手元に、12月5日付けの、千葉日報新聞があります。
切り抜いた記事は、複数ありますが、注目しているのは、同じページに掲載された、3件です。見出しだけを、並べます
1. 「水道民営化法成立へ」「参院委可決 事業の在り方転換点に」
2. 「法相 受け入れ先調査指示」「技能実習生の賃金分析受け」
3. 「米大統領が5月にも来日 」「国賓、新天皇と会見へ」
どれも重要な記事ですが、気になるのは1と2の記事です。せっかく昨日、安部総理の弁明をしたのに、水道民営化など、日本の安全を崩壊させる悪法です。まったく、最近の総理は、グローバリズムの手先にでもなったように、日本の国内市場を、外資に解放する危険な政策を、次々と打ち出しています。
呆れてものが言えなくなりそうですが、それでも私は、一縷の望みを2の記事に託しました。入管難民法 ( 改正出入国管理法 )の参議院での審議で、失踪した技能実習生について、法務大臣が答弁したという内容です。必要な部分を抜粋し、転記いたします。
「山下貴司法相は、失踪した技能実習生に対する再調査で、67%に当たる1939人が最低賃金を下回っていたとする、野党の分析結果を、重く受け止めるとし、違法性が疑われる受け入れ先の調査を、指示したと述べた。」
受け入れた外国人が都市に集中し、地方の人手不足が解消されていないとか、外国人が国に残した家族への健康保険の見直しとか、重要な質問には、相変わらず曖昧な回答です。昨日の、安部総理への「ひいきの引き倒し」にそっくりな、一縷の望みの屁理屈を述べます。
もしかすると山下法相の言葉は、千葉県知事の森田氏と同様、この法律を機に、これまでのいい加減な外国人の受入れを本気で改めようとしているのでないかと、推察しました。もう少し、記事を引用いたします。
「法務省によると、失踪は今年も相次ぎ、」「上半期で4279人と、過去最多のペース。」「山下氏は、うち400人弱が、受入れ先への監督を強化した、」「技能実習生適正化法の、適用を受ける実習生だったことを、明らかにした。」
不親切な記事で、読んでいる者には、何のことやら不明ですが、法相の指示で、実態を本気で掴もうとしていることだけは、伺えました。森田氏が総理と連携し、外国人労働者の管理強化に力を入れ始めたとするなら、閣僚である山下氏が、総理と歩調を合わせていないはずが、ありません。・・と、私の好意的推察は、ここ迄です.
山下法相の国会答弁の拙さといい、その前の金田法相のみっともなさと言い、最近自民党の法務大臣は、能力に疑問符がつく、頼りない人物が続いています。ネットで、「法務大臣」と検索すると、次のような説明がありました。
「国民生活に直結する職務が少なく、華やかさも乏しいことから、」「やや一線から外れた、議員の任命が多い。」「戦後、法務大臣経験者で、総理大臣に就任した人物は皆無である。」「英米法や大陸法の諸国では、政府の法解釈助言者、という位置づけであり、」「法曹資格者が、就任することが多いのに対し、」「日本では、政府への法解釈助言は、内閣法制局長官が担当する。」
「そのため日本の法務大臣には、法曹資格者が選ばれるケースが少なく、司法行政の経験が皆無な人物が多い。」「さらに出身大学も、法学部でない者も多い。」
この説明で納得いたしました。閣僚名簿では上位にランクされますが、実態はこの通りで、三流どころの大臣の椅子だったということです。司法は国の守りと、私は信じ、法務大臣に敬意を払っていましたが、現実は、こんなものでした。そうなりますと、法務大臣は、当選回数の多い「大臣待ち」の議員が座ることもあるわけです。お飾りの大臣は、法務官僚の言うなりに動くだけの、浄瑠璃人形みたいに見えてきました。
気になって、山下貴司法務大臣の経歴を別途調べてみました。
「東京大学法学部卒、大学在学中に司法試験に合格し、」「司法研修生修了後、検察官任官。東京地検特捜部、」「法務省での勤務の他、在ワシントン日本大使館一等書記官・法律顧問、」「法務省刑事局、国際課国際刑事企画官を最後に退官した。」
頼りない答弁をしていますが、経歴は立派です。年令は53才ですが、当選3回で初入閣し、法務大臣ですから、安部総理に高く買われているのが分かります。しかし遠慮なく言いますと、私は総理の人を見る目を、それほど信用していません。稲田防衛大臣が、良い例でした。国防の要の大臣なのに、その服装たるや、派手なリボンを結んだり、黒い網目のストッキングで現れたり、そこいらのミーちゃんハーちゃんの出で立ちでした。過酷な訓練をし、命がけで任務についている隊員たちは、さぞかし失望したことでありましょう。
党内基盤が弱いため有力議員に妥協し、国民の信頼を失いつつある総理を、是非とも山下氏には、支えてもらいたいと思います。保守政治家安倍晋三の、本来の姿が取り戻せるように、一段の頑張りと、奮闘を祈る私です。
本音を言いますと、私は、山下氏にも、かすかな失望を抱いております。なぜなら、氏は、石破氏を支援している議員だからです。あっちにも、こっちにも妥協し、本来の支持者である国民をないがしろにする、安部氏にこそ、ここで私は檄を飛ばすべきなのかもしれません。
「総理。貴方の主張は、日本を取り戻す、戦後レジームからの脱却ではなかったのか。」「今、この旗は、どこへ行ったのか。」