小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



来年度の芸術文化創造センター着工に先立って小田原市本町の旧小田原警察署周辺では埋蔵文化財の発掘調査が行われている。4月27日の午前中に現場見学会が行われたので写真を撮りに出かけた。現在、発掘調査が行われているのは東京電力裏手の区画。調査の正式名は大久保弥六郎邸跡第Ⅶ地点発掘調査。大久保弥六郎は江戸時代末期の小田原藩家老だった人物で、その邸宅があったのが現在の東京電力裏手周辺にあたる。調査名は大久保弥六郎邸跡の発掘調査となっているが、大久保弥六郎邸そのものの発掘ではなく、それより前の小田原北条時代の16世紀から18世紀にかけての遺構の発掘調査がメインになっているようだった。今回の発掘調査現場はフェンスで囲まれた半分ほどの部分。写真左側の部分は昨年春に発掘調査が終わり埋め戻された場所。今回の発掘では2つの水路の間に竪穴状の遺構が確認されており、倉庫と推定される建物が16世紀にはあったようだ。竪穴の遺構跡はいまひとつ分かりづらいが水路の石組みは分かる。発掘調査見学会の会場の一画では出土品の展示も行われていた。染付けの陶片の文様がなかなか興味深い。かつてはどのような人物が使っていたのだろう。この大久保弥六郎邸跡の発掘調査は1987年から段階的に行われ、今回の第Ⅶ地点の発掘調査で終了となる。まもなく埋め戻しが行われ、再来年度には、ここに芸術文化創造センターが完成する見通し。古くは倉庫や家老邸があった場所は、昭和時代には警察署や消防署が立ち並び、そして平成も四半世紀が過ぎて新たな市民センターが数年後に誕生する。数百年の間に色々な建築物が出来ては移り変わっていくこの場所に100年後にはどのような建築物が建っていることだろう。

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