7. 「伊藤貫の真剣な雑談 第7回 」 ・・文明の衝突とロシア国家哲学 ( R4/6/25 )
動画の内容は、既に8月14日の「伊藤貫の真剣な雑談 - 40 ( プーチン崇拝者 )」で紹介していますので、省略しても構わないのですが、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々には、下記4件を伝えたくなりました。1時間20分の動画のおよそ50分は、プーチン大統領の自伝を元にした「プーチン氏称賛」ですから、彼にとって4件のウェイトは高いものでなく、それこそ雑談のつもりで喋っている「与太話」かもしれません。しかし「頭隠して尻隠さず」の言葉通り、彼の正体が見えています。
( 彼の雑談を取り上げて以来、ますます「ねこ庭」に雑草が生え、小さな庭が荒れていくのが残念ですが、日本中の庭が汚されるのを防ぐためならなんのそのです。)
〈 動画の中にある彼の捏造と乱暴な予測の実例 〉
1. ウクライナ戦争に関するローマ法王の発言の捏造
2. ミンスク合意に関する説明の捏造
3. 2022年のアメリカ中間選挙に関する予測の乱暴さ
4. ウクライナ戦争の停戦に関する予測の乱暴さ
順番に、紹介していきます。
1. ウクライナ戦争に関するローマ法王の発言の捏造
【彼の説明】・・嬉しそうに、得意そうに、満面の笑みで喋ります。
・今回の戦争は、NATO、特にアメリカがウクライナをNATOに組み入れようとしたから、ロシアはウクライナに攻め入らざるを得なかったと、1ヶ月くらい前にローマ法王が言われている。
・数日前にまた同じことを法皇が言われた。ということは、ローマ法王はかなり怒っており、アメリカがウクライナを利用して仕掛けた戦争だと、本当にそう思っている。
・アメリカとイギリスは彼らの売った武器で、いくらウクライナ人が死んでも何とも思っていないが、ローマ法王はこの戦争はNATOが仕掛けた無意味な戦争であるから、一日も早く早く終わって欲しいとキチンとそう言っている。
・僕もそう思うが、僕が言っても何の信頼性もないが、法皇がそういうと物凄い信頼性がある。
【 2022年6月15日のCNN 情報】( ローマ・CNN)
・ ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、ウクライナでの戦争について「おそらく何らかの方法で誘発されたか、あるいは阻止されなかった」との認識を示した。14日刊行の伊紙に掲載された所見の中で述べた。
・報道によると教皇は先月19日、キリスト教関連の文化的出版物に携わる団体の責任者と言葉を交わした中で、「我々が今目の当たりにしているのは残虐かつ凶暴な行為に他ならない。こうした戦争を遂行している部隊は大半が傭兵(ようへい)であり、ロシア軍がこれを活用している」と指摘。同軍がチェチェン人やシリア人を含む傭兵を進んで送り込んでいると付け加えた。
・「しかし危険なことに我々は、この点にしか目を向けていない。確かに恐ろしい話ではあるが、それだけでは全体像が見えず、戦争の裏で何が起きているのかが分からない。おそらくこの戦争は何らかの形で誘発されたか、あるいは阻止されなかったのだろう。兵器のテストや売却に関心が向いている印象も受ける。とても悲しいが、基本的に今重要視されているのはこうしたことだ」(フランシスコ教皇)
・さらに教皇は、ロシアのプーチン大統領を「支持」するわけではないとしつつ、「複雑な問題を善悪の区別に単純化しようとするのは断じて反対だ。根源的な要因や利害関係について考えることが不可欠で、それらは非常に入り組んでいる」と分析。「我々はロシア軍の凶暴さや残虐さを目の当たりにしてはいるが、解決を目指すべき問題があることを忘れてはならない」と続けた。
・このほか、ロシアのウクライナ侵攻前に「ある国家元首」と会談したと明かした。その元首は「NATO(北大西洋条約機構)の動きについて大変な懸念を抱いていた」という。
・「彼に理由を尋ねるとこう答えた。『彼らはロシアの門戸に向かって吠えている。ロシア人が強大で、いかなる外国勢力も寄せ付けない存在であることが分かっていない』」(フランシスコ教皇)
・さらに名前を伏せたこの「国家元首」は教皇に対し、「状況が戦争に発展する可能性もある」と告げたという。
・フランシスコ教皇はまた、ロシア正教会トップのキリル総主教と話し合いの機会を持ちたいと発言。両者は本来14日にエルサレムで面会する予定だったが、ウクライナでの戦争のため延期を余儀なくされていた。9月にカザフスタンで行われる総会で会えるのを望んでいると、フランシスコ教皇は述べた。
・14日にローマ教皇庁(バチカン)が発表した別の所見では、長年続いてきた当該地域での戦争にウクライナ侵攻が加わったと分析。これらの戦争で非常に多くの死者と破壊がもたらされたとの認識を示した。
・そのうえで「ただここで状況を一段と複雑にしているのは、ある『超大国』による直接的な介入だ。自国の意思を押し付けようとするその行動は、民族自決の原則に反する」と語った。
長くなりましたが、CNNの情報を紹介しました。一番最後の部分で法皇は、「ある『超大国』による直接的な介入だ。」と述べていますが、彼が得意げに紹介したようなアメリカ批判はしていません。複雑な事情があるから善悪の判断を単純化できないと語り、特にプーチン大統領の味方もしていません。CNNの報道が客観的な事実を伝えているとするなら、伊藤氏の説明は捏造になります。
同様にして、次回は 「2. ミンスク合意に関する説明の捏造」を紹介します。