アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

易しく優しいパンとスコーンとスープの講習会、終了しました。

2012-05-15 16:19:18 | アンティマキの焼き菓子とパン
   5月13日(日)、どんぐり工房で、「易しく優しいパンとスコーンとスープの講習会」を1年半ぶりに開きました。

   この講習会の講師は私。アンティマキが販売しているこねないパンシリーズ4種とスコーン2種、それに動物性食品やスープの素を使わないで作るスープを作りました。

   この日の参加者は15名+こども3名。豊田市街地だけでなく、名古屋、岡崎、長野県阿智村、岐阜県恵那市の方もいらっしゃいました。豊田市の広報をご覧になった方だけではなく、豊橋のベジフェスや豊田市街地のグリーンママンの朝市、名古屋のビーガン祭りなどで私のパンやスコーンを食べてくださった方々も参加しました。うれしいことです。

   こねないパンは、ホシノ天然酵母を使い、まったくこねないで作ります。前夜の9時ころ材料を混ぜ、一次発酵した生地を、会が始まってから二次発酵させます。上の写真は、一次発酵の手順を、イーストを使って実演しているところです。

   スコーンには、バターも卵も使っていません。粉類に米油をすり混ぜたあと、豆乳を加えて生地を伸ばします。

   スープは、ニンジンを主にした米入り豆乳スープ。優しい味になりました。

   参加した方々は、「簡単にパンができておどろいた!」と、異口同音に語ってくださいましたが、中のおひとりは、「簡単にできるからいいとかそういうレベルとは別に、このパンのおいしさに感動した」とおっしゃいました。とてもうれしいほめ言葉です。

   さて、この講習会、申し込み締め切り後も何人かの方から問い合わせいただいたので、7月にもまた開くことにしました。詳細は以下のとおりです。

   ■アンティマキの、易しく優しいパンとスコーンとスープの講習会第二回目
   *とき 7月8日(日)10時から3時まで
   *ところ どんぐり工房厨房 豊田市旧稲武地区 どんぐり温泉前
   *申し込み開始日 6月20日~
   *申し込み・問い合わせ先 どんぐり工房 ℡0565-83-3838
    なお、スープは、夏野菜を使ったスープを作ります。

  ところでこの日は、どんぐり工房で3週間開いていたアンティマキの展示会の最終日。展示に協力してくれた友人の竹内邦子さんが来て、自作のバッグを見せてくれました。右は、ヒノキとビワとざくろ、左はからし菜とざくろの染め布で作りました。きちんと裏布が張ってあります。使わなくなったペンダントをポケットに配し、いいアクセントにしています。
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茶臼山高原から根羽村へ

2012-05-15 15:36:07 | 小さな旅
   5月12日・土曜日、快晴だったこの日は、北設楽郡豊根村と長野県根羽村にまたがっている茶臼山高原で、数年前に整備が始まった芝桜の丘のオープンの日でした。

   でも芝桜はまだ一分咲き。丘見物は次の機会にして、この日は茶臼山までドライブしようと思い立ち、午後2時過ぎに家を出ました。

   こちらにきてから、新緑につくづく惹かれるようになりました。一口に緑といっても、色は微妙に異なります。日差しを浴びてそれぞれの木々の葉がきらきら輝く様子は、本当に美しい。

   頂上まで行くと、いつもは無料の駐車場が「有料500円」となっているのに気がつきました。警備員も出ています。500円出して駐車するのはもったいないので、Uターンしようとしたら、駐車場の前方に「Uターン禁止 一方通行」と書いてあります。

