*小さいながらも威風堂々、近代ビルを背にいぶし銀の輝き!
先日、ヤボ用で午前中半休を取りました。
午後から出勤する前に是非寄ってみたかったのが新橋駅前に建つレトロビル、堀商店。
今やサラリーマン天国として名高い新橋。かつて新橋駅といえば文明開化の象徴でした。1872(明治5)年、国内初の鉄道開業に合わせて「新橋停車場」として誕生。1914(大正3)年、東京駅に旅客ターミナルの機能が移るまで、木骨石張りの駅舎(アメリカ人の設計)は東京の玄関口として賑わいました。


建設は1932(昭和7)年
JR新橋駅に近い角地に建つ、鉄筋コンクリート造4階建ての商店社屋。
汐留駅と改称し、貨物用の駅となってからの新橋駅は、1923(大正12)年の関東大震災によって駅舎が焼失。残った一部も昭和初期の改良工事で解体され、1986(昭和61)年、廃止に至りました。
現在の新橋駅は、当時近くにあった烏森駅が名前を変えて引き継いだものです。
銀座口改札近くの石碑には、明治の国文学者-大和田建樹(たけき)の直筆で「鉄道唱歌の詞」が刻まれています。
大和田氏作詞のこの歌は「汽笛一声新橋を」で始っています。

軒回りの装飾に特徴が壁面には表面に縦筋を刻んだスクラッチタイルが貼られ、錠をモチーフにしたレリーフが飾られています。
交差点に面した入り口回りと扉の意匠や、1階ショールーム床のモザイクタイル、階段室のトラバーチン(大理石の手摺子)など、昭和初期に流行したデザインを随所に配し、西の角には垂直線を強調した窓を持つ階段室と塔屋があります。

エントランス
ちなみに、入口4段の階段は、土地の地盤沈下により増築されたものだそうです。
〓お店について〓


創業当時の旧店舗
堀商店は1890年(明治23年)に創業。
創業当時は、欧米より最新の錠前の外、建具金物や暖炉金物などを輸入して販売していました。大正に入ってから、錠前、建具金物、船舶金物などの製造を始め、錠前・建具金物を中心にオリジナリティに溢れた製品を開発し、現在に至ります。それだけに、扱う商品は実用性だけでなく、素材の雰囲気を活かしたデザインが最大の特徴。真ちゅうやステンレス製の金具は、長年の使用に耐えられることは勿論、安全で使い込むほど味わいを増すように作られていて、かつ趣のある美しさです。
防犯性と見た目の良さを兼ね備えたオリジナル錠前も充実しています。
2階にはオーナーが国内外から集めた数百点に及ぶ古い錠前のミニ博物館があり、予約をすれば貴重な歴史の遺産を見ることも出来ます。

画像は港区産業観光ネットワーク
MINATOあらかると より転載
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■堀商店ビル
登録有形文化財
□8:45~17:30(月~金)
□土・日・祝定休
*夏季・年末年始休暇あり
□港区新橋2-5-2
□03-3591-6302~3※2Fコレクション観覧の際は必ず電話で予約を。竣工:1932(昭和7)年
設計:公保敏夫/小林正紹
施工:安藤組------------------------------------------------------