今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

Mさんとハル

2022年06月22日 | その他・一見さん
昨年の1月に店に現れたハルのこと、まだ覚えているでしょうか。
居着くのかと思ったら消息を絶ち、そして再会の繰り返し。
公園散歩のときに住宅街との間の遊歩道で見かけたことも2度あった。
昨年から今年にかけての「一見さん」カテゴリーは、ハルの記事で溢れています。
しかし今年の2月に姿を消して以来、見かけることはなかった。

Mさんが2月に新しい猫を迎えたと風の便りに聞いた時、胸騒ぎがした。
その猫の模様が「白地に両耳元とシッポの半分が黒」と聞いたからです。
それで先週末にMさんにお会いしたとき、ハルの写真を見せたのです。
「そうそうこの子、間違いない」とMさんとご主人。
そうなんです。ハルはMさん宅に保護されていたのでした。

ハル、こんな子です

Mさんはハルのことを「ユキちゃん」と呼んでいた。
それにしてもどうやってあのハルを保護したのか・・、と訊こうとしたとき、
Mさんの思いが溢れて、一気にユキちゃんのことを語りだしたのです。

ユキちゃんは2年半ほど前、当時Mさん宅の庭に来ていたノラが産んだ子だった。
大変そうな子育てを見て、Mさんはその親子3匹を保護することにしたと言う。
しかし母猫と姉猫は保護できたが、ユキちゃんはどうにもできなかった。
警戒心が強く近づけない。その一方で家族と離れて不安そうなユキちゃん。
家には入らなかったが、家を離れることもなくMさんは世話を続けた。
やがてユキちゃんが大人になった頃、ユキちゃんはMさん宅から姿を消した。

1年経った頃は、少しなら近づけるようになっていた

ユキちゃんが再びMさん宅に現れたのは昨年の初夏のこと。
1月に当店に顔を出して、春先に姿を消したその後のことだ。
ユキちゃんはしばらくしてMさん宅の庭で2匹の子供を産んだ。
Mさんは再び、何とか懐いてもらって家に迎えようとした。
しかしユキちゃん一家は警戒心が強く、なかなか人に懐かない。
だがそのうち、子供の1匹の様子がおかしいと気付いた。

弱っていたその子を保護し、掛りつけの動物病院に連れて行った。
食欲もなく鼻血が止まらなくなり、先生からは何か先天的な病気かもしれないと言われた。
病院通いと必死の介護にも拘らず、その子は半年後に息を引き取った。
手厚く葬り、その子の骨壺は今もMさん宅に並んでいる。
Mさんはユキちゃんに申し訳ないと思ったが、その頃ユキちゃんは再び姿を消していた。
もう1匹の子は男の子で、立派に成長して今もたまにMさん宅を訪れると言う。

今年の2月になって、ユキちゃんが再びMさんの家に現れた。
今度こそ、とMさんは思った。
母猫は娘さん宅に移ったが姉猫はまだ在宅だ。
姉妹を一緒にしてやりたいと思った。
今度こそ確実に、その一心でMさんは捕獲機を使うことにしたのです。
知人から借り、初めて使う捕獲機だったけど、思いのほか首尾よくいった。
ユキちゃんはこうしてMさん宅の家族になりました。

今年の1月、遊歩道で出会う (ハル、よかったな)

しかし、それで万事うまくいったわけではなかった。
捕獲機から養生用のケージに移すとき、ユキちゃんが逃げてしまったのです。
以来、ユキちゃんは完全な家庭内ノラとなり、その状況は今も続いている。
姉猫ともう1匹の先住猫とはまあまあでも、人間は近づくこともできないそうだ。

さらに大問題が発生。
保護したひと月後、ユキちゃんがMさん宅で6匹の子を産んだのです。
ユキちゃんの子育てを見守りながら途方に暮れたMさん。
当初は里親さん確保に奔走したと言う。
しかし自分と話した時はもう覚悟を決めていて、みんな自分で育てるつもりだと。

Mさんは、お宅(わが家)と同じ9匹になっちゃったと言って笑っていた。
でも、家庭内ノラにやんちゃ盛りの3ヶ月が6匹。これからはもっとすごいだろう。
保護者の年齢もある。もちろんMさんも自覚している。
問題が山積なのはわかっている。
それでも念願のユキちゃんを迎えることができて、安堵に満ちたMさんなのでした。

さて、Mさんの話、実はハルのことだけではなかったのです。
次回はいよいよモドキの登場。

※「Mさんとハルとモドキ」(「モドキ」カテゴリー)に続きます。

もうハルが店に来ることはありません

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モドキよ・・、そしてシンの登場

2022年06月18日 | その他・一見さん
モドキのタイトルなのに、一見さんカテゴリーとはこれ如何に。
店を空けていたこのひと月半、数日前に復帰してからもモドキを見ていません。
喘息と心不全で店を休む少し前に、新顔サビ子猫が現れてモドキと競合状態になった。
「夜の店番猫」など持ち上げつつ、こうしてみると何と希薄な存在なことか。
自分の休業中は専ら妻から情報を得ていました。