   仕方ないので、駐車場を通り過ぎて道なりに走ると、何度も、同じ看板に出会いました。

   「Uターン禁止 一方通行」

   戻るか、右に折れれば、復帰できるはずなのですが、できません。     

   あきらめて車外に出て撮影。標高1100mほどの場所です。

   桜がまだ咲いています。

   さらに道なりにどんどん進むと、長野県根羽村に入り、やっと「交互通行」の立て看板に出くわしました。でも、もう前に進むしかありません。でも、狭い山道を覚悟したのですが、意外に広い。二車線も多くてその点では楽でしたが、急坂がやたら多くて、ちょっと緊張しました。ひどいところは、傾斜がきつい上にヘアピンカーブみたいになっていて、道脇に記してある導流帯にいたっては、傾斜の角度がもしかしたら45度くらいありそうでした。もしあやまってこのゾーンに入ったら、曲がるに曲がれなくて反対車線に入ってしまいそう。ほかにも、よくまあこんな無理な道を作ったものだ、と驚くような箇所がいくつかありました。

  でも、両脇に広がる雑木林は、こずえが大きく伸びて、気持ちのよい景色です。そうした森が続く中、突然小さな駐車場に出くわしました。10台ほど止めるスペースがあり、あずまやもあります。

  あずまやのまわりには、ノブキがいっぱい育っていました。この日の前日にも自宅で採取したのですが、もっとほしいなと思っていたところだったので、ちょうどよかった。

  国道153号線に出て、やっと見知った根羽村の街を抜けました。予定より2時間近く遠回りしましたが、五月晴れの日の、久しぶりの遠出でした。楽しかった。

  それにしても、駐車場を通り過ぎてからはUターンできないなんて困ったことです。駐車場に至る前に、なんらかの警告でもあれば、なんとか手立てを考えられたのに。
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明智鉄道極楽駅

2012-05-15 14:48:07 | 道端観察記録
  稲武から車で30分、岐阜県方面に向かうと、恵那市岩村に出ます。城下町で、稲武の人たちは盆暮れの準備のために、むかしは20キロ以上の道を歩いて買出しに出かけたという町です。

  数年前、この町にスーパーができ、向かいにはホームセンターまでできました。土日にこのスーパーかホームセンターを訪れると、たいてい、誰か見知った人に出会います。稲武には大きなスーパーがないので、食料も日用品も本を買うのにも、DVDを借りるにも、たいがいみんなここまでやってくるのです。

  さて、このスーパーを出て道を横断し、ホームセンターに向かうとき、前方に見えるのが、「極楽駅」という看板です。明智鉄道の無人駅で、JR恵那駅と明智を結ぶ単線の駅です。

  極楽駅の向こう側の丘の上に大きな白い建物がありますが、その壁には「ぶつだん」と書いてあります。仏壇メーカーかお店があるようです。「極楽」の上に「ぶつだん」。たいしておもしろいジョークではないのですが、いちおう言ってみたいので、言います。

  極楽というのは地名かしらと思っていたのですが、極楽寺というお寺があったみたい。

  この鉄道は、車両がたしかひとつだけで、車窓から見える田園風景はのどかでなかなかいい感じの鉄道です。寒天列車も走っています。
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5月のグリーンママンの朝市に出ます!

2012-05-14 17:53:32 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
  今月もグリーンママンの朝市に出ます。要項は以下のとおりです。

  *とき 5月22日午前10時から12時
  *場所 豊田市寺部町2丁目 守綱寺広間
  *10時30~11時・本堂にて守綱寺主催の読み聞かせ会があります。
  *問い合わせ先:koma5nin@docomo.ne.jp(小松さん)
 
  昨日の「アンティマキの、易しく優しいパンとスコーンの講習会」に来てくださった方の中にも、このグリーンママンの市で、私の焼き菓子やパンを買った方が何人かいらっしゃいました。いつも、楽しい出会いのあるイベントです。他の出店者の品を見るのも楽しみ。今度は、穀物クッキー、ちょっとこねるパン、スコーン、おからのガトーショコラのほか、先月持っていけなかったオートミールと玄米粉のクッキーも出品する予定です。

 
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ユーハイムのバウムクーヘン

2012-05-14 17:42:01 | たべもの
   何十年ぶりかで、ユーハイムのバームクーヘンを食べました。たまたまもらったもので、最近はこういう大手メーカーのお菓子は人にあげてしまうのですが、なんとなく甘いものが食べたくてあけました。

