ATSUー歴女(おばさん?)のひとりごとー

見たこと・聞いたこと・ちょっと調べたこと,気ままに「My 日記」として書いています。

「錦絵はいかにつくられたか」(国立歴史民俗博物館2009年図録より)

2017-10-14 15:09:41 | 日記 本
最近,北斎など浮世絵に関するテレビ番組が多いですね。

そこで,歴博当番の合間にこの図録を見ていました。

第一部 絵双紙屋
浮世絵版画には2種類,
版本:本の形態と
それ以外の一枚絵があります。
錦絵は一枚絵のうち,
明和2年(1765)以後に確立された多色摺技術を用いて摺られたもの
しかも市販されているものをさすことばです。

錦絵は,
版元である地本問屋(じほんどんや)の出資のもと,
絵師が原稿である版下(はんした)を描き,
彫師が版木を彫り,
摺師(すりし)が摺るという分業によって生み出され,
広く江戸市中で販売される商品のことです。

版元である地本問屋で販売するものもありますが,
絵双紙屋(えぞうしや)の店頭で市販されます。

地本問屋は,錦絵,草双紙,浄瑠璃の稽古本など大衆刊行物
また,商家の引札(ひきふだ:宣伝ビラ)も作成しています。

絵双紙屋は小売で,盛り場などで売っています。
多角経営をしており,小間物や薬,化粧品なども販売しています。


第二部 錦絵出版事情  ー世相と風刺ー
版元はつねに人々の関心をひく題材を探し求めていました。
購買意欲をかきたて,錦絵の売り上げを高めるためです。

人気役者を描く役者絵,
流行の装いで着飾った女性を描く美人画,
江戸末期になると,
「死絵」:人気役者の死を悼むものです。
見世物や寺社の開帳,集客がある催しを画題にしました。

〈土蜘蛛の衝撃〉
歌川国芳「源頼光公館土蜘作妖怪図」
これは衝撃を与えました。
天保の改革を風刺し,
風刺画が一つのジャンルになりました。

〈鯰絵〉
安政2年(1855)10月2日,安政の大地震の浮世絵です。
版元名も絵師名も欠くものが多いです。
速報性が重要で,
出版不許可を恐れるため,検閲を受けませんでした。


第三部 版木からみる錦絵
版木が残ることはまれです。
商品力がなくなりと,かんなで削られ,別の錦絵を彫る版に再生されるためです。

主版(おもはん:墨版(すみはん)ともいいます。)と
色版があります。


第四部 錦絵を科学する


え?
これって,先日の「英雄たちの選択」でやっていたことと同じです。
というか,
国立歴史民俗博物館が国芳の幻の浮世絵を再現していたんですよね。
国立歴史民俗博物館が以前の企画展示の際にしていたことを
「英雄たちの選択」で紹介したということです。


さあ,たまった浮世絵関係の録画を1週間ほどかけて見ていきましょう!
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