夏目漱石の短編小説で「夢十夜」というのがある。
出だしが「こんな夢を見た」で始まる。第一夜から第十夜まである。
その中でも、第一夜と第三夜が好きだ。
その中でも、第一夜と第三夜が好きだ。
三夜は、ちょっと怪談のような話で読みやすい。
でも、僕が好きののはなんと言っても、第一夜だ。
ちょっと、出だしを書いてみる。
こんな夢を見た。
腕組みをして枕元に座っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと言う。女は長い髪を枕元に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。真っ白な頬の底に温かい血の色が程よく差して、唇の色は無論赤い。到底死にそうには見えない。
主人公とこの女性がどういう関係なのかわからない。
ただ、女は言ったとおり死んでしまう。
それで死ぬ前に、主人公にこう言う。
それで死ぬ前に、主人公にこう言う。
「また逢いに来ますから」「百年待っていてください」と。
それで、主人公は百年間、女を待つ、という話だ。
それで、主人公は百年間、女を待つ、という話だ。
なんとも夢らしい不思議な話で、ロマンチックで美しい。
この短編を読んでも、あまりピンとこないが、朗読で聴くと、すごくいい。
僕の個人的なことだが、体がつかれたときじゃなくて、神経的に疲れたとき、第一夜の朗読を聴くと、疲れがスーッととれる。みんながみんなそうかわからないが。
僕の個人的なことだが、体がつかれたときじゃなくて、神経的に疲れたとき、第一夜の朗読を聴くと、疲れがスーッととれる。みんながみんなそうかわからないが。
第三夜も話としては、なかなかいい。
You Tubeで朗読してるのが、沢山あるので、もしよかったら聞いてみてください。
だいたい10分くらいの短い朗読です。
You Tubeで朗読してるのが、沢山あるので、もしよかったら聞いてみてください。
だいたい10分くらいの短い朗読です。