最近、真面目な話ばかりしてるから、たまにはふざけた話でもしようかな。
一生懸命やってるのに、どうしても笑ってしまうようなことってありませんか?
たとえば、チェーホフの「小役人の死」という小説。
オペラを見ていた小役人が、大きなくしゃみをします。
それで、前列にいた偉い役人のはげ頭に、くしゃみをしたときのタンがつきます。
偉い役人はブツブツ言いながら、ハンカチではげ頭についたタンを拭きます。
これは大変なことをしてしまったと思った小役人は、青い顔をして謝ります。
「どうか、お許しください」と。
「わかった、もういいいよ」と偉い役人は言います。
しかし、まだ怒ってるようなので、もう一回「どうか、お許しを」と言います。
「わかったから、もう邪魔しないでくれ」と怒鳴られます。
怒鳴られてビビった小役人は、オペラが終わって、もう一度謝りに行きます。「どうか、お許しください」と
「もう、いいって言ってるだろ。もう忘れているのに。お前は私を馬鹿にしてるのか」とまた怒られます。
まだ、怒ってらっしゃる。謝り方が足りないんだ,と小役人は思います。
翌日、わざわざ出向いて、小役人は謝りに行きます。「どうか、お許しください」
「お前は私を愚弄しているのか。お前の顔なんか見たくない。もう来るな」と言われます。
激しく怒られた小心者の小役人は、ショックで死んでしまいます。
ほんとに一生懸命やってるのに、滑稽ですよね。
こういうことって、日常生活でないかな。
あんまり思い浮かばない。
そうだ。たとえば、男が一生懸命に女性にやらせてくださいとお願いする。土下座して。
それが一生懸命であればあるほど、アホに見えますよね。
でもこういうアホになれたら人生楽しいなと思う。