8年めか9年目になる私たちのお醤油作り。今年度も無事に絞りの日を迎えることができました。
絞ったのは昨年晩秋。11月の末日でした。
絞り師の井上時満さんは信州からお越しになります。今期は彼が手作りした新しい「ふね」で絞ります。木の香りがしてうれしい。
彼の到着後、すぐに湯を沸かし始めます。
3月に仕込んだもろみ。時さんがなめて「うん、いいね」と言ってもらえると、ほっとします。今年も言ってもらえました。今期は一度だけちょっとカビのような白いものが浮き、心配しましたが、その後は問題なく過ごしました。昨年よりもさらに温度が上がったようで、いっとき、ぐぐっと量が減ってどろどろになったことがありました。気温がぐんと上がったのだろうとおもいます。この方法の醤油作りには、まずまずの天候だったようです。
このもろみに、竈で沸かした湯を入れ、適度の濃度に調節します。
そして、時さんが布袋に、湯で薄めたもろみを入れていきます。
入れた端から袋を寝かせ、次々に積んでいきます。
すべて入れ終わったら、上から圧搾。出ました、今期の醤油です!
この生醤油をなめるのが、この日の一番の楽しみ。この生醤油ができるころ、お昼ごはんにします。
竈の隣の小さなぬかくどで煮ているのは、野菜汁。みんなの持ち寄りです。使っているお釜は、私が小学生低学年のころ家で使っていたものです。毎年この時だけ活躍。今も使えているのがうれしい。
野菜汁の出しは昆布だけ。野菜が煮えたら、醤油だけで味をつけます。野菜のいい出しも出ているので、シンプルだけどおいしい。今期は、汁のほか、地元稲武の製麺所・末広屋の生うどんだけ。うどんに生醤油と大根おろしやしょうがのすりおろし、刻み葱をかけただけなのですが、これがまたついつい後を引くうまさです。素朴なお昼ごはんですが、豊かさをじんわり感じました。
昼食の後は、生醤油を加熱します。アクをしっかりとっているところ。
袋から取り出したのは、もろみの滓。昨年はこの滓で、何度かふりかけを作りました。クッキーも作りましたが、今年は、ぜひともゴマ油やニンニク、ショウガなどをまぜて、何にでも合うたれを作ってみたい。いつも、生醤油とこの滓を差し上げている自然食の総菜屋さん・ラカンカは、ゴボウを炒めてこの滓で味付けした料理をことのほか、好むお客様がいらっしゃると教えてくれました。雑味も加わった複雑な味がおいしさを引き出すらしい。ゴボウとの取り合わせ、私も試してみよう。
最後の仕事は、袋を湯で洗って脱水すること。たぶん真っ白だったと思われる袋がいい色に変わっています。醤油染め。
絞りのすんだ1週間後、瓶詰めをしました。ほぼ一家族の一年分の醤油ができました。来期の仕込みは、3月か4月。それまで、醤油の仕事はお休み。ちょっとほっとできる期間です。
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