アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

クリ争奪戦の季節がきました。

2014-09-08 10:46:15 | アンティマキの場所に生きる動植物
   うちには4本のクリの木があります。2本はもと畑の東側。昔はもっとあったのですが、諸事情によってほとんどすべて伐りました。いまある2本は、当時たしか実生で育ち始めていたもの。実がなり始めたのはここ数年のことだと思います。

    せっかくなり始めはしたものの、草だらけのもと畑を通ってクリの木のもとに至るのが大変なので、ここしばらくはほとんど採りにいくことなく収穫時期を過ぎてしまいました。

    もっとも大きくなっている木は、家の下に流れている小川の岸にあります。この木は、もともと植えたのではなく、こちらも実生で生えて育ったもの。どんどん大きくなり、毎年たわわに実をつけます。

    家の北側の窓から撮りました。こちらは、もと畑にある木の周辺よりもっと採りに行くのが大変なので、ほとんどほったらかしです。

    どちらの場所にある木も、収穫期の終わるころおもいたって、草を刈りつつ木に近づいてみると、見つかるのはイガばかり。中身の入ったクリはまず見つかりません。私たちの代わりに、みんな森の動物が食べているのです。

    今年こそ、少しは人間も食べたいと思い、昨日もと畑の周りの草を刈りました。

    毎年、イノシシの転げまわった跡や糞が見つかる場所です。落ちた時に拾いやすいよう、古い茣蓙を敷いてみました。納屋の中を探して、ビニールシートの不要なのが見つかったら、それも敷いてみようと思います。

    これで、あとは、この木に至る道を確保すれば(草を刈れば)、何とか行き着けるはずです。

    最後の1本は、道端に近いところに昔植えた木です。ずっと、ふつうのドングリだと思っていたのですが、木のことをよく知っている友人に見てもらったら、クリだと教えてくれました。3年ほど前のことです。そのときにはまだ実はつけていませんでした。以来、毎年気にして見ていたのですが、実を見つけたのは今年初めて。しかも、たくさんです。小さめの実なので、山グリらしい。

    この木の下も、草だらけです。でも、下の川岸のクリよりは手入れしやすい場所なので、近日中に刈るつもりです。山グリは小さいけれど、味はいい。楽しみです。この場所の手入れが終わったら、川岸の木の周りを何とかしようと思います。


  

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阿寺渓谷での自然観察会に参加しました

2014-09-07 15:31:29 | 小さな旅
とよた森林学校主宰の「木曽五木を見に行こう~   」に参加しました。先週金曜日のことです。8月の終わりころは大雨が続き、この日も稲武を早朝出たときは小雨でしたが、観察場所の阿寺渓谷に着いたときは晴れていて、ほっとしました。

    この日の観察会の講師は北岡明彦さんと北岡由美子さん。現地に到着してすぐに教えてもらったのがこの野菊です。ユウガギクというのだそう。普通よく見かける野菊はノコンギク。こちらは、花がまばらで白いのが特徴だそうです。うちの敷地内にたくさん育っているのはこの野菊のようです。花が少ないのになぜ「優雅」と名付けたのか不審に思って北岡さんに尋ねると、「柚香菊がなまって優雅菊になったのです」とのこと。柚子の香りがするということなのだそうですが、香りはほとんどありません。

     この観察会の主な目的は、木曽五木を見ること。木曽五木とは、江戸時代、尾張藩が伐採を禁止し5つの木のことで、ヒノキ、サワラ、ネズコ、コウヤマキ、アスナロを指します。阿寺渓谷には、ネズコ以外の4木が育っています。上の写真はヒノキかサワラのどちらか。教えてもらった直後は覚えていたのに写真だと、見分けがたくなりました。とげとげしているのがヒノキ、すべすべなのがサワラだったとおもいますが、逆かも。サワラはにおいがとてもよかった。葉の付き方も違っていて、サワラのほうがまばら。

    ヒノキは、五木のうちで材木としてもっとも高級とされています。サワラはその10分の一。建材ではなく、桶など日用品に用いられるそうです。

    ハイイヌツゲ。大きくなりそうな葉っぱなのに、低木なのだそうです。

    ヒノキの人工林。10数年前に間伐したきりの場所です。稲武あたりに比べたら木の間が空いているとおもうのですが、下の方の枝は枯れ枝が目立ち、木の肌も荒れています。美林といわれる木曽ですら、こんなに手入れがなされていないのかと、暗澹とした気持ちになりました。