   おいしい。甘過ぎない。後を引くほどのうまさを感じはしませんでしたが、やっぱり立派なお菓子です。

   昔京都にいたころ、四条河原町の角にあるビルの2階にユーハイムのカフェがあって、何度か大ぶりのドイツケーキを味わったことはあるのですが、今回、箱に入っていたしおりを見て、はじめてユーハイムの歴史を知りました。

   創業者のカール・ユーハイムさんは、第一次大戦の日本軍の捕虜だった人で、1919年に広島で開かれた「ドイツ人俘虜製作作品展覧会」(コチラ→)で、日本ではじめてバウムクーヘンを焼いたのだそうです。その後彼は妻と一緒に日本で焼き菓子の店を開くことを決意したのだそうです。

  さて、ドイツでは基準を満たさないとバウムクーヘンと名乗ることができないのだそう。その基準とは、
   *バターを使うこと。
   *膨張材などの食品添加物を使わないこと。
   *(ドイツの食品局かどこかが決めている)材料の配合や割合を満たしていること。
  ユーハイムは、創業以来、このドイツの品質基準をずっと守ってきたのだそうです。

  ドイツにはビールと名乗るための厳しい基準があるそうですが、バウムクーヘンにもあるのだとはじめて知りました。こういう厳しさは、消費者にはうれしいことです。
  
  翌日、しおりに書いてある通りに、電子レンジで数秒温めて食べてみました。少し柔らかくなったバウムクーヘンもなかなかおいしいものでした。

  バウムクーヘンのそもそもの起源は、細く伸ばしたパン生地を木に巻きつけて焼いたものだそうです。この巻きパンなら、以前、どんぐり工房のこども向けの講習会で作ったことがあります。焚き火に、パン生地を巻いた枝をかざして焼いたのですが、焦げたり生だったりでけっこう時間がかかりました。でも、焼きたてはおいしくて、こどもには好評でした。あの素朴な巻きパンからバウムクーヘンが生まれるまでには、さぞ、たいへんな苦労と、数々の工夫の積み重ねがあったのでしょうね。
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石垣の上の草刈り

2012-05-07 13:22:00 | 林と畑と庭づくり
   私宅は道下にあり、居間に座って窓から見えるのが石垣と崖だけ。だから、この場所をきれいにしたい!というのが長年の願いなのですが、なかなか思うに任せないまま、9年も経ってしまいました。

   ほったらかしにしておくと、山の崖と同じ状態になります。ゼンマイ、アケビ、スイカズラ、スイバ、ヤマブキ、フジ、クズ、ノカンゾウなどなどが伸び放題になり、引越しした当初のころは、それはそれで山の中に住んでいるみたいでうれしいと思ったものですが、近頃は少しは手を入れて、日陰でも育つ植物をいろいろ植えてみたくなりました。それで、昨年、伸び放題のサツキや岩南天を剪定してやったら、少し日が当たったせいか、アオイや大文字草が生き生きしてきました。

   先日、福蔵寺ご縁市で買った草刈り鎌を使って、岩や潅木の上をすっかり覆っていたつる草を払いました。垂れ下がっている草がなくなり、やっと石が見えるようになりました。あまりいい石ではなさそうだし、組み方も素人っぽいけれど、苔むしているところが気にいっています。

   右側に茂っているのはギボシ。以前、もらいはしたものの冬のことで植えるに植えられなくて、北側の土地に根っこをむき出しのままほうっておいたのですが、だめもととおもってこの場所においておいたら、すっかり定着しました。株分けしてあちこちに増やそうと思っています。

   左は斑入りのギボシ。鉢のなかで満杯になっていたため、外に出したのですが、株分けが簡単にはできなくなっていたので、とりあえず、地植えしました。右手前にひょろひょろと伸びているのは、アジサイ。どんぐり工房に咲いていた青い美しいアジサイを挿し木したもので、これも、赤玉土に植えたままほうっておいたら、いつのまにか根がついていました。強くて驚きました。

