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ノーマン・メイラー 逝去

2007-11-14 00:39:35 | モルモン教関連
23年前、メイラーの’80年ピュリッツァー受賞作「死刑執行人
の歌」を読んだ。それは当時ニュージャーナリズムと言われた
作品に関心を持っていたのと、アメリカで10年ぶりに死刑がユ
タ州で執行されたギルモアがモルモン教徒であったからだった。
しかも読んでいて私と家族がプロボにいた時期と一部重なって
ゲーリー・ギルモアが同じ地域にいたことがわかって深い衝撃
を受けたのであった。(ただ、読むうちにギルモア自身も父親
が家庭をかえりみないため、荒れすさんだ家族の犠牲者である
ことがわかった。)

文学者メイラーはこの長編ノンフィクション作品の中で、モル
モン教徒について、律法の文字にとらわれて現代のパリサイ人
のようなところがある、ブリガム・ヤングの「血を流す者は血
をもって償わなければならない」(血の贖い)と言った考え方
がまだ息づいている、と批判し、また他方若い青年男女を世界
に派遣する独自の伝道制度や、教徒の家を定期的に訪ねる家庭
訪問の活動などを随所に詳しく描いている。マーク・トウェイ
ンが昔ユタを訪れてルポルタージュを残しているのに似ていて
興味深い。

ノーマン・メイラーは昨年「どの国よりも強力なはずの米国が、
まるでいじめっ子のように行動しているのは醜い」と語り9.11
同時多発テロ後の米国を冷めた目で見つめている。


ニュー・ジャーナリズムは今日「文学的ジャーナリズム」と呼
 ばれている。
Norman Mailer, “The Executioner’s Song,” 1979, Arrow Books
沼野治郎「ニュー・ジャーナリズムの特徴」1985(沼野「私が
 接した言葉とその文脈」1999年徳山大学叢書所収)
「米、全体主義的な危険」作家メイラー氏に聞く 朝日新聞2006/9/9


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