アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

福蔵寺ご縁市に出ました。

2012-05-04 17:34:37 | イベント記録
  豊田市旧旭地区に就農した若者グループ、M-easyが主宰する「福蔵寺ご縁市」が、連休の初日、5月3日(木)に開かれました。昨年に続き、3回目の開催です。

  本堂に吊るされたのぼりの布は、第1回目の縁日が開かれる前、スタッフたちが私の作業場に来て染めた柿渋染めです。時間が経って、なかなかいい色になってきました。

  このお祭りは、地元の人たちも多数参加。右手前のテントでは、地元の婦人たちが山菜てんぷらや蓬餅を作って販売していました。

  最初の市から参加しているアンティマキの店。いつもの場所です。出品したのは、穀物クッキー2種、くるみ黒糖スコーン、こねないパン2種にちょっとこねるパン2種、それにガトーショコラです。もっといろいろな種類を用意するつもりだったのですが、雨の予報が出ていたので意欲が失せて果たせませんでした。でも、この日、雨はほとんど降らず、暑くも寒くもない過ごしやすい一日になり、予想外のお客様が山あいの小さなお寺の境内に訪れました。

  すでにアンティマキのパンや焼き菓子を何度も買ってくださっているお客様も大勢いらして、なかにはお目当ての品がこの日たまたま製造できていなくて、がっかりなさる方もいらっしゃいました。もう少しがんばって、いろいろな種類の品をつくればよかったな、と思ったことでした。

   昨年草木染め講習に奥様がいらして以来、たびたびいろんなイベントにお客様としてご一家で来てくださっているKさん。今回ははじめて出店を果たしました。ご主人が興味を持って育てている苔の鉢植えが売り物です。

   かわいい鉢にこんもり山型に育っている苔。いろんな種類の苔が美しい緑色を見せています。わたしも、田舎に住むようになって、美しい苔が石垣や湿ったすみっこに茂っているのを見ては、苔球か何かにしたらおもしろいな、と思っていました。でもKさんのように、苔だけを鉢植えにしようとは思いつきませんでした。かわいくておしゃれです。奥様が縫った「苔敷き」がまたかわいい。わたしは、手前右のコースターを買いました。奥様のブログはこちら。苔好きのご主人のブログはこちらです。

   アンティマキの右隣には、前と同じく、小原の「梅乃家」さんがお店を出されました。こちらは、骨董と山菜と石窯パンのカフェ。古い山仕事の道具もたくさん持ってきておられました。

   ご主人の話では、昔の刃物は良質で、いまではほとんど手に入らない代物なのだとか。研ぎさえすれば長持ちするし、安物の新品より数段役立つというのです。それで、1500円と値札がついている古い草刈り鎌を使わせていただきました。驚いたことに、左手で草を持っていなくても、すいすい切れるのです。よく研いだ鎌を使ったことがないだけかもしれませんが、気に入りました。

   ついでに、かわいいはさみも購入。こちらは新品の中国製で500円。枝きりにも手芸にも使えるそうです。ティッシュペーパーも切れますし、左手でも使えます。帰宅して、普通の工作はさみで試してみました。やはり切れません。写真、ティッシュぺーパー中央の切れ目がこのはさみの切り跡、右が工作ばさみの切り跡です。

   左隣の方が売っていたつばき油石鹸も買いました。彼は、碧南から来た方で、浜辺にいっぱい生えている椿の実から油を絞っています。前に買った油(コチラ→)はさらっとして、いいものでした。椿油石鹸を買ったら、おまけに廃油石鹸をくれました。

   瀬戸市の豆腐屋しろも出店していました。3月に行われたほんわか里山交流祭りで購入して、おいしくて感激した豆腐を作っているお店です(コチラ→)。今回は寄せ豆腐と木綿豆腐2種、あげも買いました。たまたま子供と一緒に来ていた友人もうわさを聞いて購入し、スプーンをもらってきて子供たちにわたしたところ、2歳になる下の男の子が、容器ごと抱え込むようにして、口の周りを豆腐だらけにしながら夢中で食べ始めました。塩も醤油もつけていないのですが、大豆の味がよほどおいしかったのでしょう。お母さんが横から食べようとしても譲らなくて、彼女の口にはほとんど入らなかったみたい。

   ファーストハンド&みつばち食堂の重ね煮のカブスープもおいしかったし、いつもイベントで出会い、最近旭地区に移住したばかりの、おやき屋さんのタケノコキッシュもいい味でした。やはり旭地区に2年前新規就農した、てくてく農園の若いご夫婦からは、彼らが育てた野口種苗の唐辛子苗とズッキーニ苗を買いました。

   田舎に元から暮らす人たちと、移住した来た若い人たちと、田舎が好きな都会の人たちがたくさん集まる場として、短い間にすっかり有名になった感じのこのイベント、次回は7月29日(日)に開かれます。

   
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

根性シャクナゲと子沢山キンミズヒキ

2012-05-04 15:48:14 | アンティマキの場所に生きる動植物
   今、稲武は花盛り。雑草と潅木が我が物顔に茂っている私の家でも、それなりにいろいろな花が咲き、目を楽しませてくれます。

   下の写真の花は、たぶん西洋シャクナゲだとおもうのですが、今年はいちだんと美しく咲きました。

  木は古いのですが、北向きの崖に植えられ、しかも周りには馬酔木や岩ナンテンがかなり大きくなっていたせいで、日当たりが悪くて、長いこと、あるのも忘れがちになっていたくらいでした。