   久しぶりの外仕事で、気持ちはよかったものの、崖の上は不安定であぶなっかしくて、仕事が終わったら左足がやけに懲っているのを感じました。整理体操しないと次の日がしんどそう、と思いながら、結局何もせず寝てしまいました。   
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どんぐり工房で開催中 「アンティマキの場所から」展の写真

2012-05-07 11:27:07 | 草木染め
   アンティマキのはじめての展示会が、いま豊田市旧稲武地区の体験交流施設・どんぐり工房で開かれています(コチラ→)。   先日、友人の美大生・松井香澄さんが、きれいな写真をたくさん撮ってくれたので、いくつか紹介します。

   これが、どんぐり工房。90年前の古民家を移築して改装したすてきな建物です。どんぐり温泉の道向かいにあるのですが、ちょっと高台にあるため、気がつかない方が多いみたい。中にはいると、これからの季節は南北に風が通り抜け、すばらしく気持ちのよい場所です。


   広い土間の右手にはいろりが切ってあります。ここで、五平餅や川魚を焼いて食べられます。

   天井が高くて、すがすがしい。この場所に座ると、根が生えたような気分になります。おちつきます。こういう場所に、草木染め作品やリースを展示できて幸せ。

   定番の穀物クッキーは、試食つき。けっこう人気です。先日訪れたお客様は、「さっき、試食のかけらを口に入れたのですが、いまも、口の中に味が残っていて、あらためておいしい、と感じました」といって買ってくださいました。

   家から運んだ糸車。この部屋にぴったりでした。柱にかけてあるのがリース。ラッピングしてあるため光ってよく見ていただけないのが残念。

   風呂敷を吊るして飾る技は、自宅ショップ祇粘堂(コチラ→)をまねました。

   母が使っていた古いミシンの引き出しにしまってあった糸巻き。かわいく撮ってもらえました。

   今回、草木染めのポジャギ風カーテンを作ってくれたYukoさんは、以前私が染めた草木染めスカーフのフリンジを作ってくれていたのですが、そのとき、抜き取った横糸を捨てないで、こんな風にきれいにそろえてくれました。草木の名前を控えておかなかったのが心残りですが、色の見本として重宝しています。

    100円ショップで買った麻ひもは、質が悪いのでぼそぼそしています。でも、それが、染めたとき味わいを出します。その麻ひもで小枝を編み、トレイ?にしました。

    友人たちの草木染め作品。帽子は、私が染めたガラ紡の布巾でべーぐる庵主人の倉橋知栄さんが作ったもの。リバーシブルになっています。右下は菊田まさのさん、左下は谷田多子さんのパッチワーク作品です。草木染めの色は単色よりも、こうしていくつかの色を組み合わせることで、いっそう独特の美しさを生み出します。

    押入れの前にかけた暖簾、中央は竹内邦子さんの作品。左側の青色はカラシ菜から出しました。彼女が自宅で試みてくれたおかげで、この、新しい染め材料が見つかりました(コチラ→)。

    右下のグレーの布は、クリで染めた古い帯芯です。布を入れた木箱は、造り酒屋でもらった古い麹箱。どんぐり工房のたたずまいになじんでいます。

   手前のピンクやオレンジ系の色は、タカキビやピラカンサで出しました。真ん中の茶色やグレーはクリやアベマキ。でも、いろんな材料を使って何度も色を重ねているので、はっきり特定ができません。今度展示会を開くときは、できるだけ材料が特定できるよう、記録しておかなくちゃ、とおもっています。一番奥のかわいいリング模様ののれんは、河合明子さんの作品です。

   ポジャギ風カーテンの向こうに明かりが透いて見えます。このカーテン、好評です(コチラ→)。
   綿100%のストール3枚。右からザクロ染め、ピラカンサ染め、そして左の青色がカラシ菜染めです。写真の色は少し冴えませんが、本物はもっと鮮やかで、風合いのいいストールです。

  これらの写真を撮った松井香澄さんは、稲武出身の大学生。今月23日から5日間、名古屋市名東区のギャラリーで、友人の柄澤あかりさんと2人展を開きます。詳細は以下のとおり。香澄さんが撮ったこのどんぐり工房の写真は、一部、ポストカードにして個展で展示即売するそうです。
 
