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斎宮の女御
「いづつやの文化記号」様HPは→こちら
元画像についての説明がなされています。
このような高貴な方にお仕えしたのが女房と呼ばれる。
≪女房≫
・ニュウボウ(にうばう)と訛る。
・その宮廷・家によって少しづつ違う。
・男房の対。
・神・地位の高い人に仕えた、庶民が近づけない女性が済む部屋の原義。
≪女房宣≫
☆古い役目は、後世の御歌会・歌合せなどに、主人の意思・作品を女房が
庶民に伝達したことの古い形で、列坐の者達を予祝いしたことになる。
≪女房詞ができた理由≫
・内親王やその他の方々は、その家の祖神に仕えることが一番重要な仕事。
天皇の御子は、祖先神(天照大神・伊牂諾尊・伊牂冉尊)に
仕えることが原則で、人間に嫁がないものだというような
書き方が、「源氏物語」にも数箇所ある。
・より期限の古いもの・・・物忌みを厳重に守るための手段としての
日常語の使用禁止
・斎宮・大嘗祭の特別な語として、神には使ってはいけないという語(隠語・
忌み詞)が「延喜式」に定めてある。平安朝の文芸にはよくでてくるが、
忌み祭文は伝統があるので歴史はもう少し古いと思われる。
・だんだんと仕える女房たちからそのほかへ
↓
・その時代の社会秘密や特権意識に支えられ拡がってゆく
↓
・次第に女の普通の語と為って来る
例) 「モジ言葉」・・・シャモジ(杓子)
スモジ(寿司)
カモジ(髢)
↓
・普通語傾向の文字が通常語へと変化し、物語文章となる。
≪女房文学≫
☆次第に、局―割部屋―が設けられるのにつれて、その神聖感は
失われたが、その職務の上からいわゆる女房文学を育て、作家
であると同時に読者でもあった特殊な感情を残した。
『源氏物語』・少女の帖
「女房の曹司町(ざうしまち)ども、あてあてのこまげぞ
大方の事よりもめでたかりける」
~侍女達の部屋のある一廊などは、小さく仕切ってそれぞれに
割り当ててある部屋なのがなかでも結構であった~
☆身分のある者の邸に仕える女達も、宮中同様年中行事に仕え、粥杖で
尻を打つと妊娠すると信じていた。
『枕草子』・三段
「粥の木ひきかくして、家の御達(ごたち)・女房などのうかがふを、
打たれじと用意して、常にうしろを心づかひしたるけしきもをかし」
~粥掻き棒をうしろに隠し持って、その家の老女や「女達」が打とう
として狙うのを、外の女達が打たれまいと用心して、いつも後の
方を用心している様子も面白い~
☆江戸時代には妻・女房家主・いはうじ・いわらじ・主婦などの生活に
定着してくる。
『源氏物語』・夕顔の帖
「伊予介、神無月の朔日頃に下る。女房の下らむにとて、
手向心殊にせさせ給ふ」
~伊予介は十月の初旬頃任国へ下ることになった。今度は「妻」も
同伴する由だから、と光源氏は表向にも手厚い餞別を贈られた~
obiログ過去記事、参考にどうぞ→「御所ことば」(2009.5.26 記)
obiログ過去記事、こちらもどうぞ→「御所ことばのさま」(2009.5.26 記)
『日本民族語大辞典』文学博士石上堅:著(桜楓社)参照
女性はいかにおしゃべりが好きかが歴史上によく現れている気がしますね。
現代人だってギャル語なんてあるし、ちなみに次のサイトの
http://matome.naver.jp/odai/2132452129616023701
↑↑ 「2012年版 女子高生が使ってる“ギャル語”まとめ」
ぜ~~んぜん、わかりませ~ん!
これじゃあ、うかつに
「ウーロンチャ、飲みた~い!」
なんていわれへんやん!!!
≪リンク集≫
「源氏物語解釈と後宮文化の異文化コンテクト」pdf→こちら
高橋亨(名古屋大学)様
世界の後宮と日本の後宮の違い、日本のひらがな文化の女性文学
と世界の男性社会主体の文学の違いなど研究論文で面白いです。
「文字詞について(Ⅱ) 近世語研究(その二)」pdf→こちら
深井一郎(金沢大学)様
「不思議な文字詞」→こちら