共同通信社について述べる前に、そもそも通信社とはなんであるのか。世界には、どんな通信社があるのかについて、調べました。
〈 一般的な説明 〉
「通信社とは、報道機関や民間企業の需要に応えて、大きく一般向けニュースと、経済・金融ニュースの、収集・配信を行う、二つの組織に分けられる。」
「国内通信社、国際通信社、専門通信社の、三つにも区分される。」
〈 国際通信社 〉
「国際通信社は、世界100カ国以上に支社局があり、24 時間活動し、」「100カ国以上の新聞、放送、通信など」「数千の顧客に記事を配信する。」
「英語、フランス語、ドイツ語、オランダ語、」「ロシア語、アラビア語など、多言語で配信する組織。」
このくらいまでなら何となく知っていますが、次のようになりますと、啓蒙してもらうしかありません。
〈 設立形態 〉
「営利を目的とした会社法人と、報道機関が共同出資した組合法人(社団法人)と、半国営企業の外観を備えた国家機関に三分できる。」
「UPIの破綻や、時事通信社の経営不振が象徴するように、民間通信社は、経営が厳しく、」「APやAFP、共同通信社などの社団法人や、」「中国の新華社、ロシアのイタルタス通信などの半国営企業形態が、中心的存在である。」
中国の新華社や、ロシアのイタルタスのような国家の宣伝機関と、報道機関が共同出資した会社しか生き残れないほど、激しい競争世界であると教えられました。
ロイターのような純粋民間企業の通信社は、伝統的な通信社業務から撤退し、経済情報に特化したサービス会社の方向を目指しているといいます。
通信社の役割や位置付けについては、予想していた以上の中身がありました。
・外国のニュースなどを、独自に購入したり、外国に特派員を独自に派遣したりする費用を負担できない新聞社を、支えるものとして、通信社は生まれた。
・多数の報道機関に記事が採用されていくにつれ、報道全体への影響力を増していった。
・この経済的理由から、需要側のマスコミと、供給側の通信社の関係が、生まれた。
・逆に言えば、通信社が国内外の情報を収集するためには、報道機関の支えが必要である
・多くの新聞社は、費用を分担して運営する新聞組合の通信社に、加盟している
・特殊な分野では独立系通信社も存在する。
・マスコミは、政治的、地理的な理由からも、通信社と契約している。
千葉日報のような零細な地方紙と異なり、大規模な全国紙はほとんどのニュースを自社の記事で埋めていると思いがちですが、注意してみますと、ニュースの最後に配信した通信社名が、カッコ書きされています。
通信社の仕事は、ニュースを新聞社へ届けるまでで、紙に印刷し、販売し、配達するのは新聞社の仕事です。こうして彼らは、分業体制を確立しています。
「ただし報道機関は営利企業であり、資本の蓄積や拡大を宿命として抱え、」「ニュース情報も、一元集中させようとする動きが、特に大新聞の、過去の歴史から見てとれる。」
「つまり新聞と通信社は、互いに依存しながら、潜在的に、敵同士であるという、複雑な関係にあり、」「これが新聞人や、通信事業経営者を主役とした、いくつかの事件を生んできた。」
世界各地の情報は、路端に転がっているのでなく、結局はその国の人間から得ます。間違いの少ない、正確な情報を得ようとすれば、ニュース源となる人間は、政府の高官、経済界の有力者、著名な政治家などに絞られてきます。
極秘ニュースや特ダネを得るには、日頃のつき合いがなくてはできません。政治、経済、軍事、文化、芸術等々、世界中から情報を掴むためには、いったいどれほどの陣容と資金がいるのでしょう。
「中央紙と地方紙の、販売部数競争においても、地方紙の主要面の記事を提供する、通信社の役割は重要であるが、」「現在は、多くの新聞の紙面の特色が薄れた。」
「地方紙も全国紙も、ほとんどの記事を通信社から買うため、新聞の特色が無くなっている。」と、こう言っています。
「テレビ番組や、紙面の外信が、通信社の配給ニュースで構成されることから、」「通信社は、ニュースの卸し問屋と呼ばれる場合がある。」
全国規模の卸し問屋から、ニュースを買っているのですから、新聞やテレビの報道に特色がなくなり、横並びの報道になります。そうなりますと、「安部があー」とか、「モリカケ」報道を、氾濫させているのは通信社ではなのかと、そんな背景が見えて来ます。
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