  ■KoteKoteN vol.2
     稲武出身の大学生による2人展
    柄澤あかり 愛知県立芸術大学 陶磁専攻 3年
    松井香澄  名古屋学芸大学 デザイン学科 3年
   *場所:ギャラリー 時折(ときおり) 名古屋市名東区 藤が丘
   *期間:5月23日(水)~27日(日)
 
   ところで、アンティマキの展示会は13日(日)で終わります。最終日に予定している「アンティマキの、易しく優しいパンとスコーンの講習会」は、申し込みが定員いっぱいになったので締め切らせていただきました。締め切り後も申し込みが続いたため、急遽、2ヵ月後の7月8日(日)にも、同じ講習会を開くことになりました。詳しくは、追って告知します。

   なお、どんぐり工房では、草木染め講習のほか、うどんや地元の伝統菓子・からすみ、五平餅、布ぞうりやリースづくりそのほか、盛りだくさんの体験ができます。竹細工やわら細工は、土日・祝日ならたいてい予約しなくても体験できます。くわしくは、右のブックマークからどんぐり工房にアクセスしてください。


      
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福蔵寺ご縁市に出ました。

2012-05-04 17:34:37 | イベント記録
  豊田市旧旭地区に就農した若者グループ、M-easyが主宰する「福蔵寺ご縁市」が、連休の初日、5月3日(木)に開かれました。昨年に続き、3回目の開催です。

  本堂に吊るされたのぼりの布は、第1回目の縁日が開かれる前、スタッフたちが私の作業場に来て染めた柿渋染めです。時間が経って、なかなかいい色になってきました。

  このお祭りは、地元の人たちも多数参加。右手前のテントでは、地元の婦人たちが山菜てんぷらや蓬餅を作って販売していました。

  最初の市から参加しているアンティマキの店。いつもの場所です。出品したのは、穀物クッキー2種、くるみ黒糖スコーン、こねないパン2種にちょっとこねるパン2種、それにガトーショコラです。もっといろいろな種類を用意するつもりだったのですが、雨の予報が出ていたので意欲が失せて果たせませんでした。でも、この日、雨はほとんど降らず、暑くも寒くもない過ごしやすい一日になり、予想外のお客様が山あいの小さなお寺の境内に訪れました。

  すでにアンティマキのパンや焼き菓子を何度も買ってくださっているお客様も大勢いらして、なかにはお目当ての品がこの日たまたま製造できていなくて、がっかりなさる方もいらっしゃいました。もう少しがんばって、いろいろな種類の品をつくればよかったな、と思ったことでした。

   昨年草木染め講習に奥様がいらして以来、たびたびいろんなイベントにお客様としてご一家で来てくださっているKさん。今回ははじめて出店を果たしました。ご主人が興味を持って育てている苔の鉢植えが売り物です。

   かわいい鉢にこんもり山型に育っている苔。いろんな種類の苔が美しい緑色を見せています。わたしも、田舎に住むようになって、美しい苔が石垣や湿ったすみっこに茂っているのを見ては、苔球か何かにしたらおもしろいな、と思っていました。でもKさんのように、苔だけを鉢植えにしようとは思いつきませんでした。かわいくておしゃれです。奥様が縫った「苔敷き」がまたかわいい。わたしは、手前右のコースターを買いました。奥様のブログはこちら。苔好きのご主人のブログはこちらです。

   アンティマキの右隣には、前と同じく、小原の「梅乃家」さんがお店を出されました。こちらは、骨董と山菜と石窯パンのカフェ。古い山仕事の道具もたくさん持ってきておられました。

   ご主人の話では、昔の刃物は良質で、いまではほとんど手に入らない代物なのだとか。研ぎさえすれば長持ちするし、安物の新品より数段役立つというのです。それで、1500円と値札がついている古い草刈り鎌を使わせていただきました。驚いたことに、左手で草を持っていなくても、すいすい切れるのです。よく研いだ鎌を使ったことがないだけかもしれませんが、気に入りました。

