唐箕の向こう

６月３０日　土曜日　ひねもす雨
●いかにも梅雨時らしい小糠雨が降り続いた。のたりのたりと過ごした。こんなにのんびりと時間を過ごせるのも田舎住まいのおかげだ。田舎ではあまり人とは接触しないほうがいいような気がする。お互いに、住んできた環境がちがいすぎる。もっとも、学ぶ気持ちがあればべつだ。ああ、おもしろい考え方をするんだな、と感心できる柔軟な心さえもっていれば楽しいはずだ。田舎住まいに失敗したひとのほとんどは、鄙のよさを自然にもとめなかつたからだ。隠棲して自然を友として暮らす覚悟があれば楽しいものですよ。
さて、糠のことを書きたかったのだ。糠。精米するときにできるのこりかす。
●糠喜び。いい話があって、手放しでよろこんだのに。舞い上がっていたのに。アッチャ。ポシヤちゃった。てなことだろう。糠働き。も同じょうな語感だ。無駄働きというところか。
小糠３合あったら……今では逆玉なんてことばもありますね。婿の立場も強くなっています。昔はこんなところにも、小糠ということばが使われていたのです
糠の序にもうひとつ。
●唐箕の向こう。とうみ、農具。箱形の上部からモミなどの穀物を入れ。箱の内部の風車を回してモミガラや役立たずの異物を吹き飛ばす。軽い実のはいっていないものがとばされる。唐箕の向こうへとばされるようなヤツだ。という意味で、役立たずな人をいった。もう死語になっていると思う。ても、おもしろいことばじゃありませんか。「あいつ、唐箕の向こうみたいなやつジャンカ」
●ＧＧはこれから「唐箕の向こうみたいな人だ」などといわれないように人様のお役に立つよう努めたいと反省したものだ。