銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

本日は啓蟄なり

2021年03月05日 | のほほん同志Aの日常

今朝、駅へと歩く道のりで、一瞬、足が止まりました。

ここ数日、みるみるうちにつぼみが膨らんでいた裸の街路樹。
毛皮を着込んだうずら卵ほどにも膨らんだツボミを見ながら、
そうかなぁ、と思いつつ、自信がなかったのですが、
今日、そこからこぼれでた白い花弁に、やっぱり、と思いました。

モクレンです。

モクレンが咲きはじめました。

旅行業を長らくやっている身には、
モクレンが咲けば、ぴりりと気持ちが引き締まります。
このあとは一気に、桜が咲き、桃が咲き、芽吹きがあり、
ゴールデンウィークが始まり、藤が咲き、新緑となり、
…と息つく間もなく忙しくなる季節。

その忙しさに息切れしそうになった春もあったのですが、
でも、去年のあの春を経験して思うのは、
忙しいほうがいいに決まっているということ。

そして、今年がいつもの春と違うのは、
例年なら1月、2月は閑散期。
だからこそ、少しなまった体には、
忙しい日々の始まりを告げるモクレンが、
ちょっと恐怖であったりもしたのですが…。

「2月がいちばん、忙しかったですね」
「ほんと、あっという間だった」

先日、一応この冬のラストランを飾る「弁当販売」の日に、
しみじみと声がもれました。

毎週のように手を変え品を替え取り組んだ弁当販売。
まぁ、とにかく忙しかったのです。
そしてそれは、間違いなく、いいことでした。

その意を強くしたのは、最近読んだ本のなかで、
まったく似たような状況の描写に出lくわしたからです。

人類で初めて南極点に到達したノルウェー人探検家アムンセンが、
2年に及ぶその苛酷な探検の、
一部始終とはいいませんが、かなりの部分を記録した『南極点』。

あまりの面白さに夢中で読んだのですが、
そのなかに無事、南極点到達、そして基地への帰還を果たして、
いよいよ南極を去る船のなかでの感慨が記されます。

  この旅でわれわれは二年間共同生活をしてきたのだが、
  その間ずっと、時間を滑らかに経過させ、
  われわれ全員の活力を常に最高に保たせるうえで、
  絶大な貢献をしたのは、死んだ期間とでもいうものが全くなかったことだ。
  仕事がひとつ片付くと、次の仕事がすぐに現れた。
  ひとつの目標を達成するや次の目標が向こうで手招きしていた。

  こんなふうに我々はいつも多忙だった。
  そして多忙だと、だれも知っているように、時間は飛ぶように過ぎる。


自身も、忙しさのまっただ中にいた2月。
アムンセンの言葉は、実感をもって響きました。

そしてその忙しさは、ただ座って待っていたのでは
決して訪れなかったということも。

今日3月5日は、啓蟄とのこと。
土のなかで、虫たちがもぞもぞ動き出すように、
私たちも忙しい2月の日々のなかで、
きっと、来たるべき春の準備をしていたのですね。

 

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