ナンシー・Chang!のおいし~生活

湘南(住まい)&東京(勤務地)で見つけた、あんなこと、こんなこと。

◆香港グルメ旅行(その2)/天香楼(1)

2007-01-06 23:04:57 | ゲストブック

スティーブ@茅ヶ崎さんからの投稿です。

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さて、この日の夕食は天下の名店である天香楼です。
この店の料理は杭州料理です。
杭州は場所で言えば上海から西方へ向かいあの西湖のあるあたりで、古代南宋の都であり、南宋から元代にかけて経済・文化の中心地として繁栄しました。
昔から名勝地でもあり、それで白楽天や蘇東坡などの詩人・文化人を輩出し、大金持が別荘などを構えた中国でも有数の富裕地ですが、さらに地味肥沃で食文化が発達しました。杭州伝統料理は色、香り、味の他、それぞれに物語まで付いています。
例えば、東坡肉、西湖魚の餡かけ、宋姉魚のスープ、乞食鶏 など。

北宋の有名な詩人蘇東坡が杭州の太守を勤めていた時に、家来に肉を彼が言った方法で作ってもらったら、これが意外と美味しかった。蘇東坡はこの肉を一所懸命に働いている庶民に与えました。柔らかく、美味しいこの肉は皆に愛され、“東坡肉”と名づけられました。
さらに昔長江の南に放浪してきた乞食は、鶏を捕まえたので料理を作ろうと想ったが、鍋を持たず仕方なく鶏を蓮の葉に包んでから泥をつけて蒸し焼にしたら、これが美味しかったのです。その後杭州の名物料理になりました。乞食鶏といいます。
杭州のコック達が蘇東坡の詩賦・望江地から考えた龍井蝦は全国の名物料理になりました。
杭州の龍井は緑茶の名産地で川蝦を緑茶の葉とともに炒める料理です。

それで天香楼ですが、この店はこの杭州料理の最高峰であるとともに、実質的に香港に於ける中華料理の最高峰であると言われています。
という事は世界には比類でありますので「天下の」という訳です。
ところがこの店は観光客は全く相手にしていませんので、日本ではほとんど知られていません。
私は香港駐在中に華僑の大金持ちに連れて行ってもらい、その存在を知りました。
最初の訪問時には衝撃が走りました。それまで福臨門や富臨など香港の名店中の名店は訪問し、上海倶楽部などの金持ち倶楽部にも招待を受けて中華料理の真髄を知ったと思っていたら、見事に打ち砕かれました。

この店はまた日本語はもとより英語も全く通用しません。広東語、北京語、上海語、杭州語のどれかを話さないと料理の注文が出来ないのです。ですから私は最初の数回の訪問であらかたの料理を食べ、その料理名を紙に書いてもらい工夫をして訪問しておりました。(私が日本語を教えておきましたので最近では多少は話す従業員がいると思います)
店は九龍の有名なネイザンロードから東方へ10分ばかり入ったところにあり、店の外観は全く地味で、まるで高級感はありません。むしろ下町のちょっとした中華料理屋のように見えます。中に入っても丸いテーブル席が6つあり、古ぼけた書や絵画が壁にかけられているだけです。

大根の紹興酒漬け
最初に何も言わないでも出てきます。
これが何とも風味、味わい、食感と風雅なもので杭州料理の入り口で期待感を膨らませます。

何時も注文するのが前菜3種
羊肉のハム、湯葉素揚げ、海哲皮(くらげ)です。
それぞれやはり歴史を感じさせる深い味わいで料理自体に品格を感じさせます。
(隠し味に極上紹興酒を使用)

龍井蝦
上質のふっくらとした川海老が風味たっぷりの高級龍井茶葉で炒めてあるので、上品にして柔らかい味わいです。
なおこれは自分でも研究して料理出来るようになりました。レシピ非公開ですが。

金華ハムと搨菜(ターサイ)の炒め物
脂が乗った金華ハムのこってりとした味わいは格別のものがあります。

さて、これからが本日のメインが次々に登場しますが、字数の問題で次回でご報告します。

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ご投稿ありがとうございました!

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