の人である。敢えてお婆さんとは言うまい。僕より元気であるから・・・・。
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午前8時30分から夕方5時まで10時と3時の30分休憩と昼食1時間を挟んで、脚立を上ったり下りたり、殆どが仰向けの姿勢での作業である。これが月曜日から土曜日までの週6日の労働である。現役時代よりハードな毎日を送っている。
身体が背中が腰が痛いのである。約一か月経っても夜9時になると起きていられぬ位、疲労困憊の体である。