    木曽川の上流のひとつ。水の色がうつくしくて見とれました。

    ウナリ島という場所にはコウヤマキの群生が見られました。コウヤマキは成長が遅く、これだけ群生している場所は珍しいのだそうです。

     ここでは、バイカオウレンがいっぱい生えています。でも、植物の数は、すぐ近くのほかの場所と比べてかなり少ない。

     マルバノキです。紅葉がとてもきれいだそう。この渓谷にはマルバノキがあちこちにあり、美しい紅葉を見せるそうです。すでにはじまりかけています。日の光にすかせてみると、いっそう美しい。


     昼食を終えてから、昔の森林鉄道跡に造られた道を歩きました。左側の石垣は、大正時代、線路が敷設された折に積まれたもの。右下の河原から同じ大きさの石を拾ってきて組んだものらしい。

     形がそろっていることに驚きます。当時のことなので、すべて人力。大変な仕事です。戦後まもなくトラック輸送の発達によって鉄道は廃線に。わずか30年ほど使われただけだったようです。そしていまは、材木自体を伐り出すことがなくなり、人の行き来はありません。伐って売れば何十万とか何百万とかするというヒノキが、放置されたまま。もったいないことです。

     ホトトギスの野生種。かわいい。

     サワグルミの木。垂れ下がっているのが実です。

     こんなに小さい。

     こちらは拾ってきたオニグルミの実。大きさがこんなに違うとは思わなかった。ところで、このオニグルミ、山で見つけたとき、講師の北岡さんが石で叩き割り、中の身を取り出して食べさせてくれましたが、渋みはなくてちゃんとクルミの味がしたので、びっくりしました。クルミは地面に埋めてしばらく置いて渋みをとってしか食べられないと思い込んでいました。

     フサザクラ。数年前、うちの玄関前の石垣の間から生えてきた木に似ています。葉の形がとてもよく似ているのですが、どうなのでしょうか。

     写真中央の三角状のところは、数年前に山崩れのあった場所。両側とは違う植生になっています。北岡さんがおっしゃるには、「山崩れは、自然界にとっては必要なこと。崩れることによってその場所が再生し、森林が新しく生まれ変わるのです。人間は山崩れの起きそうなところに住まないようにするしかない」と。なるほどと、納得したことでした。

      ニホンカモシカがこちらを見ています。私たちがいっせいに足を止めて写真を撮り始めたのに、動じもしません。写真中央の木々の間。まだ若くて白っぽい色をしています。このカモシカ、40分以上あとで私たちがこの道を引き返してきたときも、まだ同じ場所に立っていました。

     左下の赤い橋は鉄橋。ここから向こうはヒノキの原生林で、いまは手つかずの森になっているところ。

      左側のガードレールは、昔の線路を利用したものです。

      愛知、岐阜あたりのみに育っているハナノキ。もとはたくさんあったらしいのですが、いまこの森にはこの太い木一本だけが生き残っています。愛知県の県木はこのハナノキなのですが、実はあまり見かけない木なのです。

     北岡さんの話を聞いて、これまで在来種のハナノキとおもってながめていたうちのハナノキは、アメリカハナノキと在来のハナノキを掛け合わせてできたハナノキだと知りました。がっかりです。

      帰宅してから撮った写真です。右の葉は、阿寺の森のハナノキの葉。左はうちのハナノキの葉です。形からしてこんなに違います。

      
      何十年も前、ハナノキが県の木に指定されたとき、県民に苗が配られたそうですが、その苗は全部、掛け合わせてできた苗だったそう。うちの一本も、どうやらその苗の一つだったようです。

      いま、北岡さんたちは、数少ない在来種である豊田市旭地区の旭高原のハナノキから苗を作り、増やすことを始めているそうです。

      これまで、大事なハナノキだからと、周囲にあるイタヤカエデやカキノキ、ヒバを邪魔に思っていましたが、この事を聞いてから、せっかく大きくなった木ですが、潔く切ることにしました。ほんとのハナノキの苗が手に入ったら、ぜひともどこかに植えてみたいと思います。

       北岡さんの案内で歩く観察会、今回四度目の参加ですが、いつもとても有意義。私の望みは、うちの敷地内にある木々と雑草の名前を全部知ること。今回は、今庭のあちこちに咲いている野菊のちゃんとした名前と、ハナノキの正体を知ることができました。






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三好ケ丘ラヴィマルシェに出店します。

2014-09-07 14:21:23 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
      先月、台風到来のため中止になった三好ケ丘ラヴィマルシェ。来週日曜日に2か月ぶりに開催されます。回を追うごとににぎやかさを増しているイベントですが、今度は、これまでで最高の出店者数になるとか。以下、主宰しているサフランファームの渡邊亜沙子さんのメッセージです。

   「9月はラヴィマルシェ最多の店舗数で皆様をお迎えします(^-^)。

    奥三河three trees+、hana-happa、HOA BINH TABLE、いのはな農園、caffe ancora、木洩れ日の森、なないろ工房、ローゼル楽苑、Wild Berry、kato Plants.、ルパンブティック、nanohanaya、とうふ屋しろ、coffee meter、サフランファーム

    体に優しくて美味しい食べ物、お家に温もりを添えてくれるお花や観葉植物や雑貨が並びます!
   
     今回初出店のWild Berryさんは、愛知県産の材料を使ったプリンやシフォンケーキのお店です(*^^*)。イートインスペースで食べて飲んで、のんびりお買い物を楽しんでください♪」

    日時:9月14日(日)9時~12時
    場所:アールビル裏手駐車場 みよし市 三好丘緑3-1-1
        駐車スペースあります

   私にとっては、先々月の7月27日の福蔵寺ごえん市以来のイベント出店です。ひさびさにみなさんのお顔を拝見できるのが楽しみです。ぜひ、のぞいてください。ただし、発生したばかりの台風の行方が心配ですが。
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昨日と今日作った保存食と保存調味料

2014-09-02 23:34:30 | 手作りのたべもの
    ここ数日、朝夕とても涼しくて、寝るときは夏掛け布団の上に毛布を載せないと寒いほど。もうこたつに電気を入れたという、稲武の知人もいます。

    この夏は夏らしい日が少なかったせいか、何度も大量のトマトを仕入れて、ケチャップやトマトソースを作ったり、キュウリのピクルスを仕込んだりするのに、今年は、トマトソースを一回作っただけ。あとは、なんとなく作る時機を逸していました。

    でも、先日上矢作の道の駅にいったら、小ぶりのキュウリがあったので作りたくなり、やっとピクルスを仕込むことができました。

    今回はいつもと違って、キュウリは塩で10分ほどもみこんだだけ。鍋に同量の水と酢に粗糖を加え、トウガラシ、ニンニク、ローリエを入れて火にかけて溶かした中に、熱いうちにキュウリをしぼって放り込みました。塩水に一晩つけておくより簡単。あと数日で食べられます。

    写真手前は、海苔の佃煮。古い海苔が大量に残っていたので、すべて小さくちぎって、水、酒、醤油、みりん、粗糖、塩麹を煮立たせた中に入れて煮ました。途中だまにならないよう、かき回し続けるのがコツ。

    いつもはこれだけの味付けなのですが、思い立って、先日作ったばかりの、梅シロップの梅入り醤油(写真右)をちょっと、隠し味に入れてみました。すると、海苔のえぐみのような味が取れ、スッキリした味に。成功でした。

    写真左は、ずっと前に作った塩レモン&ユズ。作って半年以上経っているので、小分けしました。こちらは、細かく刻んで、サラダにも浅漬けにも使っています。ユズやレモンの水分が最初から少なかったせいか、エキスらしいものはでていないのですが、しっとりした塩はなんにでも使えて、重宝しています。今度、9月17日におこなう高橋交流館での講習会では、この塩レモン&ユズをつかって、サラダを作ろうと思っています。

       
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映画「Vフォー・ヴェンデッタ」

2014-09-02 11:21:40 | 映画とドラマと本と絵画
    以前、レンタル屋で安売りしていたDVDのひとつ、「Vフォー・ヴェンデッタ」を見ました。

    このDVDを買った理由は、制作・脚本がウォシャウスキー兄弟であることと、もうひとつは、パッケージの写真に、ハッカー集団アノニマスがトレードマークに使っているガイ・フォークス人形の仮面が載っていたこと。

     映画は近未来のイギリスが舞台。独裁性が敷かれ、アメリカは昔のようにイギリスの植民地になっているらしく、ヒトラーを思わせる、独裁者サトラーとその配下が国の牛耳を取っています。人々は羊のようにおとなしく彼らの言いなりになり、反体制派だけでなく、同性愛者、身障者!までが収容所に送られ、新兵器開発のためのモルモットにされて殺されます。

     ヒロインは、反体制派だった両親を殺されで矯正施設で育てられたイヴィー。彼女の最初の危機を救ったのが、ガイ・フォークス人形の仮面をかぶった男、Vです。彼は、政府を倒すために画策しています。
     
     ガイ・フォークスは、400年前、イギリス国王の圧制に反対して、国会議事堂の爆破を企てたカトリック教徒の男。毎年11月5日はお祭りがおこなわれているそうです。彼に対する評価は、いまだにイギリス国内で賛否両論に分かれているとか。ただ、おおむね反権力・抵抗勢力の象徴になっているようです。
    
     アメリカのコミックが原作の、イギリス、アメリカ、ドイツの合作映画。漫画的なところも多々ありますが、真剣にまじめに撮っています。最後は感動的。西欧人が自由を獲得するためにどれだけ苦悩し、苦闘してきたか、ひしひし伝わってきます。そしていまでも、いつこの自由が奪われるかわからないという危機意識も、濃厚に感じられました。

     ただし一つだけ、疑問に思うことが。イヴィーは、丸坊主にされてだいぶ経ってからVに再会したはずなのですが、髪の毛がまったく伸びていません。長い髪のときも丸坊主のときもそれぞれ魅力的な顔立ちの女優でしたが、ちょっとだけ伸びたヘアスタイルの彼女も、見たかった。
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8月のどんぐり工房草木染め

2014-09-02 01:03:47 | 草木染め
8月のどんぐり工房定例の草木染め講習会は、先週月曜日25日に行なわれました。この日、染め材料にしたのは、藍。一昨年、東栄町に住む友人が育てて乾燥までしてくれた大貴重な藍の葉を使いました。

    本藍を建てるのは、大変な作業ですが、この乾燥した葉から青色を生み出すのは、けっこう簡単です。

    まず、藍の葉500gに対して水を1ℓほど入れて15分ほど煮出して液を捨てます。次に、水を800ccほど加えて、火にかけ、そこに還元剤のハイドロサルファイトとソーダ灰を100gずつ入れて、15分ほど煮出します。その液を漉したら、また水を入れて、一回目と同量の同じ薬剤を加えて煮ます。

     液の表面に青い泡の塊のようなものができてきたら、OK。40度くらいになるまで冷まします。

     水に浸しておいた布を入れます。液の中では、布は緑色。5分ほど浸したら、空気に触れさせます。すると、次第に布は青色に。この日は、青になるのが若干遅かったのですが、およそ20分ほどでほぼ青系の色になりました。変わったところで、また液に。最後は酢酸を溶かした水に浸して水洗いすれば出来上がり。まだ緑に近い色だな、とおもっても、酢酸液につけたとたん水色に返信した布もたくさんありました。

     生の藍の葉をミキサーにかけて漉した液でも、美しい水色がでるのですが、この方法だと絹しか染まりません。でも、生葉にしろ乾燥葉にしろ、ハイドロとソーダ灰を入れて仕立てれば(生葉と乾燥葉では仕立て方は異なります)、綿や麻などの植物素材でも美しい色に染まります。

     素材や織り方、液に浸けた時間や順番によって、色の濃さ、色の質がずいぶん違います。

     上の写真の左の大きい布は、参加者の一人が骨董店で手に入れた昔の蚊帳です。ポリエステルではなかろうかとおもったのですが、よく染まりました。たぶん麻なのでしょう。

     この日は、藍のほかに、クワの葉も煮出しました。稲武は昔養蚕が盛んだった土地。あちこちにクワの木が自生しています。写真は、どんぐり工房に生えていたクワ。この日使ったのは、私宅のクワの葉です。

    クワの葉は、今が一番緑が濃いとき。とてもあざやかな黄色が生まれました。クワの葉で黄色に染めてから藍の液に入れて、黄緑色も染めました。

    ひととおり仕事が終わってから、ハチヤガキの青柿を使って、柿渋の叩き染めも、試みてみました。

    うちから持参した、青柿。今年はことのほか鈴なりになっています。

     柿渋は、おろし金ですりおろしてつくります。晒し布で漉した液を葉っぱに塗りつけ、布の上に葉をさかさにおいたら、半紙をのせて拳でたたきます。

     塗り方や叩き方にコツがいるようで、わたしはなかなか上手には行きませんでしたが、こちらはうまくいっています。

     ボウルに残った柿渋を吸い取った布は,美しい茶色に染まりました。

     藍の葉染めは、これまで数回しか行ったことがないので、どうなることかといささか心配でしたが、どれもきれいな青や水色に染まり、ほっとしました。やはり、青はすばらしい。人をひきつける色です。近いうちにまた染めたくなりました。
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