[2005年 ジョセフ・スミス生誕200周年記念 BYU紀要特集号]
今年2020年はジョセフ・スミスが最初の示現を受けてから200周年に当たる。今を去る15年、2005年にジョセフ・スミス生誕200周年を迎えた時、米ワシントンDCの米議会図書館で教会内外の専門家が記念シンポジウムを開催した。そしてその内容がBYU紀要の特集号(2005年44巻4号)に掲載されている。以下、見神に関する部分を要約紹介したい。
BYUのデービッド・ポールセン哲学教授が「ジョセフ・スミスは神学界に波紋を投じた」と題し、四つの点を挙げた。
その第一は今日神が直接啓示を与えられるようになったということである。このシンポジウムに出席したオークス長老も最初の示現は啓示が継続して与えられることの鏑矢(かぶらや)であったと述べている。
第二は神が神聖な権威を人類に回復されたこと、特に神の御名によって語り行なう権能を与えられたことであり、その結果の一つとして正典の枠が拡張された。
第三はイエスが神であり救い主でもあるという、明確なキリスト理解を確認したことである。
第四に神は哲学者や神学者が描く神ではなく、旧約聖書に出てくる生ける神(アブラハム、イサク、ヤコブの神)であることを再確認したことである。
以上は、私を含め多くの日本人が新鮮な驚きをもって末日聖徒に改宗したきっかけであると思う。そしてこの末日聖徒の宗教は活力に富み、改宗した私たちと周囲にそれを感じさせてきた。しかし、英国のダーラム大学教授ダグラス・J・ディビースが指摘するように制約(問題)も負っている。
それについて述べる前に日本の教会員はあまり聞いたことがないかもしれないが、最初の示現には幾つかの異なった話(version)が伝わっていたことに触れておかなければならない。教会の公的サイトの「福音のテーマの論文」にも掲載されているように主要なものが4つある。ごく簡単に記すと次のようになる。
1832年 罪が赦されたと主から告げられた。「主」の言及があるのみ。
1835年 敵対する者の妨げを感じた。どの教会にも加わらないよう告げられる。お一方が現れ、次いでもう一方が現れた。一人の天使の現れにも言及。
1838年 今日公的に伝わっている最初の示現。
1842年 祈りに答えてお二方が現れた。完全な福音が将来知らされる。(それまでの内容に少し修正を加えてシカゴのメディアに送っている。ウェントワース書簡)。
4つの異なった記述が残っていることについて、ジョセフ・スミスの記憶の問題であるとか、強調点が異なった、彼の認識が生成進化したなどの説明が試みられた。また、宗教学界でこのような場合、史実性を巡る議論をするよりその宗教が後にもたらしている果実と意義に注目すべきであるという考えが浮上している。(「現象学的留保」epoche’という研究姿勢)。ヒンクレー大管長も福音書が4つあっても問題がないように、最初の示現は検証や詮索の対象とすべきものではないと語っている。
最初の示現以降、モルモン書を得て回復されたこの教会は、顕著にアメリカ的特性を具えている。この地(アメリカ)は約束の地である、キリストはアメリカを訪れられた、神の国シオンはアメリカにある(少なくとも当初)など。また、政治・世俗的観点によっても、アメリカは世界最強の国として、世界に対する使命を帯びている(多くの米国人の心理) - - そのアメリカが背後にある当教会はアメリカとの結びつきが強い。このことは有利に働きもし、不利にも働いて制約となる。アメリカを好ましく思わない地域が存在し、またアメリカの覇権も永続するわけではないからである。
[主な世界宗教とそれに続くもの]
上のことと関連するが、アメリカ的色彩を薄めて幅のある、大きな世界宗教となっていくかどうかが問われている。教会はすでにその片鱗を具えていると言えるが、英国のD.J.デイビースは世界宗教と言われる宗教は出自の地との結びつき(拘束)が弱まり、伝道先の社会や文化が持つ価値・規範を吸収してゆくものと見る。実際には既にラテンアメリカ、アフリカ、日本にそれぞれその地の特性と融合した何々式末日聖徒が存在しているのであろう。しかし、最近とみに感じられる米国本部の中央集権的傾向はそれに逆行するものであり、制約となる可能性がある。
新型コロナウイルス感染症が蔓延するこの多難な2020年にあって、それぞれが自分の信仰を改めて考察し、残された人生をどのように生きるか、また次世代の末日聖徒のために何を残していけるかを熟慮したいものと思う。
参考:
・David Paulsen, “Joseph Smith Challenges the Theological World” in ”The Worlds of Joseph Smith.” A Bicentennial Conference at the Library of Congress. BYU Studies, Vol. 44, No. 4, 2005.
・福音のテーマの論文、最初の示現の記録https://www.churchofjesuschrist.org/manual/gospel-topics-essays/first-vision-accounts?lang=jpn
・Douglas J. Davies, “World Religion: Dynamics and Constraints,” in “The Worlds of Joseph Smith.”
・Stephen C. Taysom, “Approaching the First Vision Saga,” Sunstone June 2011.
・マーク・R・マリンズ著、高崎恵訳「メイド・イン・ジャパンのキリスト教」2005年
いえいえ、それについては、たしか20年ほど前だと思いますがLDS-Jでその話題を出したら、全ての参加者から総スカンを食らった記憶があります。
お前は反モルモンに影響されてるとか、いろいろ・・・と。元々は教会保有の資料を教会歴史家(マイケル・クイン)経由で知った資料なのですが、やっと教会が認めてきたわけですね。笑らっちゃうのは当時私を批判していた方々が・・・いや愚痴はやめましょう。
どんなことでも先を走りすぎると人生はしんどいですわ。でも走り続けますけど。
「史料で読むアメリカ文化史〈2〉独立から南北戦争まで 1770年代‐1850年代」
に載ってます。
↓
https://www.amazon.co.jp/%E5%8F%B2%E6%96%99%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%82%80%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%96%87%E5%8C%96%E5%8F%B2%E3%80%882%E3%80%89%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E3%81%8B%E3%82%89%E5%8D%97%E5%8C%97%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%BE%E3%81%A7-1770%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E2%80%901850%E5%B9%B4%E4%BB%A3-%E8%8D%92-%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%BF/dp/4130250426/ref=sr_1_2?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E5%8F%B2%E6%96%99%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%82%80%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%96%87%E5%8C%96%E5%8F%B2&qid=1585579511&s=books&sr=1-2
先を走りすぎるとしんどい。それでも走り続けます。・・同じ気持ちです。
ところで初めの2件をコメントされた方、ご芳名を教えていただけたら嬉しいです。よろしかったら e-mail で。jiro.nmn67@yahoo.com へ。
二番目の証言は、全く嘘というわけではなく、兄アルビンスミスの幼い日に起きた神見の内容を、自らに置き換えたもので、期待されていた兄が死んでしまったためにジョセフが最初の示現の体現者に成り代わることになったのでしょう。 なぜなら、父スミスがそのように述べていたからです。
三番目の証言はそれに磨きがかかったもので、ジョセフの才能によって詳細が語られることで現実みを帯びた信じやすいものに完成されている。
末日聖徒が信じているものは、教会が興る前に死んだ兄アルビンの啓示であって、これをジョセフがより信じやすいものに加工したものということになり、我々は宗教用語で言うところの方便によって、導かれキリストの足元にやってきたことになる。
それが真の目的ならば、この場合誰が最初の示現の主人公であったかということはあまり問題にはならないように思われる。
生ける預言者によって次第に神の真理が明かされていく・・・ということならば、現在のところ完全な真理は存在しないのですね。
長年モルモン教会内で以下のような概念を聞かされ続けてきました
・モルモン教会には完全な真理がある
・他のキリスト教会には一部の真理だけを知っている
これはおかしなことです。
真理が少しづつ明らかにされていくなら「完全な真理」はまだ無いのですから。
でもこういう話をするとたいていモルモン教会員の皆さんは苦笑いをしてごまかすか、意味不明なことに怒り出したりするのです。
所詮モルモン教会で言うところの「完全」とはそのレベルかぁ・・・と思うのですね。
・最初の示現の唯一の自筆の書で後は口述(牢獄にいるようだと周りに証言)
・モルモン書のリーハイの示現と聖書のパウロの示現を下敷きにした節がある。共に1人(お二方を登場させるのを畏れ多いと感じた)
・1830年発行のモルモン書の筆記者であるフレデリック・G・ウィリアムズとオリバーカウドリーは最初の示現の変化に何も言及していない。
(2人とも後に破門なっているので創作なら告発してもおかしくない)
>フレデリック・G・ウィリアムズとオリバーカウドリーは最初の示現の変化に何も言及していない。
自分が知らないことは、世界のどこでも起こってはいない、と考えるのは中学生までだよ。
ネットでチャチャと検索して出てこないならないも起こっていないと考えるのは高校生までかな。
破門になった人が何か告発したとして、モルモン教会員は耳をかさないよね、モルモン憎しで嘘をでっちあげているとか言うじゃない。
実際のところ嘘をでっちあげたのはジョセフによる最初の示現のほうなんだけど、私はあえて「創作」とゆるい表現にしてあげてるんだよ。この心配りに感謝してね。
「ジョセフ・フィールディング・スミスが「最初の示現」の・・
」 https://ameblo.jp/exmormon/entry-12585702575.html
たまWEB的には、今は異邦人の時代ということで、ひたすら忍耐・・
「08 ヨセフの家の残りの者は将来この地で増えて、この地は彼らの受け継ぎの地となる。そして、彼らは主のために昔のエルサレムのような聖なる都を築く。また、彼らはもはや乱されることはなく、終わりが来て大地が過ぎ去る。
09 しかも、新しい天と新しい地がある。その天と地は以前のものに似ている。ただ以前のものは過ぎ去り、すべてのものが新しくなるだけである。
10 その後、新エルサレムが成る。そこに住む者たちは幸いである。彼らの衣は小羊の血によって白いからである。彼らは、イスラエルの家に属するヨセフの子孫の残りの者の中に数えられる者たちである。
11 またそのときに、昔のエルサレムも成る。そこに住む者たちは幸いである。彼らは、小羊の血によって洗われているからである。彼らは散らされた後に、地の四方および北の地方から集められた者たちであり、神が彼らの先祖アブラハムと交わされた聖約を果たされるときに、それにあずかる者たちである。
」エテル13
「23 それゆえ、欺かれてはならない。引き続き確固としていて、天が震え、地が揺れ動いて酔った者のようにあちらこちらとよろめくのを、またもろもろの谷が高くなるのを、また山々が低くなるのを、また起伏の激しい所が平らになるのを待ち望みなさい。これはすべて、天使がラッパを吹き鳴らすときに起こるであろう。
24 しかし、主の大いなる日が来る前に、ヤコブは荒れ野に栄え、レーマン人はばらのように花咲くであろう。
25 シオンはもろもろの丘の上で栄え、山々の上で喜び、わたしが指定した場所に集められるであろう。」
」49
天に王星 青い星
https://blog.goo.ne.jp/yoriissouno/s/%E9%9D%92%E3%81%84%E6%98%9F
https://blog.goo.ne.jp/yoriissouno/s/%E5%A4%A9%E3%81%AB%E7%8E%8B%E6%98%9F
https://search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&p=%E2%80%9D%E5%A4%A9%E3%81%AB%E7%8E%8B%E6%98%9F%E2%80%9D
https://search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&p=%E3%83%9B%E3%83%94%20%E9%9D%92%E3%81%84%E6%98%9F
京都大学の研究組織である「京都大学レジリエンス実践ユニット」が「医療崩壊」を回避しつつ、新型コロナウイルスによる「死亡者数」「重症者数」の抑制を重視すると同時に、その対策による「自殺者増」を含めた社会的経済的被害も踏まえた上で、長期的な国民的被害の最小化を目指すための対策動画です。・・・
」https://www.youtube.com/watch?v=wJPWSSZeWtY