アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

ゲド戦記Ⅱ こわれた腕環

2009-08-27 15:24:21 | 心や気持ちのお話
ゲド戦記のⅡ巻目を読み終えたところです。

私の読んでいるのは、1976年出版の古い本です。
これは3巻までしか無くて、あと「外伝」というのが1巻あります。

ゲド戦記Ⅰは、何も知らない野生児ゲドが、生まれて初めて「影」に出会い、
襲い来るその圧倒的な力におののきながら、ついに対決するお話でした。

そのラストは非常に感動的で、だいたいのことは知ってはいたのですが、やはり胸が詰まってしまい、
いったん本を閉じてしまいまして、翌日気持ちが落ち着いたところで、やっと最後まで読み進めた、
という感じでした。

このⅡ巻は、ゲドと共に、一人の少女が主人公です。

印象としては、やはり光と影の問題があるのですが、こちらは、ずっと闇の中で暮らしていた少女が、
闇の世界を脱出し、自ら光の世界を選ぶお話です。

これだけを書くと、闇より光の方がいいに決まっているんだから、ずいぶんつまらない
お話なんじゃないか、って思われるかもしれませんね。

それは、外側から見たら、そう見えるでしょう。
外側の、遠い場所から見れば。

ずっと闇にいて、それが日常の光景になっている者からすれば、
闇は闇で、居心地が良いのです。

安全で、安心ですらあり得るのです。

私自身にも覚えがあります。

何か嫌なことがあった時、正面からそれに向き合おうともせず、
「みんな私が悪いの。私のせいなの。」
という言葉に逃げ込んで、めそめそしている時。

そんな時、周りは私をこれ以上責められない、それどころか、かまってくれたりする。

実に安心で安穏なのです、ある意味。

そしてこんな時、私は間違いなく闇の中のお姫様なのです。

勇気を出して光に向かって歩くより、このまま闇の中でめそめそしていた方が
ずっと楽だったりしちゃうんですよ・・・。