ここ豊科で朝飯をいただく。ハンバーグ弁当に豚汁、桃の缶詰など。
朝食後、涼しい風を受けうとうと・・・・・・・。ハッと気付くとナニーっ!8時20分!?こりゃー寝過ぎだぞ。
でも、今回のブルベは600というよりは400と200 のセットと考え、今この時点で気持ちをリセットし再スタートすればよいと考えていた。
クローズは8時48分、だから20分近く余裕がある。他のライダーは既にだれもおらず、多分湘南自転車オヤジがケツかもしれない(^_^; 8時20分PC5を出発。
途中、昨晩お世話になったペアを抜いた。更にリカンベント氏も抜く。
高出の交差点のマックでマンゴーパッションシェイクをいただく。うまぁ~。
ところで、先程から金属音の擦れる音がたまに聞こえている。なんだろう?
聞こえてくる後輪をチェックすると、一カ所だけニップルが緩んでいた。これが原因か?修繕なり。・・・・問題その1
R19と別れを告げR20へと入ってゆく。ふと嫌な予感が過ぎる。20分余裕で出発しても、もしメカトラブルやパンクで時間を消費したら、マージンがマイナスになるぞ。
そうなると、この600自体が失格となってしまう。
これはまずい。そう思うと塩尻峠までは休んじゃだめだ。自然に力が入る。
おぉ、リカンベント氏発見!さっきのマックで抜かされたに違いない。
峠キロ手前だろうか、左足親指付け根に焼けつくような痛みが走るようになってきた。まずいなぁ~。トルクをかける度に痛みがましてゆく。だめだ、力はかけられない。ここは痛みを爆発させる前にいたわらないと。・・・・問題その2
やがて塩尻峠に到着だ。
なんだか凄く焦ってきた。足切りされたらどうしよう。そう考えると更に焦りが増してゆき、マイナス思考へとどんどん追いやられてしまう。 休みなんかとってられない。
峠からは、スピードを上げ(といっても45キロね)、間違いやすいところを右方面へと確実にシフトしてゆく。
諏訪の市街地に入ると前方に二人のライダー発見!
ありゃま!さっき塩尻市街地で抜かしたペアじゃないの。やっぱりマックの休憩の代償はデカすぎた。
先に行かせていただき、大社前では間違ってはいけない交差点を必ず右折を行い、市街地を進んでゆく。
富士見峠までトイレ以外は不休ですすんでゆく。。
富士見峠着。
休まずいきなり下っていくぞ!今回は完全に昼間なので、交通量は前回と比較し多め。だからなかなか飛ばすことができず45キロくらいでおりてゆく。
おもちろんあの大きなヘアピンカーブもゆっくりとね。
なっなんじゃ? 時折現れる平坦でクランクを回転させると右膝からぴしぴしと今まで経験したことのない激痛が走ってきたぞ。・・・・問題その3
このままやると絶対にストップしてしまう。体のトラブルが一番怖い。痛みがでないよう平坦になったら軽いギアでスピードを犠牲にして進しかあるまい。
昨日のスタート直後の暖機運転不足がいけなかったに違いない。
穴山セブンイレブンがなかなか現れない!少しでもマージンをかせいでおきたいのに。イライラも募り、とうとう「穴山セブンイレブンはまだかよー、こんちくしょー!」と大声で絶叫する湘南自転車オヤジ!全てが狂い始めてきたのか?
行き過ぎてしまったのか?いやそんなことはない!
ようやく穴山橋セブンイレブンに到着。 もう誰もブルベライダーがいないセブンイレブンは、ものすごく淋しい。
K12に入った後はBRM421の時と同じコースをたどればよし。たどればよ・・・・たど・・・・。 様子が変だぞ。
痛恨のコースアウト。・・・問題その4
気がつくと学校の脇に呆然として立ち尽くす湘南自転車オヤジ。
なぜ?どこで?BRM421では暗くてもルートを正しくたどっていたじゃないか。復旧コースはどうしよう。だから時間がないと・・・・・このコースアウトにはずいぶんと凹んでしまった。あの豊科の寝坊とパッションシェイクが今更ながら悔やまれる。
現在、K12とR52の間にいることは間違いない。ならば、復旧プログラムはR52に進しかないだろ。
ナニ?今度は後輪から再び異常な擦れ音が出てきてしまった。しかもトルクをかける度に段々と音がでかくなる。これがハブだとかなりまずい。・・・問題その5
いったん停止し点検した結果、ハブではなさそうだ。今ここで重大メカトラブルが発生すると全てがぱーとなる。
見えない足切りラインの大きな津波が背後から押し寄せてくるような感じがし、焦りだけが肥大化してきている。
地図も見ることなく、本能のままR52の方向を目指し、住宅街を慎重に進んでゆく。そして、ようやくR52に出ることができた。が、まだまだ予断は許さない。
膝の痛みをかばいながら、R52のちょっとしたアップダウンにも難儀し悲壮感が増してゆく。
そして、K12と合流し本来のコースに復旧することができた。
ホッとしたのだろうか、信号待ちで目がいきなりかすんできてしまった。今度は目のトラブルかよ。
いや違う、足切りになるのではないかとの不安感と、ホッとした安心感が入り混じり、自然と涙で目が潤んできてしまったのだ。
自分は精神的に相当辛い状況に追い込まれてしまったようだ。自転車に乗っていて目が潤んでくるなんて人生初めてだ。自転車ってこんなにつらいものなのか?
このような時には、リフレッシュをしないとネガティブな自分を切り離せないと悟った。だからものすごく貴重な時間を割き、道端に座り込みコーラで20分も休憩をとったのだ。
結果、精神的にもだいぶ楽になり、足をかばいながらまだまだ走れる気持ちになってきて、DNFという文字を吹き飛ばすことができた。。せっかくここまで来て600キロのリタイアはありえない!
富士川沿いに出てきたら、かなりの向かい風。無理せず進み、R300へ無事進入することができ、富山橋を渡ったらK9へ右折してゆく。
本日も無事遭難することもなくこのルートに入ることができ、これもまたホットした。
富士川沿いをゆくこの路は、最後にきて軽くアップダウンがジャブを食らわしてくれる。
観光地化された身延市街地を抜けるとお約束の上りがあり、これをクリアして内船市街地を抜けてゆく。
そして、最後の上り8%のコンニャロ坂をクリアし、コンニャロ峠に。この標識を見ると今回のコースの本格上りは終了だ。
よかった・・・・・・。阿南町のあれと比べたらコンニャロ峠は赤ん坊みたいなものだ。
田舎道をスピードも上げられないまま駆け抜け、芝川の第7PCサークルK芝川店に18時近くに到着。
ようやくラストステージに突入することができる。
女性を含むライダー三人が出ようとしていた。念のため、H多i手さんグループの動向を聞いてみると、まだ後ろにいるらしい。
しばらくすると、入れ替わりでやってきた。これには涙がでるほどうれしかった。
多分抜かされるから先に出発。
富士川を渡り K396→R139→K380 へ進む。案の定、二人にパスされた。
湘南自転車オヤジには追っかけてゆく力などもうない。だんだんと小さくなってゆく尾灯を見つつ、22キロ程度のペースで進んでゆく。
沼津までの松林通りは長く、意外にも暗い。車が来ないと左側の縁石が全く見えないのだ。ここで自爆は絶対に許されん!
沼津市街地にようやく入り、わざと遭難してからR414に入る。
最後に気を引き締めて20時24分遊泳場にゴールイン。
本部の戸を開け「ただいまです!」
正直言って今回は辛かったです、へばりました。湘南自転車オヤジにとってあまりにも300や400とレベルが違い過ぎました、全てが。
こうして長くて熱い40時間の走りは、無事完走という結果て終わり、また一つ自分の人生に新たなる歴史が刻まれたのでありました。
でも、 湘南自転車オヤジ気でも狂ったか何言ってしまったんだろう、帰り際に、「ありがとうございましたm(__)m今度は九月にまた来ます」と言ってしまい、i手さん「長野はきっついわよ~」 と。
完結
後記
スタッフの皆さん、精力的に大会を運営していただきありがとうございました。
自分ひとりでは絶対に600キロを40時間以内で走ろうなんて気はおきません(^^;
ブルベならではなんですよね。今後ともよろしくお願いします。
また、パリにいかれる方はお体に気を遣い、頑張ってきてください。
皆様の完走をお祈りしております。