   ついでに、かわいいはさみも購入。こちらは新品の中国製で500円。枝きりにも手芸にも使えるそうです。ティッシュペーパーも切れますし、左手でも使えます。帰宅して、普通の工作はさみで試してみました。やはり切れません。写真、ティッシュぺーパー中央の切れ目がこのはさみの切り跡、右が工作ばさみの切り跡です。

   左隣の方が売っていたつばき油石鹸も買いました。彼は、碧南から来た方で、浜辺にいっぱい生えている椿の実から油を絞っています。前に買った油(コチラ→)はさらっとして、いいものでした。椿油石鹸を買ったら、おまけに廃油石鹸をくれました。

   瀬戸市の豆腐屋しろも出店していました。3月に行われたほんわか里山交流祭りで購入して、おいしくて感激した豆腐を作っているお店です(コチラ→)。今回は寄せ豆腐と木綿豆腐2種、あげも買いました。たまたま子供と一緒に来ていた友人もうわさを聞いて購入し、スプーンをもらってきて子供たちにわたしたところ、2歳になる下の男の子が、容器ごと抱え込むようにして、口の周りを豆腐だらけにしながら夢中で食べ始めました。塩も醤油もつけていないのですが、大豆の味がよほどおいしかったのでしょう。お母さんが横から食べようとしても譲らなくて、彼女の口にはほとんど入らなかったみたい。

   ファーストハンド&みつばち食堂の重ね煮のカブスープもおいしかったし、いつもイベントで出会い、最近旭地区に移住したばかりの、おやき屋さんのタケノコキッシュもいい味でした。やはり旭地区に2年前新規就農した、てくてく農園の若いご夫婦からは、彼らが育てた野口種苗の唐辛子苗とズッキーニ苗を買いました。

   田舎に元から暮らす人たちと、移住した来た若い人たちと、田舎が好きな都会の人たちがたくさん集まる場として、短い間にすっかり有名になった感じのこのイベント、次回は7月29日(日)に開かれます。

   
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根性シャクナゲと子沢山キンミズヒキ

2012-05-04 15:48:14 | アンティマキの場所に生きる動植物
   今、稲武は花盛り。雑草と潅木が我が物顔に茂っている私の家でも、それなりにいろいろな花が咲き、目を楽しませてくれます。

   下の写真の花は、たぶん西洋シャクナゲだとおもうのですが、今年はいちだんと美しく咲きました。

  木は古いのですが、北向きの崖に植えられ、しかも周りには馬酔木や岩ナンテンがかなり大きくなっていたせいで、日当たりが悪くて、長いこと、あるのも忘れがちになっていたくらいでした。

  一昨年の秋に周りの木々を剪定し、このシャクナゲにやっと日が当たるようになりました。そのとき、発見したのがこの曲がり具合です。

  光を求めてなのか、何度か幹の伸びる向きを変えています。今やっとまっすぐ上に。悪くなっていそうな枝を何本も切り落としたので花の数は少ないのですが、こころなしか生き生きして見えます。崩れやすい斜面だし、すぐ下は石垣なので、根が伸びづらいとおもうのですが、なんとかがんばっています。

  こちらはキンミズヒキ。雑草だとおもうのですが、このあたりにはありません。10年ほど前、知人の家でたった一株もらってきて植えただけのですが、以来、毎年種が飛んで、家の敷地のあちこちで群落を作るようになりました。かなり遠くの場所でも見かけるので、よその家の土地にも増え始めているかも。

  存在感があるし、黄色の花もきれいだし、染色にも使えるので絶やしたくはないのですが、最近は、他の植物を圧迫するほどの繁殖力に、ちょっとたじろいでいます。

  数年前植えた八重桜が、今年はたくさん花をつけました。両側に背の高い木があるせいで光を求めてなのか、ずっと高いところに枝が出て、やたら伸びています。だから、簡単に花が摘めません。両側の名前の分からない木を切って、この桜だけ伸ばしてやろうと思います。

   家人が廃材で作ったバーゴラのそばにフジを植えたのですが、なかなか伸びません。それなのに、今年は花をつけました。花が咲くのはうれしいけれど、木が小さすぎるので負担にならないかと心配です。かといって、せっかく咲き始めたのを切るのはかわいそうだし。思案中です。
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絹の白生地

2012-05-04 15:08:45 | 草木染め
   絹の白生地を、地元の知り合いの奥様からたくさんいただきました。ずっと和裁をしていらした方で、長じゅばんや着物の端切れや反物をいつか使おうと思ってしまっておられたものを、染色に役立つなら、とくださったのです。

   日本産の繭からとった絹糸で織った、美しい布。手触りがとても気持ちよくて、あたたかい。さまざな織りの布があって、紅絹とか綸子とか、かなり高価な布もいただきました。すべて「正絹」です。

   写真右上の、黄色っぽい色の折りたたんである布は、昔の子守半纏の裏地だそうです。奥様の話では、中に綿を入れたときにくっつきやすいよう、少し毛羽立った絹地を使ったのだそうで、触ると確かにふわっとあたたかく、張り付くような感じがします。

   左手前の巻きになっている布は、絹糸の端糸をつないで長い糸にし、その糸で織ったもの。この地域では養蚕が盛んで、繭を売って生計を立てていた家が多かったのですが、絹糸を紡いだり織ったりする仕事は、大きな工場で行われていました。それで、工場から織り糸の端を安く仕入れ、手でつないで玉にするのが、お年寄りの女性の仕事だったとか。そしてその糸を遠くの織り屋に送り、布に仕立ててもらって、嫁入りの道具にしたのだそうです。

   話には聞いていて、つないだ糸もいただいたことがあるのですが、織った布を見たのは初めて。ところどころ糸の継ぎ目が厚くなっていてそれが模様のようになり、味わいがある布です。

   草木染めをはじめてから、お蔵にずっとおいてあったという古い白生地の端切れなどをいただくことがたまにありましたが、こんなにいろいろな種類の織りの白生地をいただいたのは初めて。それに、生地の状態がかなりいいのもありがたい。

   生地に茶色の班点がついていることがあり、古いから仕方ないな、と思っていたのですが、今回下さった奥様の話では、あのしみは、生地につけた糊がかびたものだとか。その糊がこちらの生地にはついていないため、しみができていないのだそう。でも、それだけでなく、奥様が毎年すべての布をきちんと虫干しなさっていたので、いい状態を保つことができたようです。

   一般に動物性の繊維は、植物性の綿や麻とちがって、草木染めしやすいことになっているのですが、いざ染めてみると、必ずしも絹だから染まりやすいとはいいきれないこともあります。一口に絹といっても、繭のよしあしや織り方によって、絹の生地の質が変わるからだとおもうのですが、「もしかしたら化学繊維が混じっているのではないかしら」と疑いたくなるほど染まりつきが悪いこともあります。

    以前、絹100%と書いてあるスカーフ生地と、今回いただいたような白生地を一緒に染めたことがあるのですが、色の冴え方がかなり違っていました。昔の白生地の色のつき方はすばらしかった! 「正絹」ということばがあるということは、「絹100%」ではない「絹まがいの絹」も存在しているということなのかもしれません。

   こちらは、納屋にずっと保管してあった繭のくず。ご主人が出してきてくださいました。養蚕をなさっていた当時は、この綿のような塊から、真綿を作っていたのだそうです。紡げば糸にもなるそうですが、蚕の糞や殻のようなものが混ざっているので、まず洗うところからはじめる必要があります。枯れ草や糞のこびりついた羊の毛を1頭分洗ったことがあるので、洗い方さえ教えてもらえば、なんとかできそう。そのあとは、紡ぐことは私にはできないので、染色して絹のボールのようなものができたらおもしろそう。

   昔の貴重な布や真綿の材料をたくさんいただき、いささか興奮気味で帰途に就きました。これから採れる草木で、いろんな色を出してみたいと思います。     
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