問題は2匹とも来店時間が遅くなり、どっちがどう食べてるのかわからなくなった。
サビは食欲旺盛なので見つければ何でも平らげてしまう。
モドキは少し残すのが癖で、しかも安いのや古いのは食べない。
乾物もシーバ以外はあまり食べない。
この違いを頼りに、2匹の食べ場所を共存させようと考えた。
そして置き餌を試行錯誤で違う場所に置くように頼み、最終的に場所を決めた。

一見余裕のありそうなモドキだが・・

どっちがどう食べているのか毎日食べ跡でチェック。
たまにサビが残したりモドキが空にしたりするので、完璧な判断ではない。
そのうち、サビがモドキの場所でも食べていることがわかった。
その頃からモドキの消息がどうにもつかめなくなった。
全部空になっていると、果たしてモドキも食べたのかわからないのです。

モドキはこのひと月半の間に1度しか確認されてない。
出会ったのは遅くまで仕事していた妻で、「痩せたみたい」と言っていた。
一方サビの方も、2週間前を最後に確認されてない。
でも置き餌は毎晩消化されているのです。

(前回のを再掲)すぐ逃げるサビの写真は少ないです

果たして誰がどう食べているのか。
そうこうしているうちに、またまた新手が現れた。
いや、新手と言うより、あの懐かしいシンです。
(2019年の秋に登場、去年の春にも1度現れた。)
シンが達者でいたことは何ともうれしい限り。
でも、モドキとサビの動向はますますわからなくなってきた。

1年に1度くらい顔を出す懐かしいシン

いよいよ本気で監視カメラでもつけてみようか。
まあチェックしたところで、コントロールできるわけではないけれど。
自分にとって何より寂しいのは、付き合い歴5年以上の当ブログ重鎮モドキが、一見さんたちにまみれてしまったことだ。
やっぱり斯様な関係を長く続けるのは難しいのかな。
改めてモドキとの希薄な関係という現実を思い知りました。
過去にも何度か消息を絶ったモドキ。今回もまた復活すると信じるしかない。
会わないだけで実は毎晩来てた、なんてこともあるし。

※この話は「Mさん」(「ノラたちの幸せを願って」カテゴリー)に続きます。

シンの雄姿:初めて"タヌキのようなシッポ"をカメラに収めました

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生きてさへいてくれれば

2022年01月29日 | その他・一見さん
2ヶ月前、ハルの前回記事(一見さんカテゴリー)で消息を絶ったとお伝えしました。
ところが師走に入って、どうもモドキだけにしては食べ方がおかしい。
そこで、カラスの目が届かないところにハル用の置き餌を出してみると、
やはり間違いなくモドキ以外の誰かが食べている。
そこでハル用の置き餌を再開したのです。


ハルです(再掲)

もちろんシンの可能性もあるしボーの可能性も、あるいは新顔くんの可能性もある。
でも、何となくハルのような気がしていました。
そして年の瀬の先月28日、いつもの散歩中にハルに出会ったのです。
ハルは遊歩道脇の小川で水を飲んでいたが、やがてこちらに向かって歩いて来た。
住宅街の擁壁の一部が法面や階段になっていて、遊歩道に下りることができるのです。

ハルは水を飲んだ後こちらに歩いて来た

おや、随分変わったな、と思いました。
以前のハルは警戒心全開で、まず人の方には近寄らなかった。
でも見たところ疲れた感じもないし、もともと細身だけど痩せてはいない。
どうやら達者でいたようだ。
300世帯ほどある店裏の住宅街には、ノラたちに優しい人も多いのです。

(左)裏の住宅街(公園丘陵より) (右)擁壁が切れて土手(法面)の部分がある

この分だとシンもボーも、あの新顔くんも、店まで来る必要がないのかもしれないな。
などと考えていると、ハルは自分の横を通り過ぎて擁壁上のお宅を見やった。
そして一気に上って、庭の奥へと消えて行った。

それからしばらくハル用の置き餌を出していました。
置き餌は毎晩、規則正しく消費される。
何時かはわからないけど、モドキの後にやって来るようだ。

ところがモーレツな寒さが続いた先週、サクラ以外の外猫連中の足が揃って遠のいた。
店では1年ぶりにモドキも誰も来なかった。
モドキは今週、大寒波がやや落ち着くと再び顔を見せた。
ハルは今のところ来た痕跡がなく、ハル用の置き餌もカリカリだけに縮小しました。

2m以上あるこの擁壁を上る?