  一昨年の秋に周りの木々を剪定し、このシャクナゲにやっと日が当たるようになりました。そのとき、発見したのがこの曲がり具合です。

  光を求めてなのか、何度か幹の伸びる向きを変えています。今やっとまっすぐ上に。悪くなっていそうな枝を何本も切り落としたので花の数は少ないのですが、こころなしか生き生きして見えます。崩れやすい斜面だし、すぐ下は石垣なので、根が伸びづらいとおもうのですが、なんとかがんばっています。

  こちらはキンミズヒキ。雑草だとおもうのですが、このあたりにはありません。10年ほど前、知人の家でたった一株もらってきて植えただけのですが、以来、毎年種が飛んで、家の敷地のあちこちで群落を作るようになりました。かなり遠くの場所でも見かけるので、よその家の土地にも増え始めているかも。

  存在感があるし、黄色の花もきれいだし、染色にも使えるので絶やしたくはないのですが、最近は、他の植物を圧迫するほどの繁殖力に、ちょっとたじろいでいます。

  数年前植えた八重桜が、今年はたくさん花をつけました。両側に背の高い木があるせいで光を求めてなのか、ずっと高いところに枝が出て、やたら伸びています。だから、簡単に花が摘めません。両側の名前の分からない木を切って、この桜だけ伸ばしてやろうと思います。

   家人が廃材で作ったバーゴラのそばにフジを植えたのですが、なかなか伸びません。それなのに、今年は花をつけました。花が咲くのはうれしいけれど、木が小さすぎるので負担にならないかと心配です。かといって、せっかく咲き始めたのを切るのはかわいそうだし。思案中です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絹の白生地

2012-05-04 15:08:45 | 草木染め
   絹の白生地を、地元の知り合いの奥様からたくさんいただきました。ずっと和裁をしていらした方で、長じゅばんや着物の端切れや反物をいつか使おうと思ってしまっておられたものを、染色に役立つなら、とくださったのです。

   日本産の繭からとった絹糸で織った、美しい布。手触りがとても気持ちよくて、あたたかい。さまざな織りの布があって、紅絹とか綸子とか、かなり高価な布もいただきました。すべて「正絹」です。

   写真右上の、黄色っぽい色の折りたたんである布は、昔の子守半纏の裏地だそうです。奥様の話では、中に綿を入れたときにくっつきやすいよう、少し毛羽立った絹地を使ったのだそうで、触ると確かにふわっとあたたかく、張り付くような感じがします。

   左手前の巻きになっている布は、絹糸の端糸をつないで長い糸にし、その糸で織ったもの。この地域では養蚕が盛んで、繭を売って生計を立てていた家が多かったのですが、絹糸を紡いだり織ったりする仕事は、大きな工場で行われていました。それで、工場から織り糸の端を安く仕入れ、手でつないで玉にするのが、お年寄りの女性の仕事だったとか。そしてその糸を遠くの織り屋に送り、布に仕立ててもらって、嫁入りの道具にしたのだそうです。

   話には聞いていて、つないだ糸もいただいたことがあるのですが、織った布を見たのは初めて。ところどころ糸の継ぎ目が厚くなっていてそれが模様のようになり、味わいがある布です。

   草木染めをはじめてから、お蔵にずっとおいてあったという古い白生地の端切れなどをいただくことがたまにありましたが、こんなにいろいろな種類の織りの白生地をいただいたのは初めて。それに、生地の状態がかなりいいのもありがたい。

   生地に茶色の班点がついていることがあり、古いから仕方ないな、と思っていたのですが、今回下さった奥様の話では、あのしみは、生地につけた糊がかびたものだとか。その糊がこちらの生地にはついていないため、しみができていないのだそう。でも、それだけでなく、奥様が毎年すべての布をきちんと虫干しなさっていたので、いい状態を保つことができたようです。

   一般に動物性の繊維は、植物性の綿や麻とちがって、草木染めしやすいことになっているのですが、いざ染めてみると、必ずしも絹だから染まりやすいとはいいきれないこともあります。一口に絹といっても、繭のよしあしや織り方によって、絹の生地の質が変わるからだとおもうのですが、「もしかしたら化学繊維が混じっているのではないかしら」と疑いたくなるほど染まりつきが悪いこともあります。

    以前、絹100%と書いてあるスカーフ生地と、今回いただいたような白生地を一緒に染めたことがあるのですが、色の冴え方がかなり違っていました。昔の白生地の色のつき方はすばらしかった! 「正絹」ということばがあるということは、「絹100%」ではない「絹まがいの絹」も存在しているということなのかもしれません。

   こちらは、納屋にずっと保管してあった繭のくず。ご主人が出してきてくださいました。養蚕をなさっていた当時は、この綿のような塊から、真綿を作っていたのだそうです。紡げば糸にもなるそうですが、蚕の糞や殻のようなものが混ざっているので、まず洗うところからはじめる必要があります。枯れ草や糞のこびりついた羊の毛を1頭分洗ったことがあるので、洗い方さえ教えてもらえば、なんとかできそう。そのあとは、紡ぐことは私にはできないので、染色して絹のボールのようなものができたらおもしろそう。

   昔の貴重な布や真綿の材料をたくさんいただき、いささか興奮気味で帰途に就きました。これから採れる草木で、いろんな色を出してみたいと思います。     
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする