梅雨の晴れ間、夏本番を思わせる暑い1日。
こんな日は、涼しい美術館や劇場でのんびり過ごすに限ります。
そこで、知人から先日おしえてもらった新しい美術館の下見に行くことに。
つい5日前、七夕の日にオープンしたばかりのBBプラザ美術館。
ルノワールやユトリロ、マリー・ローランサンらの油彩画を中心に、
ダリの彫刻、また日本画の小倉遊亀まで、
小規模ながら粒ぞろいの名品が展示されておりました。
もちろん下見ですから、
■駐車場の有無 ■トイレの位置や個数 ■エレベーターの位置 なども当然チェック。
けれども実は、その辺りの情報は、ホームページや電話で分かることがほとんど。
それならなぜ、わざわざ下見が必要かというと…
事前にお客さまに伝えておくべき「ひとこと」を見つけるためです。
思い描くイメージと現実との間には多かれ少なかれ、たいていギャップがあります。
そのギャップをちぢめる適切なひとことを、車内でお客さまに伝えておく。
これがあるのとないのとでは、第一印象が大きく変わるもの。
そしてこれだけは、電話でもホームページでも分からない。
それを一番思い知らされたのが、去年の夏のツアー。
出石(いずし)の町に数十年ぶりに復活した芝居小屋、
「永楽館」でのこけら落とし歌舞伎公演でした。
こけら落としのため、事前の下見はできず、電話で情報収集。
トイレや館内の設備など、ひととおりのことは聞いていたのですが…。
当日ふと不安にかられて、出石へと向かうバスの中から電話をしました。
「えーっと、もちろん空調は効いてますよね?」
するとなぜか先方、
「いや、空調と言いましても…」と、もごもご。さっぱり要領を得ない。
よくよく聞いて判明したのが、館内には大型のエアコンがないということ。
けれども、どうやら「昔ながらの空調」はあるらしい。
えー、昔ながらの空調ってなによ?
ご存じでしょうか。
内陸に位置する出石市は、兵庫県内でもっとも気温の上がる町。
そして、季節は8月。
車窓から見る出石の町は暑さでゆらめいていましたが、
お客さまは当然、館内は涼しいと思っているはず。
あわててマイクを握りました。
「最近のホールは空調が効きすぎて寒いことが多いですが、
永楽館は昔ながらの芝居小屋ですので、空調も昔ながらのものだそうです…」
我ながら要領を得ない、不安をあおるだけの説明。でも、ないよりマシ。
ドキドキしながら木造の小屋に入ってわかりました、正体が。
ところどころにドデンと置いてある氷の塊。
(よく動物園の白熊がもらっているアレですね)
その後ろでは扇風機が首をふり、気持ちひんやりした風がそよそよと…。
これが、「昔ながらの空調」でした。
この日の教訓。
夏の劇場と美術館が涼しいとは限らない。
さて、最新のビル内にオープンしたBBプラザ美術館。
館内では冷房がガンガンに効き、しばらくいると寒くなるほど。
これなら車内で言うべきひとことは、「上着を一枚お持ち下さい」でOKです。
こんな日は、涼しい美術館や劇場でのんびり過ごすに限ります。
そこで、知人から先日おしえてもらった新しい美術館の下見に行くことに。
つい5日前、七夕の日にオープンしたばかりのBBプラザ美術館。
ルノワールやユトリロ、マリー・ローランサンらの油彩画を中心に、
ダリの彫刻、また日本画の小倉遊亀まで、
小規模ながら粒ぞろいの名品が展示されておりました。
もちろん下見ですから、
■駐車場の有無 ■トイレの位置や個数 ■エレベーターの位置 なども当然チェック。
けれども実は、その辺りの情報は、ホームページや電話で分かることがほとんど。
それならなぜ、わざわざ下見が必要かというと…
事前にお客さまに伝えておくべき「ひとこと」を見つけるためです。
思い描くイメージと現実との間には多かれ少なかれ、たいていギャップがあります。
そのギャップをちぢめる適切なひとことを、車内でお客さまに伝えておく。
これがあるのとないのとでは、第一印象が大きく変わるもの。
そしてこれだけは、電話でもホームページでも分からない。
それを一番思い知らされたのが、去年の夏のツアー。
出石(いずし)の町に数十年ぶりに復活した芝居小屋、
「永楽館」でのこけら落とし歌舞伎公演でした。
こけら落としのため、事前の下見はできず、電話で情報収集。
トイレや館内の設備など、ひととおりのことは聞いていたのですが…。
当日ふと不安にかられて、出石へと向かうバスの中から電話をしました。
「えーっと、もちろん空調は効いてますよね?」
するとなぜか先方、
「いや、空調と言いましても…」と、もごもご。さっぱり要領を得ない。
よくよく聞いて判明したのが、館内には大型のエアコンがないということ。
けれども、どうやら「昔ながらの空調」はあるらしい。
えー、昔ながらの空調ってなによ?
ご存じでしょうか。
内陸に位置する出石市は、兵庫県内でもっとも気温の上がる町。
そして、季節は8月。
車窓から見る出石の町は暑さでゆらめいていましたが、
お客さまは当然、館内は涼しいと思っているはず。
あわててマイクを握りました。
「最近のホールは空調が効きすぎて寒いことが多いですが、
永楽館は昔ながらの芝居小屋ですので、空調も昔ながらのものだそうです…」
我ながら要領を得ない、不安をあおるだけの説明。でも、ないよりマシ。
ドキドキしながら木造の小屋に入ってわかりました、正体が。
ところどころにドデンと置いてある氷の塊。
(よく動物園の白熊がもらっているアレですね)
その後ろでは扇風機が首をふり、気持ちひんやりした風がそよそよと…。
これが、「昔ながらの空調」でした。
この日の教訓。
夏の劇場と美術館が涼しいとは限らない。
さて、最新のビル内にオープンしたBBプラザ美術館。
館内では冷房がガンガンに効き、しばらくいると寒くなるほど。
これなら車内で言うべきひとことは、「上着を一枚お持ち下さい」でOKです。