中国でモルモン教会がどのように受け止められているか、ひとつ
の試みとして中国語の検索エンジン雅虎(yahu)と百度(baidu)で
キーワード「摩門教」で調べてみた。
すると原理主義的モルモン教派とlds教会を区別しない記載が多
いためではあるが、驚いたことに最初の5ページ(50件)で5
割から6割が否定的・批判的内容と多妻実施の分派のニュース記
事で占められていた。そういった記事では邪教、異端、あるいは
もっとひどい形容詞が枕詞のようにかぶせられていた。
英語のメディアでは、モルモン教会(Mormon Church)と言う場合、
ソルトレークシティに本部を置く末日聖徒イエスキリスト教会を
指し、他の分派はそれとわかるように名称の用語が使い分けられ
ている。しかし、中国語ではまだ多くの記事で「摩門教」が共通
して現れ、原理主義的分派(FLDS)とごっちゃに表記されている。
そのためそのような記載を見る読者(中国市民)は、モルモン教
会に対して大変悪い印象を持っていることが予想される。ちょう
ど明治期日本の新聞がこぞってモルモン教会の到来に懸念を表明
したのに似ている。当時は多妻廃止から十年そこそこであったか
ら無理からぬ状況であった。
まだ近くに実際に目にすることがないため、一体どんなものなの
かという問い合わせと回答という形の記事や百科事典の項目とし
ての記事も目にとまる。中立的な紹介や大管長交代、ソルトレー
クシティの紹介などの見出しも見える。しかし、件数は多いとは
言えない。
間もなく中国へ向かうが、長期滞在の場合、自分の宗教に触れな
いですますことは難しい。上記のような状況にあって、宗教につ
いて話すのは慎重でありたいと思う。またよく説明できるように
準備する必要を痛感している。
--- --- ---
見出しの例
「美国“摩门教末世圣徒教会”教主被捕」
これは多妻を実施している原理主義的分派の指導者が逮捕された
ことを伝えるニュースの見出しである。
の試みとして中国語の検索エンジン雅虎(yahu)と百度(baidu)で
キーワード「摩門教」で調べてみた。
すると原理主義的モルモン教派とlds教会を区別しない記載が多
いためではあるが、驚いたことに最初の5ページ(50件)で5
割から6割が否定的・批判的内容と多妻実施の分派のニュース記
事で占められていた。そういった記事では邪教、異端、あるいは
もっとひどい形容詞が枕詞のようにかぶせられていた。
英語のメディアでは、モルモン教会(Mormon Church)と言う場合、
ソルトレークシティに本部を置く末日聖徒イエスキリスト教会を
指し、他の分派はそれとわかるように名称の用語が使い分けられ
ている。しかし、中国語ではまだ多くの記事で「摩門教」が共通
して現れ、原理主義的分派(FLDS)とごっちゃに表記されている。
そのためそのような記載を見る読者(中国市民)は、モルモン教
会に対して大変悪い印象を持っていることが予想される。ちょう
ど明治期日本の新聞がこぞってモルモン教会の到来に懸念を表明
したのに似ている。当時は多妻廃止から十年そこそこであったか
ら無理からぬ状況であった。
まだ近くに実際に目にすることがないため、一体どんなものなの
かという問い合わせと回答という形の記事や百科事典の項目とし
ての記事も目にとまる。中立的な紹介や大管長交代、ソルトレー
クシティの紹介などの見出しも見える。しかし、件数は多いとは
言えない。
間もなく中国へ向かうが、長期滞在の場合、自分の宗教に触れな
いですますことは難しい。上記のような状況にあって、宗教につ
いて話すのは慎重でありたいと思う。またよく説明できるように
準備する必要を痛感している。
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見出しの例
「美国“摩门教末世圣徒教会”教主被捕」
これは多妻を実施している原理主義的分派の指導者が逮捕された
ことを伝えるニュースの見出しである。
上海のJulianです。
ブログは拝見しておりましたが、初めてコメントさせていただきます。(昨日まで旅行にでており、記事から3日遅れのコメントとなりましたが。)
中国人の教会観をみる一つの事例として、最近中国メディアに取り上げられたあるニュースをご紹介します。
今年5月中旬、オバマ大統領が米国の駐中国大使としてハンツマン(Jon Meade Huntsman)の任命意向を発表した翌日、中国の新聞各社は一斉にこれを第一面で報道しました。各社の記事はハンツマンがモルモン教徒であることを含め、その経歴や私生活などを紹介し、政治的な将来性を高く評価しています。これらに記述される教会は特にネガティヴなものではありません。記述されていた典型例を簡単に列挙すると以下のようになります。
プライベートな側面では、彼がモルモン教徒であること、父親が著名な企業家・教会幹部・慈善事業家であること、本人も台湾での伝道および駐在経験があり洪博培という中国名をもつこと、流暢な中国語(北京語)を話し、古典を含む中国文化に精通していること、中国人とインド人の子供を養子にとっていること、などが紹介されている。
政治的経歴としては、現職のユタ州知事であること、若くしてレーガン政権スタッフとして働き、父ブッシュ政権では東アジア担当の商務副次官、駐シンガポール大使を経験していること、父が創業した世界最大級の化学企業集団を背景に莫大な資産を有していること、共和党員でありながら、昨年大統領選における党大敗から、右から中道へのシフトを主張して存在感を増していること、49歳という若さから大きな政治的将来性を秘めていること、また推測として民主党オバマ政権が共和党員のハンツマンを今回の重職に任命したのは、3年後の大統領選で競合することを懸念し、彼の出馬を封じることも狙いであったのではないかという見方も示している。
このように、ハンツマンが中国通であること、政治的将来性の極めて高いことに加え、米国では大使任命に際して大統領自ら会見を開くことは、同盟国以外では前例がなかったことが中国メディアの注目を高めたとみられる。いずれの記事も彼のモルモン教徒としての背景や宣教師としての経歴に大きく触れているが、教会に関してネガティヴな論調は見当たらない。むしろ中国の孤児を養子に迎えたこと、父親が慈善事業家であることと共に記述されていることから、どちらかというと中国人読者には好感をもたれる扱いであったという印象を受けた。
以上
ハンツマンユタ州知事が米国の駐中国大使に任命された時、それがどのように中国で報じられたか大変重要な点を教えていただき感謝いたします。
Julianさんの記述を読んでほっとしました。じょじょに変化していくのだろうと思います。私も1年間ですが、ハルピンで日本語講師として赴任するため明日出立することになりました。Julianさんのような先達に続いて、(中国のモルモン教会観が私の記事のとおりであるとすれば)変化の一助になればと思っています。