アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

夏みかんの枝葉でみかん染め

2010-04-26 10:40:44 | 草木染め
 先日蒲郡の竹島を訪れた後うかがった知人宅には、8年ほど前に植えたという夏みかんの木が二本あります。

 毎年たわわに実るのですが、知人家族は誰もその夏みかんは食べないのだそうで、数年前からこの季節になると、いただきにお邪魔しています。

 今年も、みかん箱に6箱以上のものすごくたくさんの量を収穫できました。枝からひとつ実を採るたびに枝がぴんと跳ね返ります。すべての実を採ったあとの木は枝が全部上向きになり、体が軽くなって喜んでいるように見えました。

 さて今年は、夏みかんの実だけでなく、枝葉もいただきました。竹島クラフトセンターで教えてもらったみかん染めをするためです。(関連記事はコチラ→)

 青々した枝葉をはさみで切ります。最初は普通どおりに鍋に水をいれ煮出しました。

 しばらくすると、みかんの香りがちょっと含まれた青くさいような匂いが漂ってきます。汁は黄みを帯びた茶色っぽい色です。

 布を入れると薄い黄色になりました。期待通りの色です。一枚はアルカリ溶液で媒染し、二枚は酢酸銅液で媒染しました。銅媒染だとすこし黄緑がかった色になりました。

 ここまでは竹島クラフトセンターで見たみかん染めの色が出ただけですが、私はひとつ実験をしてみました。緑葉染めです。

 緑葉染めとは、早春から新緑の季節にだけできる染めで、萌え出たばかりのヨモキ、スギナ、カラスノエンドウ、桑の葉、クズなどから美しい若草色が生まれるのです。一般の草木染めとちがうのは、ソーダ灰、炭酸カリウム、重曹などアルカリ性の薬剤を枝葉に加えて煮出す点です。

 で、やってみました。写真右の3枚が緑葉染めした布です。写真では黄色も黄緑も出ていませんので、違いはほとんど分かりませんが、若干黄緑色が勝っています。どれも美しい色なのに見せられないのは残念です。左端は普通に染めてアルカリ溶液で媒染したものです。

 ほんのわずかの違いですが、一番液より二番液のほうがより緑っぽくなりました。今回はここまでしかできなかったのですが、三番液、四番液ならより緑が出るも知れません。どちらにしても、アルカリ染めのほうが色が濃くなるようです。

 来年も夏みかん狩りができたら、また枝葉をもらってきて、今度はもう少し心して染めてみたいと思います。

   

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 皮むき手袋 | トップ | 夏みかんを丸ごと使ったマー... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (時田元昭)
2018-05-20 21:39:45
私も庭の夏みかんの木の実で夏みかんの若葉で緑葉染めをやってみました。いままでの経験から第1染液は色が濁るので捨てて、第2以降で染めるのですが念のため第1から第9まで取り、小さなボウルでテストピースを染めてみた結果。第3から第5くらいが一番濃く、第9でもまだ染色可能でした。媒染剤は明礬、硫酸銅、錫酸ナトリウム、硫酸ニッケル、クロムミョウバン、硫酸チタン、ホウ酸、硫酸第1鉄の8種で、それぞれテストピースを染めましたが、銅媒染が一番鮮やかでした。夏みかんの葉は冬でも全部は落ちないので、若葉でない硬い葉で秋と冬にまたやってみたいとおもっています。
返信する
詳しいご報告ありがとうございます (アンティマキ)
2018-05-22 11:07:03
9番液までとれるとは、力のある素材ですね。面白い実験のご報告、ありがとうございます。参考になります。冬の葉でも緑葉染めができるのでしょうか。気になります。また是非おしえてください。来年甘夏狩りに行ったら、葉っぱもまた分けていただくことにしようと思います。
返信する
Unknown (時田元昭)
2018-06-01 10:28:49
夏みかんの木の若葉で緑を染めたのは前に報告しましたが、実のほうは忘れていました。実のほうは朝のフルーツの時に蜂蜜かけて食べるのですが、皮のほうは砂糖で煮詰めてグラニュー糖でまぶしてお菓子にします。これ山口県のほうの萩の名物でしたよね。夏みかんを食べるたびに皮だけためておいて、少したまった時に、まず鬼皮、表面の堅い黄色いところをピーラーでとって、完全にとらなくてもいいのですが、これがあると苦みが強いのです。白い部分だけでなく、少しは鬼皮の黄色いところも残っていたほうが、程よい苦みが残って美味しいのです。次に水で煮て20分くらい、3回くらい煮こぼします。これで苦味がほどよくなります。このあと砂糖をたっぷり入れて煮詰めて、十分に煮詰まったところでグラニュー糖をまぶして出来上がりです。勘どころは、煮詰めるのが足りないとグラニュー糖がベチョベチョになってしまうので、焦げ付かないように慎重に煮詰めて十分に水分を飛ばすことです。これで砂糖菓子は美味しく出来上がりますが、今までは皮を煮こぼしたときにゆで汁を捨てていたのでしたが、このゆで汁で染めてみました。夏みかんの色素は水溶性ではないともいうのですが、まずは今まで捨てていた皮の染色液らしきもので試しです。テストピースで焼明礬の後媒染で、第1から第4染液まで染めて、どれもうっすらとレモンイエローに染まりました。次に第1から第4染液まで混合して、媒染剤ごとに、Cu,Al.Sn,Ni,Cr,Ti,B,Feでテストピースを染めてみて、Feだけはくすんだ色でしたが、あとはみなレモンイエローでした。今までに黄色はクチナシ、キハダ、ウコン、ターメリック、カレー粉、えんじゅ、サフランなど染めたことがありましたが、えんじゅとサフランだけが優雅な黄色で、後は黄色が濃すぎてちょっと品のない感じだったのです。でも今回はうっすらとしたレモンニイエローで、欲を言えばもう少し濃くてもいいなと感じています。そこで、次は皮の白い部分は食用オンリーとして使わないで、鬼皮だけ集めてアルコール抽出でやってみたいと思っています。今食べている夏みかんではたまるのにちょっと日がかかりそうで、追ってご報告というところですす。
返信する

コメントを投稿

草木染め」カテゴリの最新記事