聖書ほどではないが、モルモン書も「字義通りの直訳調」のものから「意味を移すことに重点をおいた敷衍訳」まで、幾つかの版が出始めている。ただ、聖書の場合と比べてあまり知られていない上に入手しにくい状況にある。以下、簡単に紹介してみたい。
1 「モルモン書」1981年版。
現在、教会が公式に認めているもので、1981年に著作権が確定されている。
2 「復元教会版 モルモン書」1966, 1973年出版。
頻出する And it came to pass という表現を減らして、20%を残している。
3 「読者のためのモルモン書」Robert A. Rees, Eugene England 編、2008年。
Claudia L. Bushman ら6人の研究者・学者が解説を添えている。
4 「モルモン書 マックスウェル研究所 学習版」Grant Hardy 編、2018年。
2003年のG. Hardy 編を踏襲しているが、Royal Skousen の批評本文を参照した脚注を添えるなど、学習の側面に焦点を当てている。
5 「モルモン書 読書家版」Grant Hardy 編、イリノイ大学出版、2003年。
段落毎に見出しを加え、韻文は韻文らしく印刷され、編者の説明が脚注に載るなど、読者に親切な版を心掛けている。
6 「読みやすい モルモン書」Lynn Matthews Anderson、Estes 書店, 1993年。
1~5と違って本文を易しい英文に書き換えている。若者でも読めることを目指す。
7 「簡明な英語版 モルモン書」Timothy B. Wilson, 1993年。
読みやすいという感想が寄せられていて好評。実際読みやすい現代英語になっている。
8 「現代の啓示 易しく書かれたモルモン書」Thomas Johnson, 2005年。
丁寧な意訳。立場は批判的なリベラル。参考資料を多く揃え、モルモン書は文学書(metaphor)として受けとめるべきだという。
9 「現代人が好きに語るモルモンの書」Michael Hicks, 2016年。
書き手はBYU音楽の教授(1985-2020)、詩人。思い切った書き換え。しかし、書名が与える印象と異なり、誠意を感じさせる。
来年の話をして笑われそうだが、来年は教会が日曜学校を中心に全体でモルモン書を学ぶ年に予定している。そこで2024年はこのブログでBofMについて学究的、客観的視点から種々の点について扱えたらと希望している。(FBの方はこれまで信仰の視点の範囲で書いているので、私にとって心理的に相当の努力を求められることになる。)
[註] 上記9点の書名は英語で次のとおり。
1 “The Book of Mormon - - Another Testament of Jesus Christ” LDS Church, 1985
2 “The Book of Mormon” Foreword by Marcus Bach, Independence Press, 1966, 1973
3 “Reader’s Book of Mormon” Ed., by Robert A. Rees, Eugene England, 2008
4 “The Book of Mormon - - Another Testament of Jesus Christ” Maxwell Institute Study Edition, Grant Hardy, Editor, 2018
5 “The Book of Mormon” A Reader’s Edition, Edited by Grant Hardy, University of Illinois Press, 2003
6 “Easy-to-Read Book of Mormon” by Lynn Matthews Anderson, Estes Book Company, 1995
7 “A Plain English Reference to the BOOK OF MORMON” by Timothy B. Wilson, Bonneville Books, 1998
8 “Modern Revelation - - The Book of Mormon Concisely Translated into Plain English” by Thomas Johnson, WisdomSeed Press, 2005
9 “The Street-Legal Version of Mormon’s Book” by Michael Hicks, Tame Olive Press, 2012
素晴らしいリストの紹介ありがとうございます。
このあたりはAI翻訳といえど、細かなニュアンスは表現できないのでしょうね。
英語勉強するしか。。以前のユニットでは”Book of mormon”
を読んでいる兄弟姉妹が複数いました。
“我子よ、心を用ひて靑年の時智慧を得よ。”
モルモン經アルマ37:35
若人の皆さん是非。
ですから、皆さんも同じように、私たちが持っている最も正しい聖典の一冊を祈りながら研究することをお勧めします。それは、主が私たちに差し伸べてくださった命綱なのです。
しかし、その内容に基づいて行動しないのであれば、何の役にも立ちません。行いをすれば、教義を知ることができます。
今日、私たちが普遍的に教義を知らないのは、私たちがあるべき姿で生きていないからではないか、と私は思います。教義を理解することは、教義を生きることと結びついています。
生きれば生きるほど、教義を理解することができるのです。(ヨハネ7:16-17)しかし、生きなければ生きないほど、教義を理解することは難しくなります。
ついには、デセレット・ブック出版社のように、モルモンの語彙の皮をかぶったロマンス小説、「霊感」もどき、そして、歴史小説以外のものを提供することができなくなるのです。
俗受けを狙った表面的なものは、読者の心を満たすというよりも、読者の気を引くものです。
分かち合ったりすることで何か良いことを成し遂げられると思わせて、実は、もっと良い過ごし方があったかもしれない日々を送らせているのです。
」
モルモン書に基づいた生活、人生ということで、どれだけ深く取り組んでいるか?!と・・
ネット上の評しか読んでいませんが、こき下ろすわけでもなく、持ち上げるでもなく、
ちゃんとエンターテインメントとして仕上がっていると。
そもそもサウスパークが教会を取り上げてくれたことがすごいと思っています。
サウスパークは品は別として現実的で風刺的でジャーナリズムさえ含んだメデイアだと思っています。
話がそれましてすみません。私は英語ができないのです。
Kindle版 (電子書籍)¥325だったので買ってみました。
A Plain English Reference to the Book of Mormon (English Edition)
英語版
Timothy B. Wilson
5つ星のうち4.6
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上位レビュー
james
5つ星のうち5.0 素晴らしい
2013年2月10日に英国でレビュー済み
Amazonで購入
私はこの本を興味を持って購入した。末日聖徒教会の会員でもなく、ただモルモン書を読むことに興味があるだけです。
翻訳は一種の「朗報翻訳」、つまりはるかに読みやすく理解しやすい言語です。
米国のアマゾンサイトの査読者の一人が指摘している批判は、
各章には聖句の表示がないということです。
ページの一番上には、モルモン書の中で実際の「節」がどこにあるかを示す聖句の標識があります。
したがって、この本はどちらかというと小説のように読めますが、
(良いニュースの聖書によくあるように)テキストの中の節は、本をさらに良くしたと思います。
Janna
5つ星のうち5.0
2014年8月20日にカナダでレビュー済み
Amazonで購入
すごい、すごい、すごい!私はどうしてもKJVを把握することができません。
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冒頭部分DeepLしてみました。
注:の部分参考になりそうですね。
1 - Nephi writes of his father, Lehi
I Nephi, was born to good parents who saw that I was educated in the way my father had been.
I have experienced many afflictions in my days.
But I have always been highly favored by the Lord, and I have received a great knowledge of His goodness and mysteries.
Because of these things, I now make this record of my life. I am writing as my father does—using the Egyptian language (hieroglyphics), but writing according to our Jewish learning.
I know this record is true, which I engrave upon metal plates I have made.
Note: Nephi engraved this record on small plates in 570 BC, thirty years after leaving Jerusalem.
1 - ニーファイが父リーハイについて書いている。
私はニーファイ、良い両親のもとに生まれ、父と同じような教育を受けることができました。
私は日々、多くの苦難を経験した。
しかし、私は常に主から高い好意を寄せられ、主の善と神秘について大きな知識を得ました。
このようなことから、私は今、自分の人生を記録しています。
私は父と同じように、エジプト語(象形文字)を使いながら、ユダヤの学問に従って書いています。
私はこの記録が真実であることを知っており、それを私の作った金属板に刻みます。
注:ニーファイがこの記録を小版に刻んだのは紀元前570年、エルサレムを出てから30年後のことである。
ウィルソン、ティモシーB. A Plain English Reference to the Book of Mormon (p.1). Cedar Fort, Inc. Kindle 版。
京スリコのマグカップより安い!ぜひ
今や世界一の裕福なキリスト教団となった末日聖徒。
様々な風刺や批判は有名税でしょうか。
ブロードウェイミュージカルの古典「『ウエスト・サイド・ストーリー』
も最初はカトリック教徒とユダヤ教徒の軋轢を描いた『ロミオとジュリエット』が下敷きなんだとか。
https://www.udiscovermusic.jp/stories/west-side-story-the-genesis-of-a-musical
アマプラやネトフリでも「モルモン」のワードは結構出てきます。
多くは一夫多妻や真面目すぎることのいじりですが;;
https://www.youtube.com/watch?v=hNSZlncyX8k
こちらで小劇場?的な動画見れます。スペイン語かな。
日本語字幕付けられます。
素晴らしい!
ぜひ日本でも公演してほしい!!
ブロードウェイのロングランで日本に来てないのは
「The Book of Mormon」くらい。
ぜひ日本人宣教師を入れて公演を!
Kajiチャンネル -加治将一-
900 回視聴 54 分前
」
https://www.youtube.com/watch?v=4qvWk-7_HpQ
「12 これは、彼らが不信仰になり、また闇の業と好色とすべての罪悪に陥るからである。わたしはあなたに言う。彼らが非常に大きな光と知識に対して罪を犯すからである。まことに、言っておくが、その日から第4世代の人々が全員世を去る前に、この大きな罪悪が起こるであろう。
・・
16 そして、アルマは言った。「主なる神は言われる。『地は、まことにこの地は悪を行うあらゆる国民、部族、国語の民、民族に対してのろわれる。悪が完全に熟すとき、彼らは滅びるであろう。』必ずわたしが言ったようになる。これは神が地に下されたのろいであり、祝福だからである。主はほんのわずかでも、罪を見過ごしにされることはないからである。」
」 アルマ45
茶化されたりパロディにされてもよいのではないかと思います。
そういったものを受け入れられるほうが、寛容かと思います。
かつて渋谷のインスティテュートには、ザイオンという
自主グループがあったかと思います。歌だけでなく劇も
やっていたかと思います。そういう人がいれば日本での公演も
ありかもしれません。
インスティテュートの冬期講座「信仰の遺産」で、ある講師に
佐藤龍猪訳モルモン経の次のモルモン書は誰が翻訳したのかを
尋ねましたが、その講師は答えませんでした。
公式なモルモン書を読んで聖霊との交わりを通して理解を深める
という基礎を積んだ上でなら、さらなる理解を深めたり
新しい見解を得るという面で、モルモン書の諸版は
有益なもののように思います。
ただ日本語という点では、幼少期にほんの少ししか読んだことのない
佐藤龍猪訳モルモン経を読んでみたいなという気持ちに、
この記事を読んでなりました。
高校生ごろまでは長文を読むことが苦痛で、それまでは
「モルモン経ものがたり」を見たことしかありませんでした。
ただ「モルモン経ものがたり」は絵本なので、平易で理解しやすく
面白く読み進めました。これがモルモン書の諸版に含まれるか
どうかはわかりませんが。
このことについて、私は改訂に委員の一人として参画しました。当時の資料がありますので、一週間以内にまとめてお答えしたいと思います。(このコメント欄かブログの記事として。)
日本語聖書だと文語訳のが今だに販売されてますが、モルモン經(アルマ・O・テイラー)モルモン経(佐藤龍猪)を読もうと思うと入手困難ですよね。
ネット上ではいくつあります。
https://www.babelbible.net/pdf/pdfmari.cgi?mode=right
故植田真理子さんのサイト
◆◆◆モルモン教◆◆◆
:モルモン経(文語)画像
:モルモン経(口語)画像(PDFが壊れてます)
:モルモン経(口語)テキスト《ZIP》
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https://bccks.jp/bcck/159050/info
https://bccks.jp/bcck/167672/info
モルモン經(アルマ・O・テイラー)の電子書籍(550円X2)
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https://w.atwiki.jp/mormon/
モルモンの本(モルモン聖典)
昭和の頃の四大聖典が全てテキスト化されてます。
紙ベースで読みたい場合は古参のメンバーにもらうか古本屋さんやヤフオクなどでの入手するしかないですかね。
特にモルモン經(アルマ・O・テイラー)は入手困難です。
旧約聖書は、イスラエル民族がその歴史の中で築き上げた神と民族の物語、新約聖書はユダヤ教から派生した、イエスキリストの生涯と復活の物語
いずれも、長い年数と多くの人間が関わって形成されたものだと考えます。
教義と聖約は、アメリカに興った新しいキリスト教認識によって生まれたモルモン教徒の信仰物語。
さて、問題なのが「モルモン書」です。
未だに誰がどのようにかかわって出来上がったものかがはっきりしない。
古代アメリカ大陸に起きた出来事の記録なのか?
ジョセフスミス個人の創作なのか?
初期のモルモン信仰者の共同作業なのか?
私が知らないだけで、沢山の資料が有るのでしょうが、長い期間モルモンとして生きてきたが、未だにはっきりした認識が持てない。
みなさんは、どう思っているんでしょうか?