2. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第1回後半 )」 ・・核武装に関する韓国と日本の違い
伊藤貫氏の、「韓国と日本の違い」に関する説明が始まります。
・韓国政府は、アメリカの核の傘は頼りにならないとして、信じていない。アメリカが買えと言っている、高額なミサイル防衛システムも買わない。
・中国もロシアも、既にミサイル防衛システムを無効にするミサイルを開発しているので、あんなものは無意味と韓国政府は知っているから、アメリカに言われても、日本のように何兆円もするものを買うなどという馬鹿な議論をしない。
・現在の状況で韓国は、核不拡散防止条約を脱退し、潜水艦を核とした核抑止力を持たざるを得ない。
・僕が韓国人を好きか嫌いかは別にして、この問題に関し、韓国政府のやっていることは100%正しい。しかも韓国人は、その方向に進んでいる。
動画は令和3年のものですが、令和5年7月現在韓国は条約から脱退していません。むしろ2003 ( 平成15 ) 年に、日・米・韓を脅している北朝鮮が脱退を表明していただけです。
核不拡散防止条約は不平等条約と言われながらも、参加していないと、核大国から経済制裁など多くの不利益がもたらされますので、依然としてほとんどの国が承認しています。承認しないと明言している国は、インド、パキスタン、イスラエル、南スーダンの4ヶ国だけで、この国々は既に核保有国です。韓国が条約から脱退し、核開発をしているとしたら大ニュースですが、そのような報道をまだ知りません。氏の説明は、日本を批判するための誇張された捏造ではないのでしょうか。
・韓国に比べて日本人はどうかというと、議論さえしない。例えば保守と言われる産経でも読売でもどこでもいいが、核の傘が機能しないことをきちんと議論するメディアがあるだろうか。
・韓国人は、核拡散防止条約を脱退することが正当であり、自分で核保有しなければならないと分かっている。だからこの問題に関する限り、韓国人は日本人より格段に理性的な議論をしている。
・言っては悪いが日本の護憲左翼だけでなく、いわゆる親米保守 ( 私は拝米保守と呼ぶ ) は、アメリカ人の前で土下座外交をしている。
「アメリカ様は凄い。」
「アメリカ様のいうことは全部聞かなければならない。」
「アメリカ様のいう通り、日本は核を持たない」
「アメリカ様のいう通り、ミサイル防衛システムを買っていれば良い。」
・日本の保守はアメリカの言うことしか聞かず、自分では何も考えない。
・しかし韓国人は、核の傘もミサイル防衛システムも、ニュークリア・システムも嘘と分かっているから、自主的核装備を着々と進めている。
聞くに耐えないに日本人批判が、韓国人との比較で楽しそうに語られますが、私も一言氏にお返しの言葉を贈ります。
「貴方は何か言うと二言目に、〈 過去30年以来調べて来た 〉〈 過去30年研究して来た 〉と言い、今回もその比較で日本と韓国を語っています。」
「日本の保守が、なぜアメリカ人の前で言いなりになるのか。なぜ韓国人が言いなりにならないのか。その原因は、たった30年間の調査や研究では分かりません。」
国際政治の専門家と言うのなら、せめて大東亜戦争前後の日本史くらいはかじっておいて欲しいものです。アジア諸国が次々と欧米列強のため植民地化される中で、国の独立を護るため日本は彼らと戦ったのです。氏は楽しそうに語りますが、全ての日本の指導者たちが、易々諾々としてアメリカに屈服したわけでないと、そんなことも知らないのでしょうか。
日本と韓国を比較するなら、30年前でなく、77年前の敗戦前後の勉強をするべきでしょう。そうすれば、日本と韓国を単純比較して喜ぶような軽薄な意見が言えなくなります。
・日本は米英を含む世界と戦争をしたが、韓国はしていない。
・敗戦後の日本はGHQに統治されたが、韓国はむしろ日本を見捨てた国である。
・日本は米国の主導する「復讐裁判」で指導者が処刑されたが、韓国は無視されていた
・日本は自虐史観の「憲法」を押しつけられたが、韓国はされていない。
保守政治家が土下座外交をしていると言う言葉は、全くの間違いでありませんが、全ての保守政治家と国民がアメリカ一辺倒であると言う意見は、聞き捨てならない発言です。たった30年前の歴史しか語れない氏が、日本の保守の何を分かっていると言うのでしょう。
氏の雑談がまさに雑談でしかないことを、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に伝えたくなりました。こう言う人物に、「私は保守です」と言わせて良いものでしょうか。確かに氏はお喋りの中で、「私は保守」と言っていますが、「日本の保守」とは言っていません。氏はアメリカナイズされた、「アメリカの保守」なのでしょう。
2. 「伊藤貫の真剣な雑談 ( 第1回後半 )」 ・・核武装に関する韓国と日本の違い
アメリカの保守・伊藤氏の雑談を、次回も紹介します。