ハルはさほどご縁のない一見さん。
住宅街のノラとしての道を究めようとしているのだろうか。
平均寿命が15年の家猫に較べて猫生3年と言われるノラ生活。
ご飯をくれる人がいればまだいいが、
手術しろだの保護しろだのと世の中の風当りはまだまだ強い。
捕獲機だの何だのと、普通の人にはそんなに簡単な事じゃない。
保護するって言ったって、いろいろ事情のある人もいるだろう。
それより何より、ノラたちは今日明日の食べ物がほしいのに。

いずれにしてもこれだけは言える。
当のノラたちが悪いんじゃない。ノラを生み出す人たちが悪いのだ。
水道を止めるのが先かバケツの穴を塞ぐのが先か。
水であれば間違いなく前者だけど、漏れているのが「命」となると・・・。
修理がいつ終わるのか、あまりにも先が見えて来ない。


擁壁を駆け上り、フェンスの隙間から中に入った

ハルよ、そして仲間のノラたちよ、
ノラ暮らしはきついだろう。危険とも隣り合わせだ。
自分が悪いわけじゃないのに、後ろ指さす人も少なくない。
でも、とにかく頑張って生きながらえてほしい。

生きてさへいてくれれば、サポートしたり助けたりできる。
生きてさへいてくれれば、保護して一緒に暮らすことだってできる。
生きてさへいれば、いつか必ず幸せになる機会が来るはずだから。
世の中そんなに、辛いことばかりじゃないからね。

擁壁に上る前、ちらりと挨拶していきました

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一見さん近況 ~ハル、消息を絶つ~

2021年11月29日 | その他・一見さん
寒いですね。
今朝は各地で最低気温を更新、北日本は大雪となりました。
わが家の庭の温度計は今季初の氷点下に。
天気予報では当市の最低4℃5℃と言ってるけど、郊外では全然違う。
家も店も暖房フル回転です。

外猫ちゃんにとっては本当に厳しい季節。
家裏も店も寝床は整備してあるけど、サクラもモドキもまだ入りません。
まあ、あの連中は食べ物だけは豊富なので、外猫の中では恵まれた方だ。
一方早くも暖房頼りのココレオや家の猫たち。
自然の厳しさを見事に忘れた感じで、何だかちょっと不安になります。

さて、店の一見さんの話です。
姿は見せねどずっと来ていると思っていたハル。
姿を見せないので一見さんの扱いだけど、初めての出会いは今年の正月。
その後2度ほどの空白期間があって10月初めに再々会。
しばし姿を見せていたのが、10月の中頃からまた見なくなった。

警戒心が強く、人のいない夜遅くにやって来るハル

しかしその後もハル用のご飯場所でモドキの食べない置き餌(寄せ集め)が毎晩消費されるので、ハルは来てると思っていた。
それが、おかしいなと思い始めたのが2週間ほど前。
いつからか、食べていたのはハルではなくどうやらカラスに変わったらしい。
ハル+カラスと言うのも考えたが、いろいろ試してやはりハルは来てないという結論になりました。

ハルは裏手の住宅街で暮らしているようなので、おそらくわが家みたいに世話してくれる家があるのだろう。
ということでハル用の置き餌は中止。いつの日か再会を期すことにしました。
ただ、当方としては残飯整理がいなくなったのはちょっと困った。
何しろわが家の猫たちも、お世話している外猫ちゃんも滅茶苦茶むら食いなので。
育て方が悪いのかな。

ハル、またいつか会おうな

一見さん過去のシン、ハル同様来る可能性がある

こちらはボー、これまた可能性あり

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハルとの再会 ~外猫ちゃんの将来を思う~

2021年10月06日 | その他・一見さん
昨夜、久々のハルに会った。
8月初めの記事にした来訪以来なので、かれこれ2ヶ月ぶりです。
ハルはいつもこんな感じで、たまに姿を見せるとしばしの潜伏。
潜伏と言っても、夜遅くか朝早くには食べに来ているようです。

ハルの食事場はモドキのとは離れてる

モドキ同様、裏の公園丘陵や住宅街を生活の場にしているらしい。
ダイフクのようにバス通りを渡った向こうに出向いているかはわかりません。
危険人物は別として、バス通りさへ気をつければ比較的安全です。

今のままでは、ハルとお友達になって保護するなんて至難の業。
確かに以前よりは店の人を怖がらなくなってはいる。
それにしても接する機会が少なすぎるし、実際まだまだ警戒心の塊だ。

こっちがいるときに来ればおかわりサービスも

わが家の勝手口でお世話しているサクラやキジロは別として、
お店でお世話している連中はココレオ含めいずれわが家に来る予定。
我々夫婦がいつまでもお店で働けるわけじゃないからです。
トシを考えれば、そんなに遠くない先だろう。
それに今のご時世、お店だっていつまでもあるとは限らない。

ということで、今までは早くお友達にならなければという焦りがあった。
でもちびたんを捕獲機で保護して以来、少し考えが変わりました。
消息絶つことさえなければ、いざとなれば捕獲機で保護できる。
だったら今の暮らしをもう少し満喫してほしいかな、と思ったりもするのです。


事務所に来て催促するようになりました

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする