ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

学びの「ねこ庭」からの提案 - 9 ( 「ポツダム宣言」紹介 )

2024-02-04 19:02:32 | 徒然の記

 〈 天皇陛下と日本の政治家・軍人は、戦争責任を取っていない 〉

 今回は反日左翼勢力のいう「戦争責任」について、昭和天皇がどのように向き合われ、東条英機元首相がどのように応じたかに関し、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介いたします。

 参考にした文献は、下記のとおりです。

  昭和天皇      ・・富田健治氏著『敗戦日本の内側』( 昭和37年刊 (株)古今書院 )

              津島一夫氏訳『マッカーサー回想記』( 昭和39年刊 朝日新聞社 ) (  上下2巻  )

  東条英機元首相・・渡部昇一氏著『東条英機 歴史の証言』(平成18年刊 祥伝社)

           田中正明氏著『南京事件の総括』( 平成19年刊 株式会社小学館 )

           佐藤崇雄、塩雅晴、中徹共著『戦犯』( 昭和61年刊 角川書店 )

 昭和天皇の「お言葉」と東条元首相の「言葉」を順に紹介しますが、その前に「ポツダム宣言」の全文を読んでみたいと思います。日本の運命を変えた歴史的な文書なので、名前は誰もが知っていますが、どんな内容なのかは誰も知らない・・と言っても過言でないと思います。

 原文の英文を、日本語に翻訳した資料があります。古い公式文書がそうであるように、仮名文字が使われず片仮名書きになっています。読み慣れない古文なので、息子たちと自分自身のため、仮名文字に書き変え、長い文章に区切りを入れました。「ねこ庭」で取り上げるのは初めてで、自分も転記しながら読むことになります。

 十三条の長文のため、「愛国心の学徒」でない人には苦行になるのかも知れません。苦行にならない自分は、姿勢を正して紹介いたします。

〈 「ポツダム宣言」 1945年7月26日 〉( 米国・トルーマン大統領 中国・蒋介石主席 英国・チャーチル首相の3ヶ国で宣言 )

 一 我等米国合衆国大統領、中華民国主席及「グレート・ブリテン」国総理大臣は、吾等の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し、今次の戦争を終結するの機会を興うることに意見一致せり

 二 合衆国、英帝国及中華民国の巨大なる陸、海、空軍は、西方よりの自国の陸軍及空軍に依る数倍の補強を受け、日本国に対し最後的打撃を加うるのを整えたり、右軍事力は日本国が抵抗を終結するに至る迄、同国に対し戦争を遂行するの一切の連合国の決意に依り支持せられ、且鼓舞せられ居るものなり

 三 蹶起せる世界の自由なる人民の力に対する「ドイツ」国の、無益且無意義なる抵抗の結果は、日本国民に対する先例を極めて明示に示すものなり。現在日本国に対し集結しつつある勢力は、抵抗する「ナチス」に対し適用せられたる場合に於て全「ドイツ」国人民の土地、産業及生活様式を必然的に荒廃に帰せしめたるかに比し、測り知れざる程に強大なるものなり。吾等の決意に支持せらるる吾等の軍事力の最高度の使用は、日本軍隊の不可避且完全なる壊滅を意味すべく、又同様必然的に日本国土の完全なる破壊を意味すべし

 四 無分別なる攻撃に依り、日本帝国の滅亡の淵に陥れたる我儘なる軍国主義的助言者に依り、日本国が引続き統御せらるべきか又は、理性の経路を日本国が履むべきかを日本国が決意する時期は到来せり

 五 吾等の条件は左の如し。吾等は右条件より離脱することをなかるべし。右に依る条件存在せず、吾等は遅延を認むるを得ず

 六 吾等の無責任なる軍国主義が世界より駆逐せらるる迄は、平和、安全及正義の新秩序が生じ得ざることを主張するものなるを以て、日本国国民を欺瞞し、之をして世界征服の挙に出ずるの過誤を犯せしめたる者の権力及勢力は、永久に除去せられざるべからず

 七 右の如き新秩序が建設せられ、且日本国の戦争遂行能力が破碎せられたることを確証あるに至る迄は、連合国の指定すべき日本国内領域内の諸地点は吾等の茲に指示する基本的目的の達成を確保する為占領せらるべし

 八 「カイロ」宣言の条項は履行せらるべく、又日本国の主権は本州、北海道、九州、四国及吾等ノ決定スル諸小島に局限せらるべし

 九 日本国軍隊は完全に武装を解除せられたる後、各自の家庭に復帰し、平和的且生産的の生活を営ムの機会を得しめらるべし

 十 吾等は日本国民を民族として奴隷化せんとし、又は国民として滅亡せしめんとするの意図を有するものに非ざるも、吾等の俘虜を虐待せる者を含む一切ノ戦争犯罪に対しては、厳重なる処罰加へらるべし。日本国政府は、日本国国民の間に於ける民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障礙を除去すべし。言論、宗教及思想の自由竝に、基本的人権の尊重は確立せらるべし

 十一 日本国は其の経済を支持し、且公平なる実物賠償の取立を可能ならしむるが如き産業を維持することを許すべし。但し日本国をして戦争の為再軍備を為すことを得しむが如き産業は、此の限に在らず。右目的の為原料の入手 ( 其の支配とは之を区別し ) を許さるべし。日本国は、将来世界貿易関係ヘの参加を許さるべし

 十二 前記諸目的が達成せられ、且日本国国民の自由に表明せる意思に従い、平和的傾向を有し且責任ある政府が樹立せらるるに於ては、連合国の占領軍は直に日本国より撤収せらるべし

 十三 吾等は日本国政府が直に全日本軍隊の無条件降伏を宣言し、且右行動に於ける同政府の誠意に付、適当且充分なる保障を提供せんことを同政府に対し要求す。右以外の日本国の選択は、迅速且完全なる壊滅あるのみとす

 学びの「ねこ庭」お陰で、80才にして初めて「ポツダム無宣言」に目を通しました。林房雄氏の言う「東亜百年戦争」の視点に立って読みますと、よく理解できます。読後の印象を、遠慮なく一言で言いますと、「盗っ人猛々しい文章」と言わざるを得ません。大航海時代のイギリス、フランス、オランダ諸国が、アフリカ、アジアとオセアニアの未開の国々を侵略して植民地化し、国民を虐殺したのは、200年、300年の単位です。

 自分たちの過去を棚に上げ、「無責任な日本の軍国主義が世界から駆逐される迄は、日本壊滅を続けるぞ」と、有無を言わせない脅迫文です。自分たちの戦争は正義だが日本の戦争は悪だという身勝手な思考は、そのまま「日本国憲法」に取り入れられていました。

 最初から最後まで、武力による威嚇の文章なので、ペリーとハリスが国辱の「神奈川条約」と「安政条約」を強要した状況と同じだった、と言うことも教えられました。無謀な日本の軍国主義と決めつけていますが、元を糺せば日本の軍は、欧米列強の侵略から国を守るため、自衛の軍として強化されましたので、恐らく日本の指導者たちには簡単に受け入れられない「宣言文」だったろうと思います。

 この一方的な「宣言文」を得て、昭和天皇と日本の指導者たちがどのように動き、陛下が「どのように語られたのかを、次回に紹介いたします。

コメント (4)
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