国際金融資本と「スーパーメジャー」が、「脱炭素社会」に向けて石油業から撤退し、〈再生可能エネルギー〉と〈環境〉分野で、新たな市場を開拓しようとしているのなら、彼らが、日本の産業界に手を伸ばさないはずがありません。
あるいは逆に、日本の中にいる勢力が、彼らと連携しようと野望を抱いても、おかしくありません。痩せても枯れても、腐っても鯛というのが、日本経済を表す言葉ではないかと、私は考えています。世界第二の経済大国というレッテルは、中国に持っていかれましたが、それでも日本が経済大国の一員であるという事実は残っています。
日本がエネルギーの大量消費国であり、「スーパーメジャー」や「国際金融資本」にとって、大事な顧客であると言う事実も変わりません。
もし日本が、「メタンハイドレート」と言う自前資源を自由にできるようになったら、彼らは二つの意味で大損失を被ります。
1. 彼らは、日本から得ていた巨額の「エネルギー購入代金」を失ってしまう。
2. 日本が「メタンハイドレート」を、安価で他国へ輸出を始めたら、彼らが開拓しようとしている新ビジネスの大障碍となる。
世界的規模の投資案件ですから、彼らは何としても日本の動きを抑え込むか、それができなければ、リーダーシップを自分の手にしたいと、考えるのではないでしょうか。
私が立てた予測も、2つです。
1. 彼らは、自分の影響力を、「日本の石油業界」で確立しようと計画する。
2. 彼らは、自分の影響力を、「日本の産業界」で確立しようと計画する。
ヒントを与えてくれたのは、「ジェトロ ビジネス短信」と「日経新聞の記事」です。資本の信奉者である彼らは、マネーの力で世界を支配します。具体的には、融資、出資、買収などですが、多くは株式の動きで知ることができます。
第一ステップとして、日本の民族系石油会社の、現在の株主構成を調べてみようと思います。私の推測が正しければ、彼らの名前があるはずです。
〈 1. エネオス ( ENEOS ) 主要株主 〉(2021年9月30日現在)
日本マスタートラスト銀行 13.28 % ・・JPモルガン系
日本カストディー銀行 7.03 %
ステイト ストリート銀行 3.17 % ・・JPモルガン系
SMBC日興証券 1.51 %
高知信用金庫 1.34 %
JPモルガン チェイス銀行 1.19 %
INPEX 1.03 % ・・旧・国際石油開発帝石
〈 2. 出光興産 主要株主 〉(2021年9月30日現在 )
日本マスタートラスト信託銀行 12.13 % ・・JPモルガン系
日章興産 9.10 %
アラムコ・オーバーシーズ・カンパニー・ビー・ヴィ 7.76% ・・サウジアラビア
公益財団法人出光美術館 6.85 %
日本カストディー銀行 4.05 %
財団法人出光文化福祉財団 4.10 %
ステイト ストリート銀行 1.92 % ・・JPモルガン系
SSBTCクライアントオムニバス 1.86 % ・・中国系ファンド ?
三菱UFJ銀行 1.73 %
三井住友信託銀行 1.73 %
三井住友銀行 1.73 %
予測していた以上に外国資本の進出が大きく、エネオスも出光石油も、もはや、「日本の民族系石油会社」とは呼べなくなっているのではないでしょうか。スペースがなくなりましたので、残りの3社は次回といたします。