モルモニズムの情報源、主要な主題を扱うサイト。目次を最新月1日に置きます。カテゴリー、本ブログ左下の検索も利用ください。
NJWindow(J)



I 教会は19世紀以来、権威の源を狭め、聖書の権威を低目(ひくめ)に見るように会員に説いてきた。アーマンド・L・マースは1994年に出した本で、その方法として次のような五点をあげている。

[「天使と蜜蜂の巣箱-- 米社会への同化に苦労するモルモン--」]

 1 聖書以外の正典(モルモン書)を行き渡らせる。

 2 聖典よりも生ける預言者(と彼らの再翻訳)を最優先させる。

 3 聖典は真理の源泉の一つにすぎない。

 4 受け容れられている聖書本文は改変されていると強調。

 5 聖書の一部は霊感によっていないと退けた。
--- Armand L. Mauss, “The Angel and the Beehive: The Mormon Struggle with Assimilation” 1994

 

 ブルース・R・マッコンキーは教会が1985年に出版したKJV版聖書の監修(参照の脚注、聖句ガイドを含む)を行ない、末日聖典を全面的に反映させて聖書の末日聖徒化をはかった。そして、聖典の理解は、学位やギリシャ語、ヘブライ語の知識など、人の知恵によって得られるものではない、とCESの教職員に語りかけた。
 しかし、聖書の高等批評について、一部教会の指導者や教育を受けた会員の中に関心が高まりつつあって、教会の中にも意見の相違が見られる。(以上Mauss 同上pp. 104, 105, 108)。 


II 次に日本の教会員が一般の参考文献、特に聖書や神学について読まない理由をあげてみたい。(IIはNJ)。

 1 教会の教えの最終的な答え(権威)は教会教育部のインスティチュートの教科書にあるという見方が定着している。

 2 英語の文献(BYUや教会員によるものを含む)は言語の壁が高く、存在が知られていないし知っても手を出さない。

 3 従順という国民性?から、Iにあげられた点からも教会が出した出版物以外に信頼を置かない。

 

 残念ながら、以上のような理由から日本の末日聖徒は読書の範囲を大変狭めていて、自らが置かれた位置を俯瞰的に見ることも、信仰や宗教について理解を深めて自分の信条を改めて見つめることもできないでいるのではないかと思われる。

[関連した投稿]

・2021.07.10 末日聖徒が参考にする資料・・常々痛感すること
・2020.11.07 インスティチュート生徒用手引きの位置づけ
・2013.11.11 インスティチュートの教科書をどう見るか



コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )



« [現在のイスラ... 「日本の末日... »
 
コメント
 
 
 
残念ながら、私も ()
2022-02-11 14:30:12
>残念ながら、以上のような理由から日本の末日聖徒は読書の範囲を大変狭めていて、


残念ながら、NJさんは知識の範囲を大変狭めている。

最近の若者は、読書に頼ってない気がします。

もちろん残念ながら、私も新しい知識の源を使いこなせていないです。
 
 
 
伝統キリスト教も、またしかり (オムナイ)
2022-02-12 09:44:30
>日本の末日聖徒は読書の範囲を大変狭めていて、

自戒と共感をした上での気持ちです。

>1 聖書以外の正典(モルモン書)を行き渡らせる。

伝統キリスト教もユダヤ教の正典(旧約聖書)に新約聖書を付け加えたのでは。

>2 聖典よりも生ける預言者(と彼らの再翻訳)を最優先させる。

時代に即した勧告に有利に働く思想だと思いますが、現実は人種問題やジェンダーフリーなど聖典の記述に拘束されている気がします。

>3 聖典は真理の源泉の一つにすぎない。

聖典は神からの啓示によって書かれたのだから、真理の源泉は「啓示」にあると思います。

>4 受け容れられている聖書本文は改変されていると強調。
>5 聖書の一部は霊感によっていないと退けた。

聖書は神の言葉が歪められていいると主張していますからね。
これは良くない。

>信仰や宗教について理解を深めて自分の信条を改めて見つめることもできないでいるのではないかと思われる。

耳の痛い話で。。師匠共々精進いたします。
 
 
 
伝家の宝刀 ()
2022-02-14 10:13:03
>耳の痛い話で。。師匠共々精進いたします。

おいおい!私も道ずれかーーい!!

モルモンの聖典理解について思うのは、まず、モルモン書重視の為聖書を軽視する。(日本だけかも知りませんが)

日本ではほとんどの一般人が聖書に親しんでいないのに、モルモン宣教師はいきなりモルモン書から入ります。

今思えば、順序が逆だったんですね。

さらに、日本のモルモンには、「みたまの導き」と言う伝家の宝刀が有ります。

多くの勉強不足の指導者が、これで自身の勉強不足を補ってしまってます。

さらにそれに追い打ちをかけるのが、「手引き」の存在です。

日本のモルモン指導者にとっては、第一が「手引き」であり、その次が「テキスト」それから「モルモン書」最後に来るのが「聖書」付け加えるなら、ほんの一部のNJさんの様なマニアックな人が、キリスト教関連書物を参考にするわけです。

困ったものですな。
 
 
 
モルモン教の言う真理ってなんじゃらホイ (エニグマ)
2022-02-14 11:30:15
そうですねぇ・・・

タルメージ長老の「キリスト・イエス」を熟読している古参会員に「イエスの誕生は西暦元年ではない」といくら説明しても理解してくれませんね。それはこの世の学問による間違った解釈だ!って怒られますよ。タルメージ長老は「信仰によりイエスの誕生が西暦元年であると受け入れる」なんて風に断言していますから。

やっぱり教会幹部の言ってる間違った解説はどんどん指摘して叩くしかないのでは?かと言ってこのコメント欄でそれをするとNJさんは嫌がるでしょう?いったいNJさんはモルモン教会をどうしたいのか、私には良く分かりません。

昔、やっていたように自分のサイトを作って「ここが変だよモルモン教」みたいな指摘をしたほうがいいのか、なんて気持ちも最近強くなっています。
 
 
 
Re;伝家の宝刀 (オムナイ)
2022-02-14 22:14:00
>モルモン宣教師はいきなりモルモン書から入ります。

>今思えば、順序が逆だったんですね。

そかな。

だってクリスチャンも新約聖書から入るでしょう?

三位一体とか信仰義認とか余計な洗脳がない方が良い気がします。
 
 
 
洗脳って (エニグマ)
2022-02-15 11:58:54
>三位一体とか信仰義認とか余計な洗脳がない方が良い気がします。

悪意のある言い方ですよね・・・
こんなこと言うからキリスト教会から忌避されるのでは?
 
 
 
Unknown (あじフライ)
2022-02-15 12:16:45
今、お昼にあじフライ定食を食べています

ええと、洗脳と言うのはモルモン的には健全な見方ですよ(笑)

きっと、伝統的キリスト教の痛い所を突いて、欺瞞を暴いてやったぜ!とでも思っているんでしょうなぁ、ウマシカだから
 
 
 
聖書の権威 (落伍者)
2022-03-01 20:12:29
 やはりですね。

イエスキリストのことを知るには福音書が一番ですよ。
 モルモン書をイエスを知らない人に読ませても、
その思想は伝わらないと思います。
 
 久々に教会に行った時、残念だったのは誰一人
聖書から引用して話をしなかったこと。

 モルモン書や〇〇長老の言葉は引用するけど、聖書からは皆無でした。
 
 イエスを求めてきた人が教会に来ても違和感を感じるだろうなと思いました。

 内部にいる信者には多分理解できない感情でしょう。

 聖書というものをもっと尊重し、深く味わってほしいと願っています。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。