前号に続く、友人の逝去に伴う遺言書の話題である
自筆の遺言書を預かった。
友人には現実に連絡の取れる法定相続人は居ない。近隣に親戚縁戚も居ない。少ないとは云え、他人の資産、負債を勝手に負ったり処分すれば、横領簒奪に問われる可能性がある。そうならない為には遺言書しかないことを生前、友人と共有した結果、その遺言書を預かったのである。
とは云え、これはこのままでは法的有効性は担保されない。裁判所による遺言書の検認手続きが必要となる。しかし遺言書検認とは、法定及び指定相続人全てに遺言書の存在を認知させる手続きであり、遺言の内容について判定するものではない。
法定相続人とは、本人の配偶者、子、両親、兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合はその子)を云う。 友人には、唯一の法定相続人である40年来往来音信も無く生死不明の長兄が在る。 通常の法定相続だとその友人の残した負資産全ては長兄に往く。しかし遺言書が有ることで法定相続より指定相続が優先されることになる。此処での相続争いを避けるために遺言書の存在を相互で確認するのが、遺言書検認手続きだという事である。
前置きが長くなった。 検認手続きである。
まず検認申立書の作成・・・・裁判所hpからダウンロード
次に遺言者の死亡除籍謄本、法定相続人全ての生誕から死亡までの戸籍謄本の収集添付
申立人(私)の本人確認書類(免許証)コピー
申立て手続き費用の印紙800円と切手350円を東京家庭裁判所へ提出した。
日比谷公園松本楼を抜けて道路向かいである。1階申立て受付にて書類チェック、早速戸籍謄本の不足を指摘された。ご両親其々の戸籍は一度転籍履歴が有り、その転籍前のが不足していた。 要するに法定相続人に含まれる異母異父兄弟姉妹の不存在証明が必要なのである。
指摘分の戸籍謄本を当該3市役所へ郵送依頼で取得して、裁判所へ郵送。一週間後に検認日の指定連絡が有った。3日後に検認出頭指示書が郵送されてきた。同様の出頭指示書が長兄へも郵送されているはずである。
指示された日時に裁判所裁判官の前に、法定相続人と申立人一同会して、遺言書を閲覧確認することとなる。 この後、裁判所の検認済みの証明押印のものが、公認された遺言書となる。
後、数日後である。