小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原漁港から国道135号を真鶴方面に進むといくつかの小さな漁港が点在している。真鶴町との境に近い江之浦地区には江之浦漁港があって、港の中には灯台跡が残っている。小田原市江之浦にある江之浦漁港は、地元漁船が主に利用する規模の小さな漁港で第1種漁港に分類されている。現在の港が完成したのは昭和30年に入った頃。江之浦漁港の防波堤を突端へと進むと色褪せた白色のコンクリート柱が見えてくる。このコンクリート柱が何なのか以前から気になっていたが、先日、昭和50年代の新聞記事の中に手がかりを見つけた。この六角形のコンクリート柱は、江之浦港の灯台の灯塔部分。江之浦港が整備された昭和30年前後に、地元が中心となり国と県の補助を受けて作ったもので、かつては先端から白色の光を発して港の位置を知らせていた。この江之浦漁港の灯台の明かりが灯っていたのは完成から僅か数年の間だけ。台風の高波により埋設してある電線が腐食してしまい、昭和32年頃から灯が消えたままとなっている。その後、灯台先端部にあった照明機材が持ち去られて現在の姿となった。漁協や港を管理する小田原市は昭和40年代から国の関係機関などに灯台再開の陳情を続けているが再開のメドはたたずに現在に至っている。灯台の灯りが消えて50年以上。小さな漁港の小さな灯台が修復され、再び明かりが灯るのを出来れば見てみたい。

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