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「末日聖徒イエス・キリスト教会(通称モルモン教会)は遅れて登場した真面目なプロテスタント - - 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の担い手 - - と観ることができるのではないか。」(高山眞知子、2013.02.16 東京)
[解説] これは19世紀初め米国東部に興ったモルモン教を、16世紀に端を発したヨーロッパのプロテスタンティズムと比較して、類似点を認めた観察である。マックス・ウェーバーは「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で、そこには職業(calling、天職)を使命であるかのように励む倫理観があり、職務遂行の精神、合理主義が生まれ、そして結果として利潤獲得の正当化が行われているのを観ている。またその過程には冷静な克己心と節制、万般のことを立派に勤める習慣が作用していた。
モルモン教徒は当初から勤勉の倫理を含むピューリタンの伝統を継いでいて、実際的感覚に優れている。今日実業界、産業界で活躍する教徒が多い。この特性は、ロドニー・スタークが着目し指摘しているモルモンの成功の基盤に通じる要素であろう。
なお、興味深いことに現在中国で信徒数が急増している家庭教会も、そのようなプロテスタンティズムの精神に惹かれて加入する層が数多くいるという。
復元イエス・キリスト教会について興味がありますが、この記事とは直接関係してきません。
プロテスタントは抗議する宗教ですが、その時代の宗教的主流派に対抗すると言う点では似てます。
私の知っているプロテスタントもカトリックも、モルモンのような資本主義を是としません。モルモンは慈善をするにも、まずは経済的自立や勤労を説きますが、一般的キリスト教会は、金銭蔑視の傾向があり、信徒は経済に無知であり、関連団体も稼ぐ事をしません。
自ずと貧窮してきますが、それでも寄付が前提であり、聖職者は学校の教職者と同じように、教える事に徹底従事してます。
今の日本の一般的プロテスタントは、会員数減少や高齢化に悩まされており、モルモンも他もそこは似た状況です。
主要な既存教団や教派の多くが、政治的にも左寄りで政治色が濃く、施し好きであって活動したいのに金銭蔑視を以って弱者の見方をしたがために、自分で自分の首を絞めてます。
勤勉さや職能の高さ、教育の重要性を軽視するのは、全体の生産性や質の低下を招きます。しかし、キリスト教の本質を「無学で身分の低い捨てられたような下層階級に向けられたもの」と解釈すると「愚かなカモメ」にしてくれるので、集客には好都合でした。
ところが、それに対してモルモンは、アメリカそのもの良い経済文化と価値観を持っているので、歴史的にも新しい教会ですが、資本主義思想を持つ対抗的教会と言えます。
怠惰なレーマン人から粗暴性を除去し、共産化したのが一般的プロテスタント、勤勉で真面目に効率的に働き稼ぐのがモルモンと言えます。
モルモン信徒の多くは論理思考が出来ますが、一般的クリスチャンは感情論で捲し立てます。
初期モルモンの開拓者精神が、アメリカモルモンから日本のモルモン信徒に伝搬し、それが今なお残ってます。
モルモン信徒は日本人離れしたディベート術や交渉術を持っており、物言いは明白性を好みます。
神学論争で一般的プロテスタントVSモルモンでは知識量でプロテスタントが勝ちます。日常生活で必要とされる実用的、実務的議論ではモルモン圧勝です。
部分的と題したのは、教派は多く、それぞれに特徴があり性質が違うからです。
反知性主義もあり、そのような教会は、信徒は無知になり、聖書原理主義に傾倒してるかのような教会もあります。
勤勉性は忌避すべき銭の元なので奨励せず、信徒は貧しくなり反知性主義も手伝って、教育水準は下がり生活水準も下がります。
モルモンに見られるような経済的価値観や、勤勉性と利潤と言うのは軽視と言うより蔑視や忌避される傾向があり、経済成長にも否定的です。
国全体が衰えると愚かなカモメに共産主義を足したような宗教が正しいと見做され、立ち直る途上と回復後はモルモンに見られる自由経済や、勤勉性を重視する考えが是とされると思われます。
本当は事態はそんなに単純ではなく、実はモルモン側にも重い問題が山積なのです。それでも認識を新たにすることができました。・・・第三者の大局観、つり合いの取れた見方に接して勉強になります。
プロテスタント、モルモン両サイドに対する観察に基づく元モルモンさんのコメントを有